カンガルーの小部屋

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  • 2021.07.23

    カンガルーの本棚 B面のはじまり

    重松清さんの「ハレルヤ」(新潮文庫)を、読みました。

    主人公は、学生時代バンドを共にした5人の男女

    中年にさしかかり、思う通りの人生を歩めない彼らが

    キヨシロ―の死をきっかけに、かかわりを開会します。

    CDが標準となる前のレコードには、A面とB面とがありました。

    人生のB面を演じ始める彼らの人生に

    ハレルヤと作者は祝福を送ります。

    2021年7月23日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.07.17

    カンガルーの本棚 亡くなってなお

    木皿泉さんの「さざなみのよる」(河出文庫)を、読みました。

    おおらかで、前向きで、何ごとも笑い飛ばして乗り越える主人公ナスミ

    若くして不治の病に直面しても動ぜずに、生きる意味を見出します。

    亡くなった後も、兄弟や子ども、若い頃に知り合った人の中に

    ナスミは生き続け、励まし続けます。

    いつかその日が来るときに、

    ナスミのように生きることができればと思います。

    2021年7月17日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.07.10

    カンガルーの本棚 生きる意味死ぬことの意味

    小林武彦先生の「生物はなぜ死ぬのか」(講談社現代新書)を読みました。

    生物学者の小林先生は、自然界の仕組みを研究される中で、

    この地球に生物が誕生した奇跡

    そして、生まれ育ち、老いて死んでいく意味を解き明かされます。

    食べて活動することで、少しずつ細胞は衰えていき

    それをリセットするために生殖があり、

    古い世代と置き換わっていく

    その中で、新しい時代に適応できる次の世代が生まれ育ち そして・・

    感情を持ち、喜びや悲しみに翻弄される人間も、

    自然界のひとつの生物種であるという認識が、救いになるのかもしれません。

    2021年7月10日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.07.03

    カンガルーの本棚 コールドリーディング

    森沢明夫さんの「雨上がりの川」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    いじめられ、顔に傷を負い、学校に行けなくなる中学生

    娘を見守る出版社に勤める父

    怪しげな霊能者に心酔する母

    壊れゆく家族を救うものは・・

    コールドリーディング(Cold reading)

    ウィキペディアで調べると、話術の一つ。

    外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、

    相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と

    信じさせる話術である。とあります。

    文庫本の帯びに書かれた

    「その嘘は、誰かの幸せのために・・」の一文が

    家族の再生を予感させます

    2021年7月3日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.07.02

    カンガルーの本棚 お肉と油は

    村上孝先生編の「免疫力を高める27の生活習慣」(法研)を読みました。

    マンガで概略を伝え、次のページで解説という構成です。

    中身は分かりやすく、今までの復習です。

    免疫力を上げる食べ物は

    ニンニク ヨーグルト、色が濃い野菜 キノコ リンゴに 味噌汁

    お勧めでないのは お肉と油もの

    こういう本は、おかあさんの目に入らないうちに、隠しましょう

    2021年7月2日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.06.29

    カンガルーの本棚 家のお医者さん

    ほしおさなえさんの「菓子屋横丁月光荘 丸窓」(ハルキ文庫)を読みました。

    家の声がきこえるという 不思議な力をもつ主人公

    川越の街に移り住み、古民家の声を聞くうちに、

    自分のルーツに気づきます。

    幼い時に事故で無くした両親との出会いは、涙をさそいます。

    それぞれに悩みを持つ登場人物が

    前を向いて歩きはじめる姿に 勇気をもらえます

    2021年6月29日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.06.28

    カンガルーの本棚 わたしと家族のこと

    池井昌樹さんの、「池井昌樹詩集」(ハルキ文庫)を、読みました。

    推理小説と詩集からは縁遠いカンガルーが、

    書店で手に取った理由は、そのカバー絵

    メガネをかけ、本をいだいた白いイヌが、わたしを見つめている

    ただ それだけの理由です

    詩情にはうといカンガルーが、その中身を解説などできないので、

    巻尾に乗せられている谷川俊太郎氏の一文を紹介します

    第一の主題は、「ここはどこ いまはいつ ぼくはだれ」

    第二の主題は、「家族、身内への愛」

    毎日の生活の中で ふとわきあがる不安

    その不安を、母や妻や子らが支えてくれる

    そんな詩群を読み進めるうちに、

    わたしの中にある気持ちが共振する

    詩とは すごい力をもつものだと、あらためて知りました

    2021年6月28日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.06.27

    カンガルーの本棚 短くてものしりに

    立川志の輔さん選の「古典落語100席」(PHP文庫)を読みました。

    笑いは免疫力アップによいとのことで、

    駅前の本屋さんに買い出しに行き、見つけた1冊です。

    見開き2ページの中に1200字前後で、

    演目あらすじと、勘所がまとめてあります。

    YOUTUBEで次に見る演目を探す時に便利な、

    ちょうどテレビの番組表のようなもの。

    それだけでは、動きも表情も声色もなく

    やはり落語という芸は、実際に聞くしかないと、

    当たり前のことをしりました。

    なにでも雑学

    いつか役立つ時が来るかもしれませんね

    2021年6月27日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.06.25

    カンガルーの本棚 分かりやすく奥深く

    遠山祐司先生の「免疫入門 最強の基礎知識」(集英社新書)を読みました。

    ヒトに備わっている免疫のシステム

    物理、化学的なバリア

    自然免疫、獲得免疫が、整理されて説明されています。

    さらに、免疫異常と病気との関係

    最後は、免疫力を高める方法で締めくくられています。

    新聞の書評欄で本書を知り、かかりつけの本屋さんに頼んで待つこと1週間

    その間に、他の本のほうに興味の先を追い抜かれ、後回しになっていましたが

    読んでみると、知識の整理になり

    今度はわたしが人前で話す時のネタが満載です。

    分かりやすく、奥深く お勧めの1冊です。

    2021年6月25日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.06.18

    カンガルーの本棚 おかえりリラ

    原田マハさんの「一分間だけ」(宝島社文庫)を、読みました。

    編集委員として忙しい日々を過ごす、主人公の女性のもとに、

    ゴールデンリトリーバーのリラがやってきます。

    お散歩 食事 仕事との両立に、これまで以上の忙しさ

    やがて、リラに不治の病がみつかります

    それまで ふつうにお散歩道でリラが話しかけていた、

    雑草、石ころ、蟻んこ、ガム セミの抜け殻

    その一つひとつが、今はいとおしい思いでに変わります。

    リラと心からの家族になった女性の物語です。

    2021年6月18日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.06.12

    カンガルーの本棚 今を大切に生きる

    椰月美智子さんの「ぼくたちの答え」(ハルキ文庫)を、読みました。

    陽羽吾、臣、真琴は、中学3年生

    共通することは、3人とも不思議な体験をし、学校に行っていないこと

    フリースクールでであった3人は、お互いの体験を知ることで、

    無二の親友になります。

    3人で考えたチーム名は「コスモボーイズ」

    人の目が気になるのは、頭の中にネガティブな周波数同調器があるから

    そして、3人が出した答えとは・・・

    少しスピリチュアルに傾いた内容でしたが、

    なるほど、なるほどと うなづきながら ページをめくりました。

    2021年6月12日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.05.24

    カンガルーの本棚 異国のおかあさんと

    森沢明夫さんの「かたつむりがやってくる」(実業の日本社)を読みました。

    大学を中退したたまちゃんは、故郷で移動販売をはじめます。

    小さい時に母を事故でなくし、

    新しく家族になったのは、フィリピンから来た陽気なシャーリーン

    地域のおばあちゃんたちに愛される泣き笑いの中で

    命を受け継いでいく幸せに気づきます。

    こころがあったかくなる一冊です。

    2021年5月24日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.05.11

    カンガルーの本棚 ワルテル大好き

    馳星周さんの「雨降る森の犬」(集英社文庫)を読みました。

    中学生の雨音は、家族の愛に恵まれず、叔父の山小屋で暮らしはじめます。

    そこで出会ったのは、大型犬のワルテル

    そして、お隣の別荘にやってきた高校生の正樹

    ふたりの気持ちを寄り添わせたのは、ワルテルと山へのあこがれ

    犬とともに生き、犬とともに育っていくふたりを

    ワルテルはやさしく、そしてやさしく見つめます。

    犬がもつ神の力に、何度もうなずきながらページをめくります。

    2021年5月11日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.05.07

    カンガルーの本棚 さしすせそ

    椰月美智子さんの「さしすせその女たち」(角川文庫)を、読みました。

    多香美と秀介は、共働きの夫婦

    年中さんと、年少さんのふたりの子どもを育てながら、

    朝保育所に送っていくのは誰、迎えに行くのは誰と

    忙しい毎日を過ごしています。

    多香美が友人に教えてもらった 魔法の言葉「さしすせそ」は

    「さすが! しらなかった! すごい! センスある! そうなのね!」

    しかし 多香美は秀介にそんな言葉をかけることさえ口惜しい

    それぞれの職場でおきる出来事、そして夫婦のすれ違い

    この国で子どもを育てながら流される汗と涙に、

    若い頃にすごした生活が、よみがえってきました。

    2021年5月7日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.05.03

    カンガルーの本棚 頑張らなくても

    宮口幸治先生の「どうしても頑張れない人たち」(新潮新書)を読みました。

    「がんばらなくてもいいよ」と声をかけることは、正解なのか

    少しでもできるようになりたいという こどもの気持ちに寄り添い

    やる気を奪わないように支えるためには・・

    また、支援をする側の人を支えるためには、・・

    宮口先生は、深い洞察力から、

    本書には、子ども、そして支援する側の人を支える提言が書かれています。

    連休中のからだ休めに、ご一読されることをお勧めします。

    2021年5月3日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.05.01

    カンガルーの本棚 体も心も長生きしてね

    新井平伊先生の「脳寿命を延ばす」(文春新書)を、読みました。

    平均寿命が長くなってきた時代に

    心配なのが健康寿命 そして脳寿命

    大学の精神科教授を務められ、現在は老年精神医学に精力的にとりくまれている

    新井先生が、脳の健康寿命を延ばすために書かれた18の方法

    その極意は、身体と血管の老化を防ぎ、神経の老化を防ぎ、

    社会的な存在としてのメンタルな廊下を防ぐことと言われます。

    その具体的な方法とは・・

    青年期をすぎた方々にお勧めの1冊です。

    2021年5月1日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.04.25

    カンガルーの本棚 今度は地名から

    宮崎正勝先生の

    「地名で読み解く世界史の興亡」(KAWADE夢新書)を読みました。

    世界の主要都市は、時の支配者により名前が塗り替えられてきました。

    ラテン語名、英語名などなど

    世界地図片手に、イメージを膨らませます。

    「10大民族で読み解く世界史の興亡」の姉妹書ですが、

    前作の方が分かりやすかったかな

    2021年4月25日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.04.22

    カンガルーの本棚 世界史の大きな流れ

    宮崎正勝先生の

    「10大民族で読み解く世界史の興亡」(KAWADE夢新書)を読みました。

    農業民族、遊牧民族、商業民族が、ユーラシア大陸を舞台に興亡を繰り広げる

    世界史の通史です。

    イランが、西洋諸国に対抗するのは何故か

    中国が、周辺民族を吸収し、一つの中国を作ろうとするのは何故か

    ユダヤ人が、金融と情報を武器に活躍するのは何故か

    現代世界の動きの背景には、世界史の大きな流れが隠されています。

    受験は日本史を選択したカンガルーは、

    奥さんが読み終えたこの1冊に、大満足です。

    2021年4月22日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.04.12

    カンガルーの本棚 知らないうちに

    吉原珠央さんの「その言い方は失礼です」(幻冬舎新書)を、読みました。

    心配して発する一言が、相手を傷つけてしまう

    自分のことを話しすぎて、相手のうんざりした表情に気づかない

    待ち合わせの席に、あとからやってきた相手に立ち上がって挨拶をする

    などなど、おとなとして上手にコミュニケーションをとる術が満載の1冊です。

    もっと早く読んでおくべきだったかな

    2021年4月12日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2021.04.01

    カンガルーの本棚 あるく頭脳

    アンデシュ・ハンセン先生の「一流の頭脳」(サンマーク出版)を、読みました。

    ハンセン先生は、「スマホ脳」の作者です。

    子どもの学力をあげるためには、どうすればよいのか

    ADHDの子どもの特効薬は

    認知症予防には、どうすればよいのか。

    ハンセン先生は数多くの論文の結論から、

    現代人が直面する課題の多くが、

    体を動かすことで解消すると力説されます。

    この本を読み進むうちに、立って足踏みしながらの読書になりました。

    2021年4月1日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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