カンガルーの小部屋

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  • 2019.02.14

    カンガルーの本棚 守りたいもの

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    葉室麟さんの「峠しぐれ」(双葉文庫)を、読みました。

    国境の峠茶屋で、ひっそりと暮らすふたり

    夜逃げの一家を助け、助太刀をたすけ

    そしてふたりは 藩の勢力争いに巻き込まれます。

    身を隠すように暮らすふたりの過去とは

    そして、守りたい、守ろうとするものは

    最後のページまで 一気読みの一冊です

           2019年2月14日

           いたやどクリニック 木村彰宏 

     

  • 2019.02.11

    カンガルーの本棚 おじぞうさん

    81Q-57yrjML[1]

    森沢明夫さんの「夏美のホタル」(角川文庫)を、読みました。

    房総の寒村を訪れた、若いふたりずれ

    よろずやに住む老親子との交流を通じて、

    家族とは、幸せとはなにかを考えます。

    悲しい過去と、数十年後の和解

    作中に登場するおじぞうさんに、会いたくなりました。

         2019年2月11日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.10

    カンガルーの本棚 もっと前に知りたかった

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    庭内別居、熟年離婚という、おだやかでない言葉が飛び交います。

    好きで一緒に暮らし始めた男女が、なぜにうまくいかないのか

    黒川先生は、その答えを男性の努力に求めます。

    妻につらい記憶を与えないコツ

    妻に笑顔をもどすコツ

    どうすればよいのか、それは読んでのお楽しみ。

    男性必読の一冊です。

            2019年2月10日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.07

    カンガルーの本棚 縄文からのメッセージ

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    森沢明夫さんの「ライアの祈り」(小学館文)を、読みました。

    主人公は、縄文時代に生きるライアと

    いまに生きる桃子

    それぞれに 人には言えぬ悩みをかかえ、

    出会いの中で、明日への一歩を踏み出します。

    青森の自然と 人情にひたりながら

    ゆったりとした時間を過ごすことができる 素敵な1冊です。

          2019年2月7日

          いたやどクリニック 木村彰宏 

     

  • 2019.02.05

    カンガルーの本棚 キャラメルチョコチップの味

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    森沢明夫さんの「キッチン風見鶏」(ハルキ文庫)を、読みました。

    港町の小高い丘の上にあるレストラン

    そこに働くウエイターは、少し不思議な力を持っています

    それは、幽霊が見えること

    レストランに現れる怪しげな物影と

    屋根の上のこわれた風見鶏の秘密とは

    こころの芯まで温かくなれる レストランにようこそ

         2019年2月5日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.22

    カンガルーの本棚 カーラーの誇り

    719fTgrjiGL[1]

    森沢明夫さんの「青森ドロップキッカーズ」(小学館文庫)を、読みました。

    からだが小さく、眼鏡をかけて さえない風貌の中学3年生は

    いじめの真っただ中で暮らしています。

    幼馴染も裏切られ、それでもおばあちゃんが残した言葉を頼りに

    毎日を乗り越えようとします。

    カーリングと出会った日から、彼の毎日が変わり始めます。

    カーラーの誇りとは・・

    楽しい たのしい青春小説です。

          2019年1月22日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.13

    カンガルーの本棚 家族すれちがい

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    是枝裕和さんの「歩いても歩いても」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    職を失った主人公は、兄の命日に里帰りします。

    おぼれかけた子どもを助けようとして、命を失った兄。

    兄を失ったことを、20年たっても受け入れることができない両親

    兄の化身のような蝶が、家の中に舞い込みます

    「人生はいつも、ちょっとだけ間に合わない」

    その言葉をかみしめながら、主人公は家族と歩き続けます。

           2019年1月13日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.12

    カンガルーの本棚 幸せのあおいろケース

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    近藤史恵さんの「スーツケースの半分は」(祥伝社文庫)を、読みました。

    主人公は あおいろスーツケース

    フリーマーケットに売りに出され、持ち手を次々と変えながら世界を旅し、

    いつしか、しあわせを呼ぶスーツケースと呼ばれるようになります。

    スーツケースに入っていたメモ用紙の

    「あなたの旅に、幸多かれ」という言葉の秘密とは・・・

    新しい一歩を踏み出そうとするあなたに

    勇気を与えてくれる1冊です。

          2019年1月12日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.06

    カンガルーの本棚 あなたのうみへ

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    森沢明夫さんの「あなたへ」を、読みました。

    妻の残した遺言状を求めて、西へ西へと車を走らせる主人公

    旅の途上の出会いと別れ、

    「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えることができる」

    旅の終わりに、妻が愛した言葉の重みをかみしめる主人公

    愛する人に想いをはせながら、お読みいただきたい1冊です。

            2019年1月6日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.02

    カンガルーの本棚 きらきらのうらに

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    森沢明夫さんの「きらきら眼鏡」(双葉文庫)を読みました。

    愛猫を失った一人暮らしの主人公は、

    ふと立ち寄った古書店で一冊の本を手に入れます。

    はさまっていたのは、女性の名刺

    誤って古書店に売ったのではないかと考え、連絡を取ります。

    本を通して知り合った年上の女性は、ペコちゃんのような笑顔で、

    「きらきら眼鏡」の話をします。

    何を見ても新鮮で、輝いて見えるという「きらきら眼鏡」

    眼鏡をかけることになった 悲しい出来事とは

    やさしくて、せつなくて

    お正月やすみに、ゆっくりとお読みください

            2019年1月2日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.12.21

    カンガルーの本棚 カクテルの味

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    森沢明夫さんの「大事なことほど小声でささやく」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    主人公は、身長2mを超える体格のおねえ、ゴンママ

    「スナックひばり」を訪れるお客との人情話です。

    さえないサラリーマン、売れっ子の漫画家、シャイな高校生

    おしゃべりな歯科医師、小さな会社の社長さん

    彼らの悩みを、カクテルに託して相談します。

    おかしくって、深くて、しんみりと

    もしかして、今年読んだ本の中で、No1かなって思います。

          2018年12月21日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.12.06

    カンガルーの本棚 それぞれの独り立ち

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    原田マハさんの「独立記念日」(PHP文芸文庫)を、読みました。

    生活につかれ、生活に行き詰まりを感じる主人公たちが

    新しい一歩を踏み出す24のものがたり。

    前のお話の登場人物が、次のお話の主人公になっていくおもしろさ、

    「自由になる」ってことは、「いかに独立するか」ってことなんです。

    ややこしい、いろんな悩みや苦しみから・・

    作中に登場するこの言葉が、「独立記念日」という本の題名を表しています。

    短くて、濃い口で、いつか再読したい一冊です。

          2018年12月6日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.11.09

    カンガルーの本棚 群れて生きる

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    梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」(岩波現代文庫)を、読みました。

    主人公は14歳の男の子、わけ合って父母と離れ、ひとりで暮らしています。

    学校に行かないという選択をしている友だち宅を訪れて、

    おきる一日の出来事を小説は描きます。

    「人が生きるために、群れは必要だ。

    強制や糾弾のない、許し合える、ゆるやかで温かい絆の群れが。

    人が一人になることも了解してくれる、離れていくことも認めてくれる、

    けど、いつでも迎えてくれる、そんな『いい加減』な群れ」

    最後に、作者はこう記します。

    「この言葉を言う力を、自分につけるために、僕は、考え続けて、生きていく。」と         

    2018年11月9日

    いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.11.04

    カンガルーの本棚 嵐の中学生時代

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    椰月美智子さんの、「体育座りで、空を見上げて」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    主人公「わっこ」は、中学一年生

    新しく始まる学校生活への不安、

    部活動、友人との行き違い

    異性へのあこがれ、

    尾崎豊にあこがれ、母親に八つ当たりし、

    そんなじぶんがイヤになり、

    高校に入るまでの3年間の「わっこ」の生活を、小説はていねいに描きます。

    思春期の嵐の季節

    女の子もずいぶんと大変なんだなと感心します。

    中学生の女の子をお持ちのおかあさん

    お読みになられると、娘さんとの話がひろがるかも です

         2018年11月4日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.10.05

    カンガルーの本棚 あすのわたしたち

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    NHKスペシャル取材班の「老後破産」(新潮文庫)を、読みました。

    年金が削られ、医療費や介護費の負担が重くのしかかってくるなかで

    1日の食費を100円で済ませ

    足腰が痛くても、医者代は節約し

    冠婚葬祭にかかるお金を出せないために、旧友との交友を断ち

    つながりを失い、孤独に耐える暮らし

    読み進めるうちに、この国の豊かさが うそごとではないかと思い始めます

    この本、2014年9月NHKスペシャルで放送されたものを文庫化したものです。

           2018年10月5日

                  いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.27

    カンガルーの本棚 患者さんの思いを

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    南杏子さんの「サイレント・ブレス」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    主人公は、在宅訪問クリニックに努める女性医師

    大学から派遣され、看取り医療に戸惑いながら成長していきます。

    ジャーナリスト、筋ジストロフィーの青年、大学教授

    彼女が訪問する患者さんはいろいろな方ですが、

    患者さんの思いを尊重する医療とは何かと

    彼女は考え続けます。

    多くの方に、できれば医療にたずさわれる方にお読みいただきたい1冊です。

             2018年9月27日

             いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.25

    カンガルーの本棚 ごめんなさい、ありがとう

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    辻村深月さんの「朝が来る」(文春文庫)を、読みました。

    登場するふたりの女性

    ひとりは、望んでも子どもを授からなかった女性

    ひとりは、未成年で育てられない子どもを授かった女性

    2人は特別養子縁組で結ばれます。

    6年後、朝斗と名付けられた子どもの前に現れたのは・・

    誕生日に出合えてよかった作品です。

          2018年9月25日

          いたやどクリニック 木村彰宏 

     

  • 2018.09.24

    カンガルーの本棚 いちばんの贈り物

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    角田光代さんの「Presents」を、読みました。

    贈り物をめぐる、12の短いお話

    親からもらった名前、

    小さな体に大きなランドセル

    一人暮らしを始める時にもらった鍋セット

    結婚式に友だちみんなからもらった手作りのウェディングベール

    子どもが描いた一枚の絵

    娘から結婚式でもらったぬいぐるみ

    そして・・・

    あとがきで作者はこう書き記します

    「品物は、いつかなくしてしまっても、

    贈られた記憶、その人と持った関係性は、けっして失うことがない」と

    カンガルーも子どもからもらった誕生日プレゼントを、

    その記憶とともに大切にしようと思いました。

           2018年9月24日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.16

    カンガルーの本棚 同業者の頭の中

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    中山祐次郎先生の{医者の本音}(SB新書)を、読みました。

    先生は、現役の外科のお医者さん

    わたしよりも うん十年も若手の先生です。

    本の中身はいたって真面目です

    大丈夫でしょう、様子をみましょうという言葉の本音

    民間療法の考え方

    奇跡の生還をどう考えるのか

    いのちの値段はいくら

    などなど、興味は尽きません。

    そのお考えも、きわもの的なものではなく

    いたって常識的。

    ふむふむ にやにやしながら 読み終えました

           2018年9月16日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.15

    カンガルーの本棚 次にお会いできるのは

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    高田郁さんの「みおつくし料理帖、花だより」(ハルキ文庫)を、読みました。

    女料理人澪と、とりまく人々のその後の物語

    お互いの表情をみせあわない夫婦が、わらびもちで深まる縁

    澪の親友が、幸せに向けて一歩踏み出す唐汁

    そして、澪の夫の苦悩を支えるふるさとの味

    澪の その後の その後の物語を また読んでみたいものです。

          2018年9月15日

                いたやどクリニック 木村彰宏

     

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