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2012.12.16
カンガルギー情報 飲みながら語りながら
12月13日、兵庫食物アレルギー研究会の忘年会に出席しました。
小雨の降る中を、それでも14名の先生方が集まられました。
兵庫食物アレルギー研究会は、1991年2月、4名の先生方で出発しました。
それから、22年近くの年月が流れ、月1回開いている例会は、216回を数えました。
会員の先生も、30名を超え、小児アレルギー学会の理事1名、評議員4名を輩出。
会員で分担執筆した本は、「食物アレルギーの治療と管理」「食物アレルギーの治療と管理・改訂2版」「食物アレルギー・外来診療のポイント57」「保護者と学校の先生に伝えたい食物アレルギーの基礎知識」「食物アレルギーの基礎知識改訂2版」と、5冊を数えます。
関西だけではなく、全国的にも一目置かれる研究会に育ちました。
これも、多くの先生方のご協力の賜物だと、深く感謝いたします。
硬い話はさておき、忘年会当日は、恒例の来年の抱負を語りあいます。
ひとりひとりの先生方が、「来年は、これに挑戦したい」熱く語られます。
わたしの来年の抱負は、3つあります。
①外来診療でも安全に食物負荷試験が行える子どもの選び方
②エピペンの適性処方とは
③学校や保育所に食物アレルギーの基礎知識を拡げていくために
会の後半は、外来診療の悩み相談会。
アトピー性皮膚炎の治療について、大激論を交わします。
持論を展開されながらも、相手の意見にも賛同され、新しい治療を取り入れるべきかどうか模索されます。
「ああ、いい仲間に囲まれているんだな」
温かい気持ちになりながら、帰路に着きました。
いつも会のお世話をしてくださっています東神戸病院の森岡先生。
本当にありがとうございました。
2012年12月16日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.12.01
カンガルギー情報 食わず嫌いしないで
30日午後からの学会は、
◇小児アトピー性皮膚炎
◇アレルギー性鼻炎に伴なう睡眠障害
◇IL17ファミリーサイトカイン
◇TSLPとアレルギー
◇セマフォリン
を聴講しました。
後半3つは、アレルギーの基礎研究の講演です。
高槻病院の友人に誘われて、わたし的にはなじみのない講演に挑戦です。
3講演とも、初心者にもわかるようにていねいなお話です。
IL17は、アレルギー性気道炎症との関わりについて
TSLPは、アレルギー性炎症を誘導するマスタースウィッチの役割
セマフォリンは、いろいろなアレルギー疾患の鍵としての役割
基礎研究は、ここまで進んでいるのだと驚くとともに、
食わず嫌いをしないで、聴講してよかったと思いました。
2012年12月1日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.12.01
カンガルギー情報 2日目のアレルギー
11月30日、日本アレルギー学会の2日目です。
朝一番のシンポジウムは、「食物アレルギー診断と治療のUPDATE」
ラテックスアレルギーの診断、茶のしずく石鹸事故の解明、
負荷時に牛乳は加熱するべきか否か
給食経口負荷試験の限界と問題点
学校における食物アレルギーの対応
などなど、興味深い話題が続きます。
クリニックでできること、そしてしてみたいこと、
沢山のヒントをいただきました。
20112年12月1日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.11.30
カンガルギー情報 年の瀬のアレルギー学会
11月29日から、第62回日本アレルギー学会が始まりました。
会場は、大阪国際会議場。
朝一番から、気合を入れて聴講します。
「食物アレルギー」
「思春期喘息」
「IgE検査の微量および高値測定の意義」
終わると、20時近くになります。
会場の外に出ると、堂島橋がライトアップされています。
ゆっくりと休んで、明日にそなえましょう。
2012年11月30日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.11.18
カンガルギー情報 司会者はつらいよ
11月17日、「近畿アトピー性皮膚炎談話会に出かけました。
持ちまわり幹事の当番年のため、シンポジウムを企画し、
後援してくださる先生にご依頼し、そこまでは順調で、
ギリギリになって、座長を決めていなかったことに気づきました。
一般演題、シンポジウムと、連続3時間半、
ひたすら司会・進行役に勤めました。
自分で講演する方が、何倍も気を使わなくても済みます。
シムポジウムのテーマは、「経皮感作を考える」
1番手は、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター皮膚科部長の片岡葉子先生。
皮膚炎、そして、アレルギーの進行を止めるには、皮膚炎の素早いコントロールが必要だと、強調されます。
2番手は、東京の同愛記念病院小児科部長の山口公一先生。
食物抗原を皮膚に貼付する事で、食物アレルギーをコントロールするという
「経皮免疫療法」の研究成果をご発表。
会場からは、質疑が相次ぎ、大いに盛り上がりました。
会場を出ると、雨が上がっています。
さあ、今から上京します。
2012年11月18日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.11.04
カンガルギー情報 秋の勉強会
11月20日(火)1000~1150、アレルギーの勉強会を開きます。
会場は、新長田駅前ピフレホール3F
コープ自然派兵庫が主催されます。
食物アレルギーの最新情報、入学する時になど、お話する予定です。
申し込みは、0120-408-300 コープ自然派サービスセンターまで。
2012年11月4日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.10.16
カンガルギー情報 食物アレルギーと防災
食物アレルギーがある子どもの防災についての、講演会が開かれます。
日時:2012年10月21日(日)13時~14時30分
会場:神戸市立地域人材支援センター(旧二葉小学校)
講師:いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
主催:NPO法人ふたば
申し込み:電話 :078-646-8128
FAX:078-646-8138(担当:やまずみ)
会場は、神戸市営地下鉄駒ケ林駅西約6分のところです。
2012年10月16日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.09.17
カンガルギー情報 スーツ姿の大阪
9月15日、16日の両日、大阪で開かれた「49回日本小児アレルギー学会」に参加しました。
15日の朝、一般演題の発表があったので、慣れないスーツ姿で参加しました。
昨年、みなさんにお願いした「アレルギー食材への認識調査」のまとめを、新田栄養士と分担して2題発表。
誤食事故をすこしでも防ぐ事ができればと思います。
○会長講演「アレルギー教室で学んだこと」
とても分かりやすく共感できるお話でした。
○安藤忠雄さんの講演は「日本に未来はあるか」
今の子どもは、目の輝きをうしなっているという、刺激的なお話です。
○伊藤節子先生の「食べる事をめざす食物アレルギーの診断と治療」
立ち見が出るほどの超満員、伊藤先生のこれまでのご研究の集大成です。
○中畑龍俊先生の「小児疾患におけるiPS細胞の応用」
世の中には、本当にかしこい方がおられるのだなと、ただただ感心。
○神戸直智先生のテーマは「最初の出会いが幸せなものでありますように」
どの病気でも、患者さんとお医者さんとの最初の出会いの大切さを教えられました。
○木暮太一さんの講演は「わかりやすく説明する力」
木暮さんがだされている本を読んでみようと思います。
○最後はシンポジウム「急速経口免疫療法は、食物アレルギーの標準治療となりえるのか」
これからクリニックで、どのような研究をしていけばよいのか、いろいろな事を考えさせられる時間でした。
たっぷり、どっぷりの2日間。
いろいろな先生とお話し、いろいろなイメージをいただき、満タンのカンガルーです。
2012年9月17日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.15
カンガルギー情報 6月の研究会
6月14日、兵庫食物アレルギー研究会が開かれました。
研究会は、今回で212回目。
森岡芳雄先生が講師役で、「食物アナフィラキシーの対応」を学習します。
診断から、初期対応、さらにはショック時の対応へと話しが進みます。
挿管の実技、骨内輸液の方法など、実習も行います。
この内容を、研究会のメンバーで行えるのが、兵庫食物アレルギー研究会の実力です。
「保護者と学校の先生に伝えたい、食物アレルギーの基礎知識」も、売れ行き好調です。
2012年6月15日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.19
カンガルギー情報 満員御礼
5月17日あさ、定例の「おかあさんの勉強会」が開かれました。
きりんの部屋は、14名のおかあさんで超満員。
920から1300まで、熱心な質問が続きます。
○アレルギー学会から、皮膚炎と食物アレルギー、食物アレルギーの免疫療法
○自然学校
○エピペン・食物アナフィラキシー
などなど、最新情報をお伝えしながら、いろいろなアイデアがわいてきます。
わたしにとっても、一番の勉強の機会です。
次回は、6月7日(木)930スタートです。
2012年5月19日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.14
カンガルギー情報 2日目のアレルギー学会
5月13日は、アレルギー学会2日目です。
スタートは、730からの「アトピー性皮膚炎と母乳」
続いて「小児気管支喘息の治療」「経皮感作とアレルギー」
午後からは、「食物アレルギー・ミニシンポジウム」の司会役。
12題の演題を、時間厳守で進めます。
途中、「IgGが関与する小麦アレルギー」で大盛り上がり。
質問者が相次ぎ、時間が遅れるのもあきらめます。
質問者がなければ心配だし、多すぎるとこれも心配です。
終われば、ぐったり。
盛りだくさんな、春のアレルギー学会でした。
2012年5月14日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.12
カンガルギー情報 アレルギー学会大阪
5月12日から、アレルギー学会が大阪中之島で始まりました。
8時半から始まったシンポジウムに、滑り込み。
テーマは、「食物アレルギーに関わるメディカルパートナーをいかに育てるか」
管理栄養士さん、看護師さん、小児科のお医者さんが発言。
さっそく、挙手をして、3回質問。
いろいろな事を教えていただきました。
続いて、シンポジウム「地域で見守るアレルギー疾患」
「アトピー性皮膚炎の最新情報」
「免疫療法」
理解を整理し、これからの診療に役立てるためにと、あわせて、6回の質問。
これはこれで、しんどいものがあります。
でも、せっかくお休みをいただいての学会出席。
とことんこだわって、手をあげて、ピョンピョンと参加しようと思います。
2012年5月12日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.02.26
カンガルギー情報 大槻先生
2月25日夜、自治医大皮膚科教授の大槻先生の講演会に、参加しました。
演題は、「アトピー性皮膚炎とタクロリムス軟膏」
ステロイド外用薬と、タクロリムス軟膏(プロトピック)の特徴と使用上の住み分け。
悪化する前に塗布する「プロアクティブ療法」など、アトピー性皮膚炎をめぐる疑問点のいくつかが氷解しました。
講師席の隣の一番前の席に陣取り、質疑応答の時間には、真っ先に質問。
懇親会では、ご一緒に写真を取っていただくなど、ミーハーぶり。
すっかり、大槻節を堪能させていただきました。
2012年2月26日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.12.13
カンガルーの本棚 ベテルギウスのゆらめき
野本陽代さんの、「ベテルギウスの超新星爆発」(幻冬舎新書)を、読みました。
冬空にきらめくオリオン座。
その右肩に赤く輝く星が、ベテルギウスです。
ベテルギウスが、いま、揺らいでいます。
明るさも、大きさもゆらめき、星の一生の最期、超新星爆発の前触れではないかと考えられています。
わたし達の身体を構成する元素は、酸素が65%、炭素18%、水素10%、窒素3%、カルシウム1.5%、リン1%と言われています。
大部分の星の主成分は、水素とヘリウム。
他の元素は、星が超新星爆発する時に、核融合して作られると書かれています。
ベテルギウスの最期は、新しい生命の誕生につながると言う事なのでしょう。
皆既月食と、オリオン座のベテルギウス。
空を見上げながら歩くことが多くなりました。
「おとうさん、わたしを見てね」と、ナナやハッちゃんにしかられそうです。
2011年12月13日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.11.11
カンガルギー情報 今年のしめは
2011年11月10日から開かれた、日本アレルギー学会に出席しました。
今回は、東京は品川での開催です。
早朝8時からの受け付けを済ませ、モーニングレクチャーを受けに。
「IgE抗体産生機構」、これは難しくて、ついていけません。
同僚の小島先生の発表を聞いて、低アレルゲン小麦開発の研究プランの話し合い。
「アレルギーの経皮感作」
「喘息のコントロールのための課題」
「呼吸器感染症と気管支喘息」
「HRTと食物アレルギー」
などなど、12ある会場を走り回って情報を集めます。
講演を終えられた先生のもとに駆け寄り、関西で開かれるアレルギー研究会での講師役を依頼。
おかえしに、また講演依頼を引き受けたりして、19時の終了時刻には、フラフラのカンガルーでした。
2011年11月11日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.10.30
カンガルギー情報 福岡でアレルギー
10月28日から開かれた、第48回日本小児アレルギー学会に出かけました。
会場は、福岡の国際会議場。
くりかえす乳幼児の喘鳴のシンポジウムでは、嚥下障害や胃食道逆流症、外科的な治療を要する気管支狭窄症など、稀だけれども大切な疾患を勉強しました。
兵庫県立こども病院副院長の西島先生とは、学生の時からの旧知の仲。
さっそく、兵庫の食物アレルギー研究会でのご講演を、お願いしました。
呼気中のNO(一酸化窒素)測定の、喘息診断への応用。
末梢気道抵抗を測定する、オシレーション法の基礎から応用まで。
などなど、今回の学会では、気管支喘息を中心に会場をまわりました。
明日からの診察に、すぐに使えるものもあれば、もう少し時間を置いた方がよさそうなものまで、頭の中は情報の洪水です。
2011年10月30日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.09.08
カンガルギー情報 うれしいニュース
9月8日の朝刊に、うれしいニュースが載っていました。
食物アナフィラキシー治療用の「エピペン」が、保険適応になるというニュースです。
以下記事の要約です。
厚生労働省は7日、「エピペン」を保険適応とすることを決めた。
9月22日から適応となり、約23万人が使う見込みという。
(日経新聞より)
「エピペン」(エピネフリン自己注射液)は、食物アナフィラキシーが出現した時の最後の切り札です。
血圧をあげ、循環を維持し、救急治療を受けるまでの時間稼ぎをするためには、無くてはならない治療アイテムです。
2033年に承認されましたが、保険適応外のために、全額自己負担となり、毎年12000円から、15000円の出費を余儀なくされていました。
保険適応となると、3割負担となるために、4000円~4500円の負担と軽減されます。
「お金のあるなしで、人の命が左右されてはならない」という、民医連の精神から、小児アレルギー学会でも、たびたび保険適応をされるよう発言してきました。
小児アレルギー学会の評議員に立候補した動機のひとつに、「エピペン」を保険適応させたいという思いもありました。
長年の想いが実現し、うれしい限りです。
保険適応にむけてご尽力されたみなさまに、深く感謝いたします。
2011年9月8日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.09.04
カンガルギー情報 アトピー治療
東京で、アトピー性皮膚炎の講演会に参加しました。
会場には一番乗り、開始時間を間違えて、90分も前に席に着きました。
一番前に席をとり、始まりを待ちます。
今日のテーマは、タクロリムス軟膏(プロトピック)の位置づけ、有用性、安全性。
安全性については、新しいデータがしめされて、外来での説明に使えそうです。
2011年9月4日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.06.11
カンガルギー情報 204回目は耳鼻科の先生
6月9日、204回目になる「兵庫食物アレルギー研究会」が開かれました。
今回は、三木市の小島先生に「小児の急性中耳炎、滲出性中耳炎、副鼻腔炎」の講義をしていただきました。
保育所に入ったばかりの子どもさんは、風邪から中耳炎にかかり、治ったと思ったら、またかかり、お医者通いが絶えません。
ごく普通に見られて、それでも決定的な治療法が見つからない、そんな病気の一つ一つをていねいに説明していただきました。
小児科医は、子どもの病気の案内係です。
ある程度の病気は自分で治療して、ある所からは、より専門の先生にバトンタッチをします。
その見極めは、なかなか難しいものです。
他科の優れた先生に出会えることが、自分の臨床の腕をあげることにつながります。
小島先生、これからもいろいろなことを、お教えください。
よろしくお願いいたします。
2011年6月11日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.05.17
カンガルギー情報 売れ行き好評です
兵庫食物アレルギー研究会執筆の「保護者と学校の先生に伝えたい、食物アレルギーの基礎知識」
読みやすいと、評判をいただいています。
板宿駅すぐ上の「井戸書店」に、置かせていただいていますが、売れ行き上々とのことで、少し安心しています。
写真は、いつもニコニコ、森店長さん。
電車を利用されて診察にお越しのおかあさん方は、お帰りの折に、「井戸書店」で、お買い求めください。
お車でクリニックにお越しのおかあさん方は、木村にご相談ください。
井戸書店から、クリニックまで、届けていただきます。
一冊でも多く、おかあさん方に、お読みいただけることを、楽しみにしています。
2011年5月17日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏