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2021.02.21
カンガルーの本棚 前に立ちはだかるもの
橘木俊詔先生の「教育格差の経済学」(NHK出版新書)を読みました。
何が教育格差を生み出しているのか
遺伝的要因、経済的要因のどちらが子どもの学力に影響が大きいのか
幼児教育の効果
塾に行く子どもと、行けない子どもと
この国に存在する教育格差の解消を妨げている要因は
豊富な資料を基に、分かりやすく書かれた本書は、
子どもの未来を考えるうえで、必読の1冊だと思います。
2021年2月21日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.02.13
カンガルーの本棚 7つの謎が
宮坂昌之先生の「新型コロナ7つの謎」(講談社)を、読みました。
ウイルスはどのように繁殖していくのか
症状の個人差はどのようにしておきるのか
日本人に感染が少ないのは何故か
集団免疫で感染は収束できるのか
免疫の暴走は何故起きるのか
有効なワクチンの開発は
などなど、興味深い話題についての解説が続きます。
テレビや雑誌で見受けられる、付け焼き刃的な説明ではなく
世界的な免疫学者からの科学的根拠に基づいた解説文は
驚きと納得の連続です。
多くの方が読まれると、対策の方向性が見えてくるように思います。
ご一読をお勧めの1冊です。
2021年2月13日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.02.07
カンガルーの本棚 学業よりも
NHKスペシャル取材班の「高校生ワーキングプア」(新潮文庫)を、読みました。
進学したくても、経済的な理由で進学をあきらめる高校生
学業や部活動など、充実した青春を過ごす高校生活が、
バイトバイトに追われる毎日に
かりた奨学金は、貸与型。
就職しても安い給料の中から、何十年にもわたり返済しなければなりません。
スマホで交遊し、廉価だけれどこぎれいな服に身を包み、
一見貧困とは程遠い生活を過ごしているかに見える高校生が、
夢をあきらめていく国
2017年2月に放送された番組の、文庫化です。
2021年2月7日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.01.19
カンガルーの本棚 あなたのせいではなく
柳美里さんの「JR上野駅公園口」(河出文庫)を、読みました。
主人公は、上野の山にテントを張り生活する初老のホームレスの男性
故郷の福島県から、出稼ぎの日々を送り
愛息に先立たれ、妻を亡くし
運がない 運がないと 言われ続け
ふるさととの縁を切り、上野の山にたどりつく
雨の日は眠れず、山狩りの日は、住まいをたたみ
生きている人の数にも数えられず
この社会の動きの中で取り残され、苦渋にあえぐ
そんな主人公が生きていることに目をつぶっている社会に
しずかな憤りを感じます。
2020年「TIMEが選ぶ今年の100冊」の1冊です。
2021年1月19日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.01.16
カンガルーの本棚 いつかは訪ねてみたい
さだまさしさんの「銀河食堂の夜」(幻冬舎文庫)を、読みました。
東京の下町に忽然と現れた居酒屋
お酒も食べ物もおいしくて、おまけにお値段もお手ごろと来れば
近所の常連さんでにぎわいます。
そこで交わされる人情話
さだまさしさんの軽妙な話術と共に
明日からの生きる力がわいてきます。
2021年1月16日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.01.02
カンガルーの本棚 鬼滅のお正月
10月にネットで注文した「鬼滅の刃」のシリーズ
年末になって、ようやく配達されてきました。
大みそかから、2日までの3日間
おせち料理を食べながら、読み続けます。
戦闘シーンの動きは激しくて、ついていくのが難しいのですが
鬼殺隊員になった人の 家族を殺された哀しみ
鬼にならざるを得なかった人の生苦しさ
そして、愛する人を守るために あきらめずに戦うこと
そのメッセージが、コミックの枠を超えて、伝わってきます
全23巻 ようやく時代のブームに追いつくことができました。
2021年1月2日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.12.05
カンガルーの本棚 免疫の教科書
坂口志文先生の「免疫の守護者・制御性T細胞とはなにか」
(講談社Blue Backs)を読みました。
坂口先生は、世界的な免疫学者です
アレルギーの病気だけでなく
自己免疫疾患、がん免疫、感染症対応に関わる免疫機能
攻撃側のエフェクターT細胞と、調節薬の制御T細胞の絶妙な駆け引き
両者のバランスを再構築することで、未来の医療が見えそうです。
免疫学の現状と、展望とを教えてくれる必読の1冊です。
2020年12月5日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.11.27
カンガルーの本棚 成果主義ではなく
黒川伊保子先生の「息子のトリセツ」(扶桑社新書)を、読みました。
「トリセツシリーズ」の、男の子版
脳の構造は同じでも、アプリが違うために初期反応が男女では違うというおなじみの説
共感型より、成果主義、問題解決型に傾きやすい男の子を、
「エスコート力」豊かな青年に育てる極意を伝授されます。
読みやすく、なるほど満載の新書です。
2020年11月27日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.10.26
カンガルーの本棚 深く考える
文春新書の「コロナ後の世界」を、読みました。
現在を代表する、6人の論客によるコロナ後の世界観
「独裁国家はパンデミックに強いのか」
「AIで人類はレジリエントになれる」
「ロックダウンで生まれた新しい働き方」
「認知バイアスが感染症対策を遅らせた」
「新型コロナで協力になったGAFA」
「景気回復はスウッシュ型になる」など
どの論説も読みごたえたっぷりです。
深く考えるきっかけとなる、論説集です。
2020年10月26日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.10.18
カンガルーの本棚 きらきら言葉
朝日新書「コロナ後の世界を語る」を、読みました。
朝日新聞に連載された、各界著名人の論説集です
養老孟司先生、福岡伸一先生、など、きらきら言葉が満載です。
なかでも臨床心理士の東畑開人先生の「こころの個別性」
鎌田實先生の「感染した方へのいたわり」が、記憶に残ります。
アフターコロナという言葉がつかえないほど、長期的な見通しが持てない今
窒息しないですむ言葉に救われます。
2020年10月18日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.10.10
カンガルーの本棚 はるなつあきふゆ
畠山健二さんの「本所おけら長屋15」(PHP文芸文庫)を読みました。
はるざれ、なつぜみ、あきなす、ふゆどりと名付けられた4つの短い物語
下町の長屋に暮らす町人の人情に、ほろりとさせられます。
落語の笑いもたっぷりと、
ナナちゃんを抱っこしながら、一気に楽しみ読みしました。
2020年10月10日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.10.07
カンガルーの本棚 いつもそばにいるよ
馳星周さんの「陽だまりの天使たち」(集英社文庫)を、読みました。
今回のソウルメイトは、7匹のワンコたち
トイ・プードル、ミックス、ラブラドール・レトリバー
バセット・ハウンド、フラットッコーテッド・レトリバー
フレンチ・ブルドッグ、バーニーズ・マウンテン・ドッグ
難病に侵された少女に心開くワンコ
自殺しようとする男を踏みとどまらせたワンコ
家族の哀しみの中で旅立つワンコ
どの掌編も、こころを揺さぶります。
ぼくが幸せだとあなたたちも幸せだった。
あなたたちが幸せだったからぼくも幸せだった。
ぼくはずっとあなたたちのそばにいるんだよ。
作者の言葉に、涙が流れて止らなくなります。
2020年10月7日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.09.27
カンガルーの本棚 菜根譚
高田郁さんの「あきない世傳・金と銀九」(ハルキ文庫)を、読みました。
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の「三方よし」を信条とする、
呉服商五鈴屋の女主人、幸に、危機がおとずれます。
そんな時に、縁えた儒学者から、菜根譚の一節を授かります。
「衰える兆しは、最も盛んな時に生まれ
新たな盛運の芽生えは、何もかも失ったときに既にある」
江戸中期の商人の物語の中に、
コロナ禍にある今の世の中の、この先の救いを感じます。
毎日の病院運営のヒントを、いただけた思いがしました。
2020年9月27日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.09.25
カンガルーの本棚 ソウルメイト
馳星周さんの「ソウルメイト」(集英社文庫)を、読みました。
人と犬との魂のかかわりを描いた7つの物語。
チワワ ボルゾイ 柴犬 コーギー、シェパード、テリア、
そして、バーニーズ・マウンテン・ドッグ
何も語らず、人の心の暗闇に寄り添い、そして去っていく
直木賞受賞作家の、やさしい物語です。
2020年9月25日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.09.19
カンガルーの本棚 こどもの心に寄り添って
田中康雄先生の「発達障害だけで子どもを見ないで」(SB新書)を、読みました。
かんしゃくが激しい1才児、寝ない食べない2才児
言葉がなかなか出ない3才児、頑固な3才児など
12の物語に沿って、大人から見ると問題行動を起こす子どもの
こころに深く寄り添って、何をしたいのか、何を伝えたいのかを考えます。
発達にかかわる本を、何冊か読んできましたが、
子どもにやさしい、いちばんの本だと思います。
多くのおかあさん、おかあさんにお読みいただきたい1冊です。
2020年9月19日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.09.08
カンガルーの本棚 竜の守る島
有川ひろさんの「アンマーとぼくら」(講談社文庫)を、読みました。
おかあさんと過ごす、3日間の旅
幼くして実母と死別し、沖縄に住むおかあさんと暮らし始める主人公
父の心変わりを受け止められず、おかあさんの愛を素直にうけいれることができない
そんな思い残しを 3日間の旅が修復してくれます。
島の自然と、育まれた深い人情の描写に
人生の育ち直しを考えるのは、主人公だけではないでしょう。
この本を読み、沖縄の地を、沖縄の自然を見たいと、強く思いました。
2020年9月8日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.08.15
カンガルーの本棚 これからの人類
更科功先生の「絶滅の人類史」(NHK出版新書)を、読みました。
ネアンデルタール人に比べて、体の大きさも、脳の容量も劣っていた
ホモ・サピエンスが、なぜ生き延びることができたのか
類人猿から続くいのちの歴史の中で、
優れていたものは、社会性と適応力だと、先生は述べられます。
IT化が進み、隣人との付き合いが失われ、
コロナ禍の中で、社会が硬直化するこの先に、
人類の未来はあるのか
本書は 大きな問いを、投げかけています。
2020年8月15日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.08.13
カンガルーの本棚 父親になるということ
山極寿一先生の「ゴリラに学ぶ男らしさ」(ちくま文庫)を、読みました。
オス オトコ 男へと、生物学的な差異から
文化的、社会的ジェンダーへと変化してきた歴史を、
ゴリラや類人類の研究を通して、解き明かされます。
男には、次の3つの道徳的使命があります。
①女性を妊娠させる
②被保護者を危険から守る
③親戚一同に食料を提供する
しかし、現代では性差別や、忖度、金持ちの利益しか考えない男など
男の堕落が、目に余るものがあるといわれます。
いったい男たちは、これからどこに向かおうとしているのか
おおきな問いかけを、しめくくりの言葉として
本書は終えられます。
2020年8月13日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.08.09
カンガルーの本棚 この星と暮らし続けるために
インフォビジュアル研究会の「14歳から知る気候変動」(太田出版)を、読みました。
地球の気候システムのしくみ
温暖化が引き起こす12のこと
いま人類にできること
3つの章それぞれが、図解と簡潔な文章にまとめられています。
いま、人類が直面している温暖化について、広く考えを整理するためには
わかりやすい解説書です。
猛暑の中で、一読されてはいかがでしょうか
2020年8月9日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.08.04
カンガルーの本棚 親から子へと
三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖ー扉子と空白の時」
(メディアワークス文庫)を、読みました。
古書にまつわる謎解き物語の、新刊書
今回のお話は、横溝正史さんの「雪割草」と「獄門島」の2冊
栞子さんと、娘の扉子さんが、謎解きに挑戦します。
親から子へと、引き継がれていく観察力と推理力
続編が、今から楽しみです。
2020年8月4日
いたやどクリニック 木村彰宏