カンガルーの小部屋

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  • 2016.02.09

    カンガルーの本棚 形がない贈り物

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    角田光代さんの「Presents」(双葉文庫)を、読みました。

    生まれて初めてのプレゼントは、両親からいただいた名前。

    入学の時の贈ってもらったランドセル。

    1人暮らし

    恋愛、失恋、結婚、長い結婚生活

    そして、最後にいただいたプレゼントとは

    人生で出会う、12のプレゼントを綴る物語です。

               2016年2月9日

               いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2016.02.05

    カンガルーの本棚 普通のわたし

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    宮下奈都さんの」田舎の紳士服店のモデルの妻」」(文春文庫)を、読みました。

    夫の病気から、田舎に引っ越すことを余儀なくされた梨々子。

    餞別にと渡された10年連用の日記に綴られていく「普通の日々」

    子どもの母でもなく、夫の妻でもなく、祖母の娘でもなく、

    流れていく日々。

    10年が過ぎ、顔がある人との間で生きていく私。

    いま「普通のしあわせ」を生きている実感。

    喜びと哀しみとが綴られた、ひとりの女性の物語です。

                2016年2月5日

                いたやどクリニック 木村彰宏 

     

  • 2016.01.08

    カンガルーの本棚 磐音ロス

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    佐伯泰英さんの「居眠り磐音 江戸双紙5051」(双葉文庫)を、読みました。

    足掛け15年にわたり執筆された、剣術家の物語。

    年初に完結編が発刊され、一気読み。

    守り続ける者と、旅立つ者

    おなじみの登場人物が、世代交代していきます。

    楽しくもあり、寂しくもある完結編。

    磐音にならないように、注意します。

            2016年1月8日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.12.31

    カンガルーの本棚 今年も目標達成

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    2015年の読書を振り返ります。

    1年で読んだ本は、136冊

    どの1冊も、心に残る本ばかりです。

    著者別に並べてみますと、

    ○松岡圭祐さん 25冊

    ○有川 浩さん  7冊

    ○初野 晴さん  7冊

    ○米澤穂信さん  5冊

    ○湯本香樹実さん 5冊

    ○宮下奈都さん  4冊

    ○椰月美智子さん 4冊

    かんがるっ子の読書傾向に強く影響されましたが、

    常連の作家さんと、新しい作家さんとの出会いと、

    とても幸せな読書の年となりました。

    来年も、わくわくできる本との出会いがありますように。

               2015年12月31日

               いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.12.31

    カンガルーの本棚 失われていくわたし

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    荻原浩さんの「明日への記憶」(光文社文庫)を、読みました。

    主人公は、広告代理店で働く50歳の男性。

    頭が重く、訪ねた病院で「若年性アルツハイマー病」と、

    診断されます。

    失われていく記憶、消えていくわたし

    初孫が生まれる前に、仕事を追われ、

    絶望でもなく、哀しみでもなく、

    夕日の中に見つけ出した顔は・・・

    認知症を患う人の内面を、静かに見つめた力作です。

            2015年12月31日

            いたやどクリニック 木村彰宏   

     

  • 2015.12.18

    カンガルーの本棚 言葉のちから

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    菊池省三先生の「甦る教室」(新潮文庫)を、読みました。

    早くから活躍されていた先生の指導実践を、

    TV特番で知り、その日のうちにアマゾン購入

    ほめ言葉のシャワーは、おとなの職場でも使えます。

    あとがきのなかに、構成者のまとめが載せられています。

    ○言葉には安心と自信を作り出す力がある

    ○言葉には自分と自分を向き合わせる力がある

    ○言葉には相手のことを知ることができる力がある

    ○言葉には未来を目指す力がある

    ○言葉には自分を変える力がある

    これらは言葉にしか出来ないものでもある。

    言葉をていねいに育てる大切さを、教えてもらえる1冊です。

              2015年12月18日

              いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.12.17

    カンガルーの本棚 希望の街

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    重松清さんの「希望ヶ丘の人びと」(講談社文庫)を、読みました。

    亡くなった妻が育った街、「希望ヶ丘」

    そこに移り住む家族の物語

    希望を無くした人は寄せ付けない、居場所のない街「希望ヶ丘」

    あとがきの中で作者はこう書きます。

    ニュータウンや家族が抱える病理があることは認めながらも

    明るさや元気へと向かう物語

    破天荒な登場人物の行動に、にやりとしながら、

    希望とは、家族とは、子育てはと、考えさせられる1冊です。

                2015年12月17日

                いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.12.06

    カンガルーの本棚 強くなれ

    有川浩さんの「レインツリーの国」(新潮文庫)を、読みました。

    ラノベ(ライトノベルズ)で知り合った二人。

    ていねいに言葉を紡ぐ彼女には、

    彼と会えない秘密がありました・・・

    レインツリーは、「アメリカネムノキ」

    花言葉は、歓喜・胸のときめき

    「この~木、なんの木、気になる 気になる」という

    日立のコマーシャルソングで知られる木

    その花言葉に込められた願い。

    読み進みながら、つらくて、あたたかくて

    また1冊、おすすめ本が増えました。

              2015年12月6日

              いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2015.11.12

    カンガルーの本棚 下町のプライド

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    池井戸潤さんの「下町ロケット」(小学館文庫)を、読みました。

    宇宙ロケットのエンジンを制御するバルブシステムをめぐる、

    競合会社、大企業の暗躍

    「夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、

    飯だけ食えても夢がなきゃつまらない」

    クリニックのことなのかと、大きくうなずくカンガルーがいます。

    岸田事務長さんへの、課題図書に指定しました。

    最高のエンターテインメント小説です。

               2015年11月12日

               いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.11.07

    カンガルーの本棚 いつまでも歌いたい

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    宮下奈都さんの「終わらない歌」(実業之日本社文庫)を、読みました。

    前作から3年がたち、主人公たちは高校生から、大学生あるいは社会人に、

    音楽の道に進んだ玲は、自分の才能に行き詰まりを覚え、

    「私は情熱がほしい。どんな障害をも越えていく情熱。

    たぶんそれこそが、

    才能だとか、個性だとか、それから努力だとか、

    素質だとか、可能性、環境、遺伝、機会、

    そんなようななんだか別々のようでいて実はとてもよく似た、

    たちの悪いばけものに立ち向かう

    唯一の武器なんかじゃないか」と思います。

    やがて訪れる転機。

    胸が熱くなる、青春小説です。

           2015年11月7日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.11.03

    カンガルーの本棚 そして歩きはじめる

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    宮下奈都さんの「よろこびの歌」(実業之日本社文庫)を読みました

    主人公の玲は、高校2年生。

    志望校に落ち、どうにでもなれという気持ちで通い始めた女子高校

    同級生となじまず、なじもうとせず、余生を過ごそうとします。

    合唱コンクールが、音楽を目指していた彼女の背中を押します。

    なにのために歌うのか、誰のために歌うのか。

    それは、未来のわたしに聞かせるため。

    挫折を味わった少女が、未来への一歩を踏み出す瞬間を描きます。

    高校時代から、ずいぶんと無駄な歩みを積み重ねてきた私の背中を

    優しく後押ししてくれる小説です。

                2015年11月3日

                いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.10.29

    カンガルーの本棚 勇気が出るレシピ

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    井吹有喜さんの「四十九日のレシピ」(ポプラ文庫)を、読みました。

    妻を亡くした夫、母を亡くした娘。

    訪れる失意と虚脱の日々に、残された手紙を見つけます。

    「四十九日には、明るく盛大に送ってほしい」

    妻が、そして母が望んでいたこと。

    突然現れたヤンキー娘と、準備が始まります。

    「あしあとの記」を作る中で、空白の白さが目立ちます。

    やがて、物語は・・

    家族の再生を願う、心温まる1冊です。

              2015年10月29日

              いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.10.28

    カンガルーの本棚 それぞれの青春

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    椰月美智子さんの「恋愛小説」を、読みました。

    20代の男女が織りなす恋愛模様。

    笑いころげ、泣きはらし、裏切り、裏切られ、

    優しく、身勝手で、おとなになり 思い返すときに、

    それは「狂気の恋」そして、「ぎりぎりの恋」

    身近に過ごせば、迷惑な主人公たちが、憎めなく

    いつまでも心のなかを、駆け巡ります。

             2015年10月28日

             いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.10.25

    カンガルーの本棚 レッツ・ビギン

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    重松清さんお「空より高く」(中公文庫)を、読みました。

    廃校予定の高校に通う3年生。

    先生の口から出る言葉は、「最後の・・」という枕詞

    閉ざされた未来にとまどう彼らが、少しずつ目ざめます。

    レッツ・ビギン

    若い人たちだけではなく、

    我々世代のお尻をも軽やかに後押ししてくれる1冊です。

                2015年10月25日

                いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.10.18

    カンガルーの本棚 揺れ動くこころ

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    湯本香樹実さんの「春のオルガン」(新潮文庫)を、読みました。

    小学校を卒業したばかりの12歳のトモミは、

    祖母の死や隣家とのトラブルに、こころを傷めます。

    わからないこと、理解できないこと、

    どうしようもないことの前で

    トモミは、立ちすくみます。

    湯本さんのあとがき、

    角田光代さんの解説がとてもいい。

    おとなへと旅立つ少女の勇気を教えてくれる1冊です。

               2015年10月18日

               いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.10.14

    カンガルーの本棚 しあわせのお手伝い

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    宮下奈都さんの「メロディ・フェア」を、読みました。

    化粧品会社のビューティーパートナーに就職した結乃は、売り上げは伸びず、

    どの商品を勧めればよいのか、迷うことばかりの新人さん

    そんな彼女に転機が訪れます。

    メイクで、人をハッピーに変える

    ほんの少しのお手伝いが、結乃をワクワクさせ、成長させていきます。

    映画「小さな恋のメロディー」に使われた、

    ビージーズの名曲「メロディ・フェア」を聞きながら、

    お化粧とは縁遠いわたしも、こころはすっかりメイクアップです。

               2015年10月14日

               いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.10.04

    カンガルーの本棚 この道のむこうに

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    三浦しをんさんの「仏果を得ず」を、読みました。

    文楽の道を究めようとする青年

    とりまく師匠、相方、恋人

    話は笑いのうちにすすみ、半分徹夜で読み切ります。

    大切なものの順位、

    青年は、文楽、彼女

    恋人は、子ども、仕事、彼

    この頃よく大切なものの順位を考えます。

    あなたなら、どのように大切なものの順位をつけますか

                2015年10月4日

                いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.09.27

    カンガルーの本棚 電車に乗って

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    有川浩さんの「阪急電車」を、読みました。

    阪急今津線を舞台にした、各駅小説

    宝塚から西宮北口までと、折り返してまた宝塚に

    人と人との出会いがとても楽しく、

    グーグルの地図を開きながら、街並みを想像します。

    人の矜持がさりげなく描かれ、

    お気に入りの一冊BOXに入れることにしました。

                 2015年9月27日

                 いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.09.24

    カンガルーの本棚 新しいことば

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    宮下奈都さんの「窓の向こうのガーシュウィン」を、読みました。

    体が弱く、誰とのかかわりも持てないままひっそりと暮らす19歳の少女。

    介護ヘルパー先の老人と、額装を仕事にする男性との出会いの中で、

    彼女の中の何かが変わり始めます。

    ありがとう、ごめんなさい

    おはよう、ただいま

    日常の言葉が、はじめて生まれたかのように、少女の胸の中で踊り始めます。

    不思議な、温かな成長の物語です。

               2015年9月24日

               いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2015.09.17

    カンガルーの本棚 母の強さ母の弱さ

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    椰月美智子さんの「かっこうの親、もずの子ども」を、読みました。

    不妊治療の末に授かった命

    子どもの病気やけんかなど、仕事と育児の中で起きる様々な葛藤

    迷い揺れ動く心と、愛する息子の日ごとの成長を見守る中で深まる愛情

    女性の目でしか捉えることができない細やかな子どもの描写に

    守ろうとする母の強さと、

    失いたくないという母の弱さが伝わります。

    読み終えて、すぐに周りの人にお勧めしたくなる1冊です。

              2015年9月17日

              いたやどクリニック 木村彰宏

     

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