カンガルーの小部屋

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  • 2014.04.27

    カンガルーの本棚 明日が見えないとき

    ひすいこたろう氏の「キミに力をくれる言葉」(SB文庫)を、読みました。

    カーネル・サンダース、出光佐三、マイケル・ジャクソン

    安藤百福、野村望東尼、高杉晋作・・

    「人は人のために生きると決断したとき人を超える。人を愛せよ」

    「もっとも興奮するのは、他人のために生きるとき」

    「青春とは人生のある時期をいうのではなく、心の持ち方である」

    文体も軽く、読みやすく ポケット版の偉人伝と言えば、

    お手軽すぎるのではと、思われるかもしれません。

    この本を手に取るまでは知らなかった、

    偉人と呼ばれるその人生を、少し知る事が出来ました。

    力も、たくさんいただきました。

    板宿駅前「井戸書店」の女性の店員さんお勧めの一冊です。

    2014年4月27日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.04.26

    カンガルーの本棚 父への挑戦状

    岡田尊司先生の「父という病気」(ポプラ新書)を、読みました。

    以前ご紹介した「母という病気」の続編です。

    子どもにとって、母は、生物学的な安心感を与える存在。

    父は、外の空気を子どもに持ち込む社会的な存在。

    かっての家父長的な存在が否定された今、

    父の存在は、希薄化してしまいました。

    子どもが思春期をむかえるころ、

    父の役割が高まると岡田先生は書かれているのですが・・

    ラスト数ページに込められたメッセージに 心打たれます。

    子育てに関わられている全ての男性に、お勧めの一冊です。

    2014年4月26日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.04.25

    カンガルーの本棚 わたし達の方法で

    ヘンリー・S・ストークス氏の 「連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社新書)を、読みました。

    読む事がないジャンルの本ですが、

    飲み会の席で 友だちに勧められ、読みはじめました。

    第二次世界大戦、東京裁判、従軍慰安婦問題、そして三島由紀夫。

    著者はイギリス人ですが、日本に在住するうちに歴史認識が180度変わったと言います。

    その変化の過程が今一つ伝わりません。

    流行りの、「歴史認識の見直しを」という結論だけが、先行して見えます。

    日本に住みながら、著者は日本の何を見てこられたのか、

    そして、日本の誰との交友関係を大切にされたのか

    隣国との関係が難しく感じられる今こそ、

    歴史の流れを後戻りさせるのではなく、

    わたし達の方法で、平和な未来を切り開いていきたいと思います。

    2014年4月25日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.04.22

    カンガルーの本棚 涙のツボ

    デイビット・セインさん編集の「泣ける英語」(アース・スター)を、読みました。

    中学英語で書かれた46のお話を集めた本です。

    もちろん、日本語の対訳つき。

    アメリカンドリーム、子どもの願い、などなど

    英語圏の「涙のツボ」にはまります。

    2014年4月22日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.04.09

    カンガルーの本棚 歴史の片隅に

    伊東潤さんの「城を嚙ませた男」(光文社文庫)を、読みました。

    戦国の世に生きた、4人の武将と、彼をとりまく人々。

    生き残るために、知恵を働かせ、

    願いかなわず、時代の波に飲み込まれていく人々の姿を描いています。

    物見 鯨 椿 石つぶて

    どの作品も、心を揺さぶります。

    板宿駅前「井戸書店」の森店長さんお勧めの、1冊です。

    2014年4月9日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.03.30

    カンガルーの本棚 サクラ咲く

    辻村深月さんの「サクラ咲く」(光文社文庫)を、読みました。

    中高生を対象に書かれた、3つの物語を集めたものです。

    「自分を主張できない性格」を好きになれない女の子が、

    不思議な文通を通じて、季節とともに大きく成長していきます。

    あとがきは、あさのあつこさん。

    このあとがきを読むだけで、得をした気持ちになります。

    いつの間にか、少しだけ少年少女期に戻ってしまう1冊です。

    2014年3月30日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.03.29

    カンガルーの本棚 あの頃のわたし

    重松清さんの「小学五年生」(文春文庫)を、読みました。

    20才を大人の区切りとすると、10才の小学五年生は、

    50%が大人で、50%が子ども

    家族だけの生活から、少しずつ世の中のことが見えてくる年齢です。

    重松さんは、その時期の少年を、17の短編で描きます。

    あの頃の私は、恥ずかしがり屋で友だちも少なく、

    自分が何をしたいのかもわからない、まじめさだけがとりえの子どもでした。

    重松さんの小説は、いつも「あの頃のわたし」を思い出させてくれます。

    2014年3月29日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.03.24

    カンガルーの本棚 母から連なる私探し

    岡田尊司先生の「母という病気」(ポプラ新書)を、読みました。

    子どもが問題行動を起こしたり、成人になって不適応行動を起こしたりする背景には、

    母との問題が潜んでいると精神科医師の岡田先生は述べられます。

    人が世の中で生きていくためには、基本的な安全感や信頼感が不可欠です。

    安全感や信頼感は、2~3才までの間に、母を中心とする身近な親しい人から 限りなく愛される事を通して築き上げていきます。

    その時期に、適切な安全感や信頼感を築き上げる事ができないとすれば、

    人は、一生をかけてそれを追い求めます。

    岡田先生の本を読むと、母という存在の大きさに圧倒されます。

    同時に岡田先生は次のようにも述べられます。

    長くなりますが、全文をご紹介します。

    「社会の近代化は、母親と子どもを孤立させ、子どもが母親から支配されやすい状況を生んだ。母親は忙しすぎて、子どもにかかわる暇も十分になかったり、不在がちな父親に代わって、子どもを厳しく指導しなければならない。だが、そんなスーパーマンのような母親を子どもは求めているのだろうか。子どもは、明るく優しく、困ったときに、そっと寄り添ってくれるお母さんでいてほしいだけではないのか。

    豊かで快適になったはずの社会は、子どもから、本来の母親を奪ってしまってきたように思える。それが、母という病の増加をもたらしている大きな原因ではないだろうか。経済が豊かになっても、幸福になるどころか、生きることすら意味が感じられず、空虚感に苛まされる人が増えている一因が、そこにあるように思えてならない。

    母と子どもに関わられている全ての人に、お読みいただきたい1冊です。

    2014年3月24日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.03.17

    カンガルーの本棚 日本の妖怪

    今野晴貴さんの「ブラック企業・日本を食いつぶす妖怪」{文春新書}を、読みました。

    ブラック企業は、若者の夢を食いつぶし、

    食いつぶす夢がなくなれば、非情にも若者を切り捨ててしまう現代の妖怪です。

    捨てられた若者は、精神を病み、社会参加の道も断たれてしまいます。

    若年者の離職率の多さを耳にした事があります。

    いわく、「労働意欲に欠ける」「昔の自分はもっと我慢をした」「権利ばかり主張する」・・

    今野さんは、そう言った現代若者の精神風土では片づけられない企業のひずみを

    ていねいに告発されます。

    本書は、「大佛次郎論壇賞」を受賞した1冊です。

    若者に関わる大勢の方にお勧めです。

    2014年3月17日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.03.13

    カンガルーの本棚 おもしろい1編

    三浦しをんさんの、「きみはポラリス」を、読みました。

    さまざまな形の11の恋愛を綴った短編集です。

    なかでも「春太の毎日」を、おもしろく読みました。

    フムフム、なるほど、そういうことか。

    この短編だけでも、読む価値ありの1冊です。

    2014年3月13日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.03.05

    カンガルーの本棚 過ちを繰り返さないために

    小出裕章先生の、「原発ゼロ」(幻冬舎ルネッサンス新書)を、読みました。

    小出先生の本を読むのは、これで4冊目ですが、最新作「原発ゼロ」は、

    福島原発で、今起きていること、廃炉への道 などを、

    分かり易く ていねいに説明されています。

    「私たちの時代にやったことは、私たちでケリをつける。未来の子どもたちには決して残さない。」

    福島原発の過酷な事故から3年が経とうとしている今、小出先生の決意が伝わります。

    2014年3月5日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.03.01

    カンガルーの本棚 科学者の生き方

    カンガルーの本棚 科学者の生き方

     

    日野行介さんの「福島原発事故:県民健康管理調査の闇」(岩波新書)を、読みました。

    3月に実施する健診に備えて、兵庫民医連から送られてきた一冊です。

    日野さんは、毎日新聞の現役の記者。

    原発事故後に組織された「県民健康管理調査」検討委員会のあり方に疑問を抱き、

    取材を通じて明らかになったことを1冊にまとめられたものです。

    以下、日野さんの書かれたエピローグからの抜粋を転載します。

    「隠ぺいや情報操作が明らかになった時、『不安をあおらないため』『パニックを防ぐためだった』と、釈明する。

    その理由は、被曝による被害を過小評価したい、ということに尽きるのではないか。

    これから何十年にわたって福島第一原発事故の健康被害は問われ続けることになる。

    その中で、歴史的な資料として一連の報道が役に立ってくれればと思っている。」

    この言葉にジャーナリストの良心を感じます。

    健康管理調査検討委員会には、専門家として多くの医師が名を連ねています。

    大事故を前に、科学者としての生き方が、問われています。

    2014年3月1日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.02.28

    カンガルーの本棚 あたたかい

    高田郁さんの「みをつくし料理帖 美雪晴れ」(ハルキ文庫)を、読みました。

    シリーズ9作目の最新作です。

    前作から半年以上あけた発刊ですが、数ページ読むうちに、澪の世界に引き戻されます。

    主人公の料理人「澪」は、進むべき2つの道に迷います。

    利を薄くして、少しでも多くのひとに買ってもらう商い。

    利を厚くして、それが買えるひとにだけ買ってもらう商い。

    食は命を繋ぐ最も大切なもの、食べるひとを健やかにする料理こそ作り続けたい。

    料理人の生き方を借りて、人の生きる道を問い続ける作品です。

    次号が終章とのこと

    待ち遠しいような、寂しいような気がします。

    2014年2月28日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.02.26

    カンガルーの本棚 家庭科っておもしろい

    南野忠晴さんの「正しいパンツのたたみ方」(岩波ジュニア新書)を、読みました。

    本を選ぶ時、あなたは何を参考にしますか。

    シリーズものの最新作。

    同じ著者の固め読み。

    それでは、新しい本に出会う事はかないません。

    友だちからの、情報は貴重です。

    新聞や雑誌の書評も参考になります。

    でも、一番の醍醐味は、書店で手にとってフリーに選ぶ時。

    書名、表紙の絵、裏書き、目次を総動員して、しばらく時間を共にする本を選びます。

    「正しいパンツのたたみ方」は、書名のおもしろさに引かれた一冊です。

    自立度のチェック

    家族の定義

    理想の結婚相手

    社会の中で生きる

    高校生に向けた本だけに、どの項目も優しい文体ですが、奥が深く考えさせられます。

    まだ始まったばかりの2014年ですが、一押しのお勧め本です。

    2014年2月26日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.02.24

    カンガルーの本棚 受験は必要か?

    林修先生の「受験必要論」(集英社)を、読みました。

    林修先生と言えば、「今でしょ!」のフレーズで一世を風靡した

    東進ハイスクールの現代文講師です。

    この本は、インタビューに答える形で話されたものを、まとめた一冊。

    ソチオリンピックでの日本人選手の活躍に、一喜一憂するこの頃、

    林修先生は、スポーツの世界だけではなく、学問の世界での努力も評価するべきだと説きます。

    10台後半に、スポーツであれ、芸術であれ、学問であれ、

    自分の限界まで精いっぱい努力する事が、その後の人生の礎になると言われます。

    そして、

    「競争が、勝ち負けがあることを認めたうえで、勝者が敗者に対して手を差し伸べることが大切なんだ、と教えるべきだと思います。

    負けたからすべてを否定されるというのも、買ったから何をやってもいいというのも間違いだということも教えるべきだと思います。」と、述べられます。

    「鉄は熱いうちに打て」という言葉があります。

    若い時の努力には、おおいに同意です。

    しかし、勝者敗者論には違和感を覚えます。

    「勝者には全ての自由を、そして敗者には生きる権利の剥奪を」という

    新自由主義の嵐の中で、

    教育による倫理観の育成には限界を感じるのは、私だけでしょうか。

    2014年2月24日

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  • 2014.02.23

    カンガルーの本棚 星先生

    星新一氏の「ちぐはぐな部品」(角川文庫)を、読みました。

    先日、テレビ放映された連作ドラマを見て、

    子どもと買い求めました。

    星新一氏と言えば、ショート・ショートを世に広めた作家です。

    わたしが、中学生の頃に、何冊も何冊も読みふけった記憶があります。

    50年近くが経ち、再読してもその斬新なアイデアには、驚かされます。

    「人が考えないような事を、考えてみよう。人を あっと言わせてみよう」という

    わたしの「遊び心」精神は、この本に影響を受けたに違いありません。

    2014年2月23日

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  • 2014.02.20

    カンガルーの本棚 走

    三浦しをんさんの「風が強く吹いている」(新潮文庫)を、読みました。

    10人の若者が、箱根駅伝を目指す青春小説です。

    1月に行った 医学部を目指す受験生への模擬面接の席上、

    「最もお勧めの1冊は」と言う質問への 高校生の答えが、

    「風が強く吹いている」でした。

    速さではなく、強さを。

    走る事には程遠いわたしも、ワクワクどきどきの1冊でした。

    2014年2月20日

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  • 2014.02.06

    カンガルーの本棚 みんなの可能性

    斎藤喜博先生の「君の可能性:なぜ学校に行くのか」(ちくま文庫)を、読みました。

    1970年に出版され、版を重ねてきた名著です。

    かんがるうっ子の、学校の読書感想文の宿題に選ばれた本です。

    読み終えて机の上に置いてあった本を拝借。

    読みだすと、40年の歴史を超えて私の心を揺さぶります。

    学校の集団の中で高め合うこと

    クラスメイトは競争者としてだけではなく、高め合う仲間であること。

    私が抱いていた学校観を大きく変えてくれます。

    「努力する事で、一人ひとりの可能性が花開く」

    斎藤先生の信念が伝わってきます。

    佐藤学さんが書かれた文庫本の解説も、読み応えがあります。

    一人ひとりの努力が認められ、

    普通の暮らしが成り立つ世の中でありたいと思います。

    2014年2月6日

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  • 2014.01.30

    カンガルーの本棚 24のリーダー

    佐々木常夫氏の「こんなリーダーになりたい」(文春新書}を、読みました。

    現代から、歴史上の人物まで、24人の生き方を通して

    「リーダーとはなにか」を論じます。

    佐々木氏のリーダー論は、

    「その人といると、勇気と希望をもらえる人」

    政治や経済の世界の話ではなく、身近な生活の場にいる

    「勇気と希望を与えてくれる人」

    それがリーダーの本質ならば、わたしも立候補してみようかなと思います。

    2014年1月30日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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  • 2014.01.23

    カンガルーの本棚 軍医たちの涙

    帚木 蓬生さんの「蠅の帝国:軍医たちの黙示録」(新潮文庫)を読みました。

    第二次世界大戦で、軍務についた15人の医師たちの物語です。

    東京、広島、樺太、満州と、戦地は変わっても、

    医薬品もなく、食べる物もなく、消えゆく命を前に、

    なすすべもなく苦悩する医師たち。

    命を救う事を第一に生きてきた医師たちを追い込んでいく、

    戦争を推し進めた者たちに、怒りがこみ上げてきます。

    2014年1月23日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

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