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2025.10.29
カンガルーの本棚 つながりの輪のひとつに
原田ひ香さんの「古本食堂」(ハルキ文庫)を読みました。
国文科の大学院に進み、この先の進路が見えないままで過ごす主人公「美希喜」
大叔父が残した古書店に通う中で、出会うひとびと
最高学府を卒業した大叔父が、神田神保町のちいさな古書店を営んでいたわけとは
街のあちこちの食堂で出されるメニューに、こころ癒されながら、
美希喜は、自分のこれからを見つけようと歩き始めます。
続編が、早く文庫本で出ないかなあ。
2025年10月29日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.10.27
カンガルーの本棚 灯を高くかかげ
高田郁さんの「志記・遠い夜明け」を読みました。
医師の世界を志す「美津」
鍛冶の世界を志す「暁」
江戸時代に合って、男性中心の世界を
ふたりの若い女性がどう切り開いていくのか。
楽しみなシリーズの始まりです。
2025年10月27日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.10.21
カンガルーの本棚 出会いと別れ
森絵都さんの「出会いなおし」(文春文庫)を読みました。
繰り返される数々の出会いと別れ
6つの小さなお話しの中に、生きていく喜びと切なさが詰まっています。
中でも、「ママ」「むすびめ」と題されたお話しに心打たれます。
うかがい知れない心のうち、
それはあなたにも、そしてわたしにも
涼しさを感じることができる秋の日に、
優しさを伝えてくれる短編集です。
2025年10月21日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.10.17
カンガルーの本棚 読み進むうちに
カズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」(ハヤカワepi文庫)を読みました。
1ページ目からの違和感、読み進めていくうちに
それがどこから来るのかが、明らかになっていきます。
化学の進歩と、虐げられた人の心を顧みることがない世界
希望と絶望と
重いテーマに、最後の1ページをゆっくりと読み終えました。
2025年10月17日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.10.15
カンガルーの本棚 人生の最後にみる夢は
重松清さんの「はるか、ブレーメン」(幻冬舎文庫)を読みました。
何が喜びとして、何は悔いとして
人生の最後に見る「走馬灯」
それを書き換える「絵師」たち
高校生のはるかは、ふとしたことから「絵師」の仕事を知ることになります。
そして、3才の時に自分を捨てた母との再会
闘病生活を送りながら書かれたというこの作品は、
わたしの人生を、静かに振り返らせてくれます。
2025年10月15日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.10.12
カンガルーの本棚 歩き方にもコツがある
能勢博先生の「ウォーキングの科学」(講談社ブルーバックス)を読みました。
1万歩あるくよりも、筋力を強くする方法がある。
能勢先生はその歩き方のコツを「インターバル速歩法」」と名づけられ、
介入実験の結果をもとに、解説されます。
少しハードな歩き方のコツですが、通勤時間に取り入れようと思いました。
2025年10月12日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.10.02
カンガルーの本棚 もつれた家族のきずなが
町田そのこさんの「宙ごはん」(小学館文庫)を読みました。
おばに育てられ、生みの母と、育てのママをもつ宙
宙のそばで見守り助けてくれる、不思議なおじさん
出合いと別れ、そして新たな旅立ち
悲しみと再生の物語は、いつまでもわたしの胸に響き残ります。
2025年10月2日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.09.21
カンガルーの本棚 生まれてきてよかったと
村木嵐さんの「まいまいつぶろ」(幻冬舎時代小説文庫)を読みました。
障害をもち生まれながら言葉を発することができない徳川家重
その家重の言葉を介することができつ若者が現れます。
将軍職という重圧の中で、理解されず蔑まれてきた家重
その世界に、光が差し始めます。
「生まれてきたよかった」という家重の言葉が、
ふたりの無二の生き方を、表しています。
感涙必死の小説です。
2025年9月21日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.09.19
カンガルーの本棚 誰が後ろで
伊予原新さんの「フクロウ准教授の午睡」(文春文庫)を読みました。
伊予原さんの作品は、心温まるものが多いのですが、
この作品は、大学の学長選をめぐる駆け引きのミステリー
誰かが何かをしかけて、最後に笑うのは
最後までドキドキの1冊でした。
2025年9月19日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.09.17
高校生の男の子の胸には、かわいいうさちゃんマークが 名前もたくさん書かれています。 「これは、なになの」と尋ねると、 「部活のキャラクターと、みんなのあだ名を書いたんです」 外に着ていくには、高校時代の今この瞬間だけだと思うけど、 これからもずーっと宝物にしてくださいね。 2025年9月16日 いたやどクリニック小児科 木村彰宏
樋口満先生の「健康寿命と身体の科学」(講談社ブルーバックス)を読みました。
スポーツ医学の第一人者である樋口先生は、
健康に長生きする秘訣は、心肺機能と筋力であると強調されます。
数々の実験データと論文から、その仮説を検証され、
熱く訴えかけられます。
医療生協の機関誌「三つの輪」のカンガルーのポケットのテーマとなりそうです。
2025年9月17日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.09.15
カンガルーの本棚 深まる謎
カズオ・イシグロさんの「遠い山並みの光」(ハヤカワepi文庫)を読みました。
同名映画に感動し、その足で購入した原作本
主人公悦子の目線で、青春期を過ごしたナガサキと
イギリスにわたってからの生活が回想されていきます。
映画では悦子と、その友人の佐知子とのつながりが
最後のシーンで描かれていましたが、
小説では、それとなく描かれているだけ。
翻訳本とは思えないほどの、流れるような言葉に
悲惨な戦争は、人のこころに何を残し、何を変えてしまうのかと悲しくなりました。
カズオ・イシグロさんの小説を、もう少し読んでみようと思います。
2025年9月15日
いたやどクリニック 木村彰宏

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2025.09.11
カンガルーの本棚 これからの免疫学
吉村昭彦先生の「免疫超入門」(講談社ブルーバックス)を読みました。
免疫学の第一人者であられる吉村先生の免疫学の講義本
感染防御のシステムから、アレルギーとの関係
さらには、老化や発がん、認知症に至るまで
免疫学のいまとこれからを、熱く解説されています。
免疫の不思議さに、また心ひかれました。
2025年9月11日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.08.24
カンガルーの本棚 あれこれ悩んで
重松清さんの「答えは風の中」(新潮文庫)を読みました。
こどもの心の中の「あれ、これ」をめぐる10の短いお話し集
おとなの世界を少し垣間見て、「あれ、これ」と答えが出ない問題を前に
たじろぐ子どもたち
なかでも、「ケンタの背中」の短編です。
継母と暮らし始めたケンタ君
我慢をして我慢をして、そしてケンタ君の気持ちに気づいた母のとった行動とは
さすが重松清さま
新書疲れのこころに、深く刺さりました。
2025年8月24日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.08.14
カンガルーの本棚 小説の奥深さ
吉田修一さんの小説「国宝」(朝日文庫)を読みました。
李相日監督の同名映画に心打たれ、さっそく手にした上下2巻
夏休みの5日間で、一気読みしました。
少し不慣れな文体に戸惑いながらも、
映画では?という場面が、なるほどという因果関係
歌舞伎の演目の一シーンが、紙面から浮かび上がってきます。
映画が先か、小説が先か。
カンガルー的には映画が先な方が楽しめるかなと思います。
2025年8月14日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.07.25
カンガルーの本棚 子育てを考え直す
中室牧子さんの「科学的根拠で子育て」(ダイアモンド社)を読みました。
子ども期のスポーツの効用
学力では測れない非認知能力の伸ばし方
子育て世代の時間的貧困
目標を立て、習慣化し、チームでとりクモ
別学と共学のちがい
男子と女子とのちがい
日本の教育政策について
などなど、科学的知見に基づく興味深い考えが満載の本です。
子育てについては、高名な先生の私見が一般的ですが、
データーに基づく子育て論も、一読に値します
2025年7月25日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.05.26
カンガルーの本棚 勉強の仕方
石田勝紀さんの「同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?」(携書)を読みました。
著者は学習塾の先生です。
これまでに生徒を指導する中で、気づいた?とは
同じ勉強をしていても、そこに疑問を持ち、それを解決しようと思い立ち
楽しみ、考える
受け身ではなく、積極的に問題や課題に取り組む姿勢が
大きな差を生むのではないかと力説されます。
なるほど、なるほどと、共感しながら読了しました。
2025年5月26日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.05.20
カンガルーの本棚 親子からのメッセージ
森永卓郎さん、森永康平さんの「この国でそれでも生きていく人たちへ」(講談社α新書)を読みました。
この国の経済について、金融行政について
富裕層への正当な課税と、最低賃金の大幅な引き上げなど、
親子での意見の違いがありますが、わたし的にはお父さんの意見に賛同しました。
森永卓郎さんからの最後のメッセージとして、心にとどめておきたいと思います。
2025年5月20日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.05.17
カンガルーの本棚 その人の目線から
岩波明先生の「発達障害、不可解な行動には理由がある」(SB新書)を読みました。
落ち着きがない、目をあわせないなど、不可解な行動を釣ることが多い神経発達症
彼らには、まわりがどのように見えて、どんな悩みを抱えているのか
当事者目線から、その行動を解説され、対処法を伝授されます。
本当に必要なサポートとはなにか、
神経発達症の人とお付き合いするうえで、必読の1冊です。
2025年5月17日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.05.07
カンガルーの本棚 アメリカの今
宝島社編の「トランプ人気の深層」(宝島新書)を読みました。
6人の専門家による対談集です。
中でも、佐藤優さんの主張は、他者とは違う異色の論調で興味深く読みました。
今の大統領はその場限りの思い付きの人なのか
それとも、深読みをする人なのか
アメリカのこれからを注目したいと思います。
2025年5月7日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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2025.05.01
カンガルーの本棚 子どもが心配になり
養老孟司先生の「子どもが心配」(PHP新書)を読みました。
養老先生が、児童精神科医や、小児科医、脳研究者、自由学園学園長と
子どもの今とこれからについて自由に語り合う対談集です。
児童精神科医の宮口幸治先生は「親は安心安全の土台と伴奏者になる」ことを強調され、
小児科医の高橋孝雄先生は「子どもが今のしあわせを享受できるよう、社会全体で子育てをする」意味を強調されます。
脳研究者の小泉英明先生は「今いるその場で自足できることの幸せを心から感じることができるおとなに育っていく」ことを
自由学園学園長の高橋和也先生は「子どもたちは自由な主体として生きている一人格である」と述べられます。
先生方のどの言葉にも深い重みがあり、考えさせられる1冊です。
2025年5月1日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
