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2021.03.31
カンガルーの本棚 勉強するって
森博嗣先生の「勉強の価値」(幻冬舎新書)を、読みました。
「なんで勉強しなければダメなの」
「学校へは、なんで行かなきゃならないの」
こどもからの質問への答えに困られたことがおありかと思います。
勉強は、いい高校や大学にするためではない
勉強は、おもしろいものではない
勉強は、何のためにするのか
森先生は、勉強することの価値、意味を深く教えてくださいます。
ご自分自身と、子育ての考えの整理に
ご一読されることをお勧めします。
2021年3月31日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.03.30
カンガルーの本棚 恋物語
畠山健二さんの「本所おけら長屋16」(PHP文芸文庫)を読みました。
今回は、くらやみ、ねんりん、せいひん、あいぞめと名付けられた
人のこころの奥に潜む暗闇を描く4つの物語。
暗闇を晴らす、恋のゆくえは
春の忙しさを忘れさせてくれる1冊です。
2021年3月30日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.03.27
カンガルーの本棚 スマホづけ
アンデシュ・ハンセンさんの「スマホ脳」(新潮新書)を、読みました。
ハンセンさんは、日本のテレビ番組にも出演されている精神科のお医者さん
人類の歴史から見て、生き残るために発達してきた警戒警報
敵か味方か、逃げるか戦うか
一瞬の判断の遅れが、生死を分けてきました。
スマホには、不安を高め、長期間のストレスを人の脳に与える作用があると、
ハンセンさんは、述べられます。
スマホ脳を避ける暮らし方は・・・
詳しくは本書をお読みください
2021年3月27日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.03.24
カンガルーの本棚 人が動くとき
ターリ・シャーロットさんの
「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」(白揚社)を読みました。
社会のさまざまな事象に対して、
ひとは異なる意見、考えを持っています。
コロナワクチン接種、原発の是非、地球温暖化、プラスティックごみ問題などなど
ある時は、時間と共に意見の一致をみ、
ある時は、鋭く対立したまま時間が流れていきます。
説得を試みようと、事実を目の前に提示しても、
ひとは考えを変えようとしません。
人を動かすには、どうすればいいのか
シャーロットさんは、やさしく語りかけられます。
2021年3月24日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.03.23
カンガルーの本棚 その家に生まれて
片田珠美先生の「子どもを攻撃せずにはいられない親」
(PHP新書)を、読みました。
コロナ禍にあり、子どもの虐待が増えていると聞きます。
わが子を虐待する親には、どのような特徴があるのか
片田先生は、人格を持つ一個人として、
子どもをとらえるのではなく、
親の所有物、付属物と考え、
子どもを支配することに少しの疑問も感じることがない姿が
見えると言われます。
その親とつきあう処方箋とは・・
人の親として、子どもとして、考えさせられる一冊です。
2021年3月23日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.03.08
カンガルーの本棚 浴衣もよう
高田郁さんの「あきない世傳・金と銀十 合流編」(ハルキ文庫)を、読みました。
商い組合から排除され、立ち行かなくなった呉服商五鈴屋
日常の生活のなかに、新しい商機を見出します。
これまで紡いできた、数々の縁
いま、人と人との縁が、大きく結び合い、江戸の町を流れ始めます。
買ってその日のうちに読みきってしまう、おもしろさです。
2021年3月8日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.02.26
カンガルーの本棚 知らない真実
峰宗太郎先生の「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」
(日経プレミアシリーズ)を、読みました。
編集者とのWEB対談集です
新型コロナの基礎とその対策
核酸(DNA・RNA)ワクチンの開発
ワクチンの効果
PCR検査の意義と限界 などなど
編集者の素人目線からの質問に、分かりやすくていねいに答えられています。
読み進むうちに、自分のなかにある根拠のない思い込みに気づかされる1冊です。
2021年2月26日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.02.23
カンガルーの本棚 人と自然と
齋藤幸平さんの「人新世の資本論」(集英社新書)を、読みました。
人新世とは、環境破壊の時代
利潤追求の資本主義は、人の生活を壊し、今また地球環境を破壊している。
緑の経済成長という名のもとに、新たな投資がはじまろうとしている
その未来に、何が待ち受けているのか
そして、資本論の著者マルクスは、晩年に何を考えていたのか
350ページを超える大作は、
温暖化、環境破壊、格差の拡大といった大きな問題を
整理してくれたように思います。
2021年2月23日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.02.21
カンガルーの本棚 前に立ちはだかるもの
橘木俊詔先生の「教育格差の経済学」(NHK出版新書)を読みました。
何が教育格差を生み出しているのか
遺伝的要因、経済的要因のどちらが子どもの学力に影響が大きいのか
幼児教育の効果
塾に行く子どもと、行けない子どもと
この国に存在する教育格差の解消を妨げている要因は
豊富な資料を基に、分かりやすく書かれた本書は、
子どもの未来を考えるうえで、必読の1冊だと思います。
2021年2月21日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.02.13
カンガルーの本棚 7つの謎が
宮坂昌之先生の「新型コロナ7つの謎」(講談社)を、読みました。
ウイルスはどのように繁殖していくのか
症状の個人差はどのようにしておきるのか
日本人に感染が少ないのは何故か
集団免疫で感染は収束できるのか
免疫の暴走は何故起きるのか
有効なワクチンの開発は
などなど、興味深い話題についての解説が続きます。
テレビや雑誌で見受けられる、付け焼き刃的な説明ではなく
世界的な免疫学者からの科学的根拠に基づいた解説文は
驚きと納得の連続です。
多くの方が読まれると、対策の方向性が見えてくるように思います。
ご一読をお勧めの1冊です。
2021年2月13日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.02.07
カンガルーの本棚 学業よりも
NHKスペシャル取材班の「高校生ワーキングプア」(新潮文庫)を、読みました。
進学したくても、経済的な理由で進学をあきらめる高校生
学業や部活動など、充実した青春を過ごす高校生活が、
バイトバイトに追われる毎日に
かりた奨学金は、貸与型。
就職しても安い給料の中から、何十年にもわたり返済しなければなりません。
スマホで交遊し、廉価だけれどこぎれいな服に身を包み、
一見貧困とは程遠い生活を過ごしているかに見える高校生が、
夢をあきらめていく国
2017年2月に放送された番組の、文庫化です。
2021年2月7日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.01.19
カンガルーの本棚 あなたのせいではなく
柳美里さんの「JR上野駅公園口」(河出文庫)を、読みました。
主人公は、上野の山にテントを張り生活する初老のホームレスの男性
故郷の福島県から、出稼ぎの日々を送り
愛息に先立たれ、妻を亡くし
運がない 運がないと 言われ続け
ふるさととの縁を切り、上野の山にたどりつく
雨の日は眠れず、山狩りの日は、住まいをたたみ
生きている人の数にも数えられず
この社会の動きの中で取り残され、苦渋にあえぐ
そんな主人公が生きていることに目をつぶっている社会に
しずかな憤りを感じます。
2020年「TIMEが選ぶ今年の100冊」の1冊です。
2021年1月19日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.01.16
カンガルーの本棚 いつかは訪ねてみたい
さだまさしさんの「銀河食堂の夜」(幻冬舎文庫)を、読みました。
東京の下町に忽然と現れた居酒屋
お酒も食べ物もおいしくて、おまけにお値段もお手ごろと来れば
近所の常連さんでにぎわいます。
そこで交わされる人情話
さだまさしさんの軽妙な話術と共に
明日からの生きる力がわいてきます。
2021年1月16日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2021.01.02
カンガルーの本棚 鬼滅のお正月
10月にネットで注文した「鬼滅の刃」のシリーズ
年末になって、ようやく配達されてきました。
大みそかから、2日までの3日間
おせち料理を食べながら、読み続けます。
戦闘シーンの動きは激しくて、ついていくのが難しいのですが
鬼殺隊員になった人の 家族を殺された哀しみ
鬼にならざるを得なかった人の生苦しさ
そして、愛する人を守るために あきらめずに戦うこと
そのメッセージが、コミックの枠を超えて、伝わってきます
全23巻 ようやく時代のブームに追いつくことができました。
2021年1月2日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.12.05
カンガルーの本棚 免疫の教科書
坂口志文先生の「免疫の守護者・制御性T細胞とはなにか」
(講談社Blue Backs)を読みました。
坂口先生は、世界的な免疫学者です
アレルギーの病気だけでなく
自己免疫疾患、がん免疫、感染症対応に関わる免疫機能
攻撃側のエフェクターT細胞と、調節薬の制御T細胞の絶妙な駆け引き
両者のバランスを再構築することで、未来の医療が見えそうです。
免疫学の現状と、展望とを教えてくれる必読の1冊です。
2020年12月5日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.11.27
カンガルーの本棚 成果主義ではなく
黒川伊保子先生の「息子のトリセツ」(扶桑社新書)を、読みました。
「トリセツシリーズ」の、男の子版
脳の構造は同じでも、アプリが違うために初期反応が男女では違うというおなじみの説
共感型より、成果主義、問題解決型に傾きやすい男の子を、
「エスコート力」豊かな青年に育てる極意を伝授されます。
読みやすく、なるほど満載の新書です。
2020年11月27日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.10.26
カンガルーの本棚 深く考える
文春新書の「コロナ後の世界」を、読みました。
現在を代表する、6人の論客によるコロナ後の世界観
「独裁国家はパンデミックに強いのか」
「AIで人類はレジリエントになれる」
「ロックダウンで生まれた新しい働き方」
「認知バイアスが感染症対策を遅らせた」
「新型コロナで協力になったGAFA」
「景気回復はスウッシュ型になる」など
どの論説も読みごたえたっぷりです。
深く考えるきっかけとなる、論説集です。
2020年10月26日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.10.18
カンガルーの本棚 きらきら言葉
朝日新書「コロナ後の世界を語る」を、読みました。
朝日新聞に連載された、各界著名人の論説集です
養老孟司先生、福岡伸一先生、など、きらきら言葉が満載です。
なかでも臨床心理士の東畑開人先生の「こころの個別性」
鎌田實先生の「感染した方へのいたわり」が、記憶に残ります。
アフターコロナという言葉がつかえないほど、長期的な見通しが持てない今
窒息しないですむ言葉に救われます。
2020年10月18日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.10.10
カンガルーの本棚 はるなつあきふゆ
畠山健二さんの「本所おけら長屋15」(PHP文芸文庫)を読みました。
はるざれ、なつぜみ、あきなす、ふゆどりと名付けられた4つの短い物語
下町の長屋に暮らす町人の人情に、ほろりとさせられます。
落語の笑いもたっぷりと、
ナナちゃんを抱っこしながら、一気に楽しみ読みしました。
2020年10月10日
いたやどクリニック 木村彰宏
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2020.10.07
カンガルーの本棚 いつもそばにいるよ
馳星周さんの「陽だまりの天使たち」(集英社文庫)を、読みました。
今回のソウルメイトは、7匹のワンコたち
トイ・プードル、ミックス、ラブラドール・レトリバー
バセット・ハウンド、フラットッコーテッド・レトリバー
フレンチ・ブルドッグ、バーニーズ・マウンテン・ドッグ
難病に侵された少女に心開くワンコ
自殺しようとする男を踏みとどまらせたワンコ
家族の哀しみの中で旅立つワンコ
どの掌編も、こころを揺さぶります。
ぼくが幸せだとあなたたちも幸せだった。
あなたたちが幸せだったからぼくも幸せだった。
ぼくはずっとあなたたちのそばにいるんだよ。
作者の言葉に、涙が流れて止らなくなります。
2020年10月7日
いたやどクリニック 木村彰宏