2010.03.14
聴診器のむこうに たとえが悪いわ
喘息は、運動をしたり冷たい空気にであうと、発作が出やすくなります。
普段は息苦しくなくても、日常の治療が不十分だと、寒い日に激しいスポーツをしますと発作につながります。
それが苦しいものですから、激しい運動を敬遠するようになり、いつの間にかスポーツ嫌いになってしまうことも少なくありません。
4年生の男の子に日常の治療(この子はステロイド吸入療法を続けています)の大切さを説明しました。
「あのね、きちんと吸入していたら、あなたも冬のオリンピックに出られるかもしれないからね。」と言いますと、「先生、無理。たとえが悪いわ。」と、診察室がアイスリンクように冷たい空気になりました。
「何のスポーツをしているの」とさぐりを入れますと、「サッカー」と答えます。
それではと気を取り直して、「あのね、きちんと吸入していたら、ワールドカップに出られるかもしれないよ。」と言いますと、「それもないわ。」とサッカー選手だからか、一蹴されました。
どんなたとえがヒットするのか、これからもいばらの修行の日々が続きます。
2010年3月14日