カンガルーの小部屋

2010.03.04

聴診器のむこうに 素敵な笑顔

20才の青年が来られました。

駐車場から、電動車椅子を操縦しての登場です。

おかあさんに、数枚の写真を見せていただきました。

振り袖姿のおじょうさん方に囲まれた、素敵な笑顔の写真です。

小学校6年生のときの、同級生の女の子が「二十才になったときに、会いましょうね。」という約束をしてくれました。

その約束を覚えていてくれて、成人式の会場で再開が実現したわけです。

青年は言葉を理解することができるのですが、自らは発語できません。

それでも写真に写った姿は、いつもの前屈みではなく、背筋をしっかりと伸ばして、満面に笑みを浮かべたカメラ目線です。

こんな素敵な笑顔の青年を、これまでの診察では見たことがありません。

よかったね。本当によかったですね。

おじょうさん方の優しさにも、感謝、感謝です。

おひなさまの日にふさわしい、素敵な写真を見せていただき、わたしも幸せな気持ちになりました。

                       2010年3月4日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏