-
2021.06.25
カンガルーの本棚 分かりやすく奥深く
遠山祐司先生の「免疫入門 最強の基礎知識」(集英社新書)を読みました。
ヒトに備わっている免疫のシステム
物理、化学的なバリア
自然免疫、獲得免疫が、整理されて説明されています。
さらに、免疫異常と病気との関係
最後は、免疫力を高める方法で締めくくられています。
新聞の書評欄で本書を知り、かかりつけの本屋さんに頼んで待つこと1週間
その間に、他の本のほうに興味の先を追い抜かれ、後回しになっていましたが
読んでみると、知識の整理になり
今度はわたしが人前で話す時のネタが満載です。
分かりやすく、奥深く お勧めの1冊です。
2021年6月25日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.06.18
カンガルーの本棚 おかえりリラ
原田マハさんの「一分間だけ」(宝島社文庫)を、読みました。
編集委員として忙しい日々を過ごす、主人公の女性のもとに、
ゴールデンリトリーバーのリラがやってきます。
お散歩 食事 仕事との両立に、これまで以上の忙しさ
やがて、リラに不治の病がみつかります
それまで ふつうにお散歩道でリラが話しかけていた、
雑草、石ころ、蟻んこ、ガム セミの抜け殻
その一つひとつが、今はいとおしい思いでに変わります。
リラと心からの家族になった女性の物語です。
2021年6月18日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.06.12
カンガルーの本棚 今を大切に生きる
椰月美智子さんの「ぼくたちの答え」(ハルキ文庫)を、読みました。
陽羽吾、臣、真琴は、中学3年生
共通することは、3人とも不思議な体験をし、学校に行っていないこと
フリースクールでであった3人は、お互いの体験を知ることで、
無二の親友になります。
3人で考えたチーム名は「コスモボーイズ」
人の目が気になるのは、頭の中にネガティブな周波数同調器があるから
そして、3人が出した答えとは・・・
少しスピリチュアルに傾いた内容でしたが、
なるほど、なるほどと うなづきながら ページをめくりました。
2021年6月12日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.05.24
カンガルーの本棚 異国のおかあさんと
森沢明夫さんの「かたつむりがやってくる」(実業の日本社)を読みました。
大学を中退したたまちゃんは、故郷で移動販売をはじめます。
小さい時に母を事故でなくし、
新しく家族になったのは、フィリピンから来た陽気なシャーリーン
地域のおばあちゃんたちに愛される泣き笑いの中で
命を受け継いでいく幸せに気づきます。
こころがあったかくなる一冊です。
2021年5月24日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.05.11
カンガルーの本棚 ワルテル大好き
馳星周さんの「雨降る森の犬」(集英社文庫)を読みました。
中学生の雨音は、家族の愛に恵まれず、叔父の山小屋で暮らしはじめます。
そこで出会ったのは、大型犬のワルテル
そして、お隣の別荘にやってきた高校生の正樹
ふたりの気持ちを寄り添わせたのは、ワルテルと山へのあこがれ
犬とともに生き、犬とともに育っていくふたりを
ワルテルはやさしく、そしてやさしく見つめます。
犬がもつ神の力に、何度もうなずきながらページをめくります。
2021年5月11日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.05.07
カンガルーの本棚 さしすせそ
椰月美智子さんの「さしすせその女たち」(角川文庫)を、読みました。
多香美と秀介は、共働きの夫婦
年中さんと、年少さんのふたりの子どもを育てながら、
朝保育所に送っていくのは誰、迎えに行くのは誰と
忙しい毎日を過ごしています。
多香美が友人に教えてもらった 魔法の言葉「さしすせそ」は
「さすが! しらなかった! すごい! センスある! そうなのね!」
しかし 多香美は秀介にそんな言葉をかけることさえ口惜しい
それぞれの職場でおきる出来事、そして夫婦のすれ違い
この国で子どもを育てながら流される汗と涙に、
若い頃にすごした生活が、よみがえってきました。
2021年5月7日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.05.03
カンガルーの本棚 頑張らなくても
宮口幸治先生の「どうしても頑張れない人たち」(新潮新書)を読みました。
「がんばらなくてもいいよ」と声をかけることは、正解なのか
少しでもできるようになりたいという こどもの気持ちに寄り添い
やる気を奪わないように支えるためには・・
また、支援をする側の人を支えるためには、・・
宮口先生は、深い洞察力から、
本書には、子ども、そして支援する側の人を支える提言が書かれています。
連休中のからだ休めに、ご一読されることをお勧めします。
2021年5月3日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.05.01
カンガルーの本棚 体も心も長生きしてね
新井平伊先生の「脳寿命を延ばす」(文春新書)を、読みました。
平均寿命が長くなってきた時代に
心配なのが健康寿命 そして脳寿命
大学の精神科教授を務められ、現在は老年精神医学に精力的にとりくまれている
新井先生が、脳の健康寿命を延ばすために書かれた18の方法
その極意は、身体と血管の老化を防ぎ、神経の老化を防ぎ、
社会的な存在としてのメンタルな廊下を防ぐことと言われます。
その具体的な方法とは・・
青年期をすぎた方々にお勧めの1冊です。
2021年5月1日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.04.25
カンガルーの本棚 今度は地名から
宮崎正勝先生の
「地名で読み解く世界史の興亡」(KAWADE夢新書)を読みました。
世界の主要都市は、時の支配者により名前が塗り替えられてきました。
ラテン語名、英語名などなど
世界地図片手に、イメージを膨らませます。
「10大民族で読み解く世界史の興亡」の姉妹書ですが、
前作の方が分かりやすかったかな
2021年4月25日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.04.22
カンガルーの本棚 世界史の大きな流れ
宮崎正勝先生の
「10大民族で読み解く世界史の興亡」(KAWADE夢新書)を読みました。
農業民族、遊牧民族、商業民族が、ユーラシア大陸を舞台に興亡を繰り広げる
世界史の通史です。
イランが、西洋諸国に対抗するのは何故か
中国が、周辺民族を吸収し、一つの中国を作ろうとするのは何故か
ユダヤ人が、金融と情報を武器に活躍するのは何故か
現代世界の動きの背景には、世界史の大きな流れが隠されています。
受験は日本史を選択したカンガルーは、
奥さんが読み終えたこの1冊に、大満足です。
2021年4月22日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.04.12
カンガルーの本棚 知らないうちに
吉原珠央さんの「その言い方は失礼です」(幻冬舎新書)を、読みました。
心配して発する一言が、相手を傷つけてしまう
自分のことを話しすぎて、相手のうんざりした表情に気づかない
待ち合わせの席に、あとからやってきた相手に立ち上がって挨拶をする
などなど、おとなとして上手にコミュニケーションをとる術が満載の1冊です。
もっと早く読んでおくべきだったかな
2021年4月12日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.04.01
カンガルーの本棚 あるく頭脳
アンデシュ・ハンセン先生の「一流の頭脳」(サンマーク出版)を、読みました。
ハンセン先生は、「スマホ脳」の作者です。
子どもの学力をあげるためには、どうすればよいのか
ADHDの子どもの特効薬は
認知症予防には、どうすればよいのか。
ハンセン先生は数多くの論文の結論から、
現代人が直面する課題の多くが、
体を動かすことで解消すると力説されます。
この本を読み進むうちに、立って足踏みしながらの読書になりました。
2021年4月1日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.03.31
カンガルーの本棚 勉強するって
森博嗣先生の「勉強の価値」(幻冬舎新書)を、読みました。
「なんで勉強しなければダメなの」
「学校へは、なんで行かなきゃならないの」
こどもからの質問への答えに困られたことがおありかと思います。
勉強は、いい高校や大学にするためではない
勉強は、おもしろいものではない
勉強は、何のためにするのか
森先生は、勉強することの価値、意味を深く教えてくださいます。
ご自分自身と、子育ての考えの整理に
ご一読されることをお勧めします。
2021年3月31日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.03.30
カンガルーの本棚 恋物語
畠山健二さんの「本所おけら長屋16」(PHP文芸文庫)を読みました。
今回は、くらやみ、ねんりん、せいひん、あいぞめと名付けられた
人のこころの奥に潜む暗闇を描く4つの物語。
暗闇を晴らす、恋のゆくえは
春の忙しさを忘れさせてくれる1冊です。
2021年3月30日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.03.27
カンガルーの本棚 スマホづけ
アンデシュ・ハンセンさんの「スマホ脳」(新潮新書)を、読みました。
ハンセンさんは、日本のテレビ番組にも出演されている精神科のお医者さん
人類の歴史から見て、生き残るために発達してきた警戒警報
敵か味方か、逃げるか戦うか
一瞬の判断の遅れが、生死を分けてきました。
スマホには、不安を高め、長期間のストレスを人の脳に与える作用があると、
ハンセンさんは、述べられます。
スマホ脳を避ける暮らし方は・・・
詳しくは本書をお読みください
2021年3月27日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.03.24
カンガルーの本棚 人が動くとき
ターリ・シャーロットさんの
「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」(白揚社)を読みました。
社会のさまざまな事象に対して、
ひとは異なる意見、考えを持っています。
コロナワクチン接種、原発の是非、地球温暖化、プラスティックごみ問題などなど
ある時は、時間と共に意見の一致をみ、
ある時は、鋭く対立したまま時間が流れていきます。
説得を試みようと、事実を目の前に提示しても、
ひとは考えを変えようとしません。
人を動かすには、どうすればいいのか
シャーロットさんは、やさしく語りかけられます。
2021年3月24日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.03.23
カンガルーの本棚 その家に生まれて
片田珠美先生の「子どもを攻撃せずにはいられない親」
(PHP新書)を、読みました。
コロナ禍にあり、子どもの虐待が増えていると聞きます。
わが子を虐待する親には、どのような特徴があるのか
片田先生は、人格を持つ一個人として、
子どもをとらえるのではなく、
親の所有物、付属物と考え、
子どもを支配することに少しの疑問も感じることがない姿が
見えると言われます。
その親とつきあう処方箋とは・・
人の親として、子どもとして、考えさせられる一冊です。
2021年3月23日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.03.08
カンガルーの本棚 浴衣もよう
高田郁さんの「あきない世傳・金と銀十 合流編」(ハルキ文庫)を、読みました。
商い組合から排除され、立ち行かなくなった呉服商五鈴屋
日常の生活のなかに、新しい商機を見出します。
これまで紡いできた、数々の縁
いま、人と人との縁が、大きく結び合い、江戸の町を流れ始めます。
買ってその日のうちに読みきってしまう、おもしろさです。
2021年3月8日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.02.26
カンガルーの本棚 知らない真実
峰宗太郎先生の「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」
(日経プレミアシリーズ)を、読みました。
編集者とのWEB対談集です
新型コロナの基礎とその対策
核酸(DNA・RNA)ワクチンの開発
ワクチンの効果
PCR検査の意義と限界 などなど
編集者の素人目線からの質問に、分かりやすくていねいに答えられています。
読み進むうちに、自分のなかにある根拠のない思い込みに気づかされる1冊です。
2021年2月26日
いたやどクリニック 木村彰宏
-
2021.02.23
カンガルーの本棚 人と自然と
齋藤幸平さんの「人新世の資本論」(集英社新書)を、読みました。
人新世とは、環境破壊の時代
利潤追求の資本主義は、人の生活を壊し、今また地球環境を破壊している。
緑の経済成長という名のもとに、新たな投資がはじまろうとしている
その未来に、何が待ち受けているのか
そして、資本論の著者マルクスは、晩年に何を考えていたのか
350ページを超える大作は、
温暖化、環境破壊、格差の拡大といった大きな問題を
整理してくれたように思います。
2021年2月23日
いたやどクリニック 木村彰宏