カンガルーの小部屋

2010.12.01

カンガルーの本棚 さよなら大江戸

佐伯泰英さんの「鎌倉河岸捕物控・紫房の十手」を読みました。

政次・亮吉・彦四郎・しほが大江戸を駆け回る捕物帖。

幼なじみ四人の、成長のドラマが並行して描かれます。

秋から始まった、わたしの中での捕物帖ブーム。

何に引かれるのかと振り返ると、人情と、単純さ。

人情は、ある面ではルール違反。

権力の独走とも言えます。

単純さは、勧善懲悪。

裁判員制度抜きで、即決刑が決まります。

閉塞的な今の社会状況への、反発から痛快さを求めるのかも知れません。

「鎌倉河岸」シリーズは、既刊17冊を読了。

まだまだ続編が期待されます。

が、いつまでも大江戸に留まる訳にはいきません。

今年の101冊目は、今の日本に戻ることにしましょうか。

                       2010年12月1日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏