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2014.02.24
カンガルーの本棚 受験は必要か?
林修先生の「受験必要論」(集英社)を、読みました。
林修先生と言えば、「今でしょ!」のフレーズで一世を風靡した
東進ハイスクールの現代文講師です。
この本は、インタビューに答える形で話されたものを、まとめた一冊。
ソチオリンピックでの日本人選手の活躍に、一喜一憂するこの頃、
林修先生は、スポーツの世界だけではなく、学問の世界での努力も評価するべきだと説きます。
10台後半に、スポーツであれ、芸術であれ、学問であれ、
自分の限界まで精いっぱい努力する事が、その後の人生の礎になると言われます。
そして、
「競争が、勝ち負けがあることを認めたうえで、勝者が敗者に対して手を差し伸べることが大切なんだ、と教えるべきだと思います。
負けたからすべてを否定されるというのも、買ったから何をやってもいいというのも間違いだということも教えるべきだと思います。」と、述べられます。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉があります。
若い時の努力には、おおいに同意です。
しかし、勝者敗者論には違和感を覚えます。
「勝者には全ての自由を、そして敗者には生きる権利の剥奪を」という
新自由主義の嵐の中で、
教育による倫理観の育成には限界を感じるのは、私だけでしょうか。
2014年2月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2014.02.23
カンガルーの本棚 星先生
星新一氏の「ちぐはぐな部品」(角川文庫)を、読みました。
先日、テレビ放映された連作ドラマを見て、
子どもと買い求めました。
星新一氏と言えば、ショート・ショートを世に広めた作家です。
わたしが、中学生の頃に、何冊も何冊も読みふけった記憶があります。
50年近くが経ち、再読してもその斬新なアイデアには、驚かされます。
「人が考えないような事を、考えてみよう。人を あっと言わせてみよう」という
わたしの「遊び心」精神は、この本に影響を受けたに違いありません。
2014年2月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2014.02.20
カンガルーの本棚 走
三浦しをんさんの「風が強く吹いている」(新潮文庫)を、読みました。
10人の若者が、箱根駅伝を目指す青春小説です。
1月に行った 医学部を目指す受験生への模擬面接の席上、
「最もお勧めの1冊は」と言う質問への 高校生の答えが、
「風が強く吹いている」でした。
速さではなく、強さを。
走る事には程遠いわたしも、ワクワクどきどきの1冊でした。
2014年2月20日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2014.02.06
カンガルーの本棚 みんなの可能性
斎藤喜博先生の「君の可能性:なぜ学校に行くのか」(ちくま文庫)を、読みました。
1970年に出版され、版を重ねてきた名著です。
かんがるうっ子の、学校の読書感想文の宿題に選ばれた本です。
読み終えて机の上に置いてあった本を拝借。
読みだすと、40年の歴史を超えて私の心を揺さぶります。
学校の集団の中で高め合うこと
クラスメイトは競争者としてだけではなく、高め合う仲間であること。
私が抱いていた学校観を大きく変えてくれます。
「努力する事で、一人ひとりの可能性が花開く」
斎藤先生の信念が伝わってきます。
佐藤学さんが書かれた文庫本の解説も、読み応えがあります。
一人ひとりの努力が認められ、
普通の暮らしが成り立つ世の中でありたいと思います。
2014年2月6日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2014.01.30
カンガルーの本棚 24のリーダー
佐々木常夫氏の「こんなリーダーになりたい」(文春新書}を、読みました。
現代から、歴史上の人物まで、24人の生き方を通して
「リーダーとはなにか」を論じます。
佐々木氏のリーダー論は、
「その人といると、勇気と希望をもらえる人」
政治や経済の世界の話ではなく、身近な生活の場にいる
「勇気と希望を与えてくれる人」
それがリーダーの本質ならば、わたしも立候補してみようかなと思います。
2014年1月30日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2014.01.23
カンガルーの本棚 軍医たちの涙
帚木 蓬生さんの「蠅の帝国:軍医たちの黙示録」(新潮文庫)を読みました。
第二次世界大戦で、軍務についた15人の医師たちの物語です。
東京、広島、樺太、満州と、戦地は変わっても、
医薬品もなく、食べる物もなく、消えゆく命を前に、
なすすべもなく苦悩する医師たち。
命を救う事を第一に生きてきた医師たちを追い込んでいく、
戦争を推し進めた者たちに、怒りがこみ上げてきます。
2014年1月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2014.01.14
カンガルーの本棚 社会の真実
堤未果さんの「社会の真実の見つけかた」{岩波ジュニア新書}を、読みました。
①戦争の作りかた
②教育がビジネスになる
③メディアが見せるイメージはウソ?ホント?
④社会は変えられる
今、アメリカで起きている事実を、4つの章に分けて伝えます。
戦争、教育、メディア、そのどれもが明日の日本の姿に重なります。
最後は、希望を失わずに、社会は変える事ができると言う著者の熱いメッセージで
締めくくられます。
「怖いものなど何もない。私たちは誰もが真実を見つける力を持っているのだから」
2014年1月14日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.10.24
カンガルーの本棚 未来へ
本多孝好さんの「MEMORY」(集英社文庫)を、読みました。
「MOMENT」「WILL」に次ぐ、シリーズ3冊目です。
ふたりのおさななじみと、彼らをとりまく人々の物語。
どの短編も、こころをホットさせる、温かさが流れています。
登場する一人ひとりを、みんな応援したくなるお話です。
2013年10月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.10.12
カンガルーの本棚 光と音とにおいの
朝井リョウさんの「桐島、部活やめるってよ」を、読みました。
カンガルーには、すっかり縁が遠くなった 高校生活を描いた作品です。
バレー部、ブラバン部、映画部、ソフトボール部、そして野球部に属している
5人の高校生の学校生活が、さわやかなテンポの文体で、浮かび上がります。
教室にさす光、校庭に響く声、部室の湿ったにおい、
そして、クラスにドッカと存在する、「上」と、「下」の関係。
「もう一度、高校生に戻る気持ちはあるのかな」と聞かれたら、
自分を追い詰め続ける受験勉強と、人間関係の息苦しさが思い出され、
「いえ、今のままで結構です」と答える自分がいます。
2009年小説すばる新人賞に輝いた作品です。
2013年10月12日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.10.10
カンガルーの本棚 みんなのうた
重松清さんの「みんなのうた」(角川文庫)を、読みました。
大学受験に4度失敗し、失意のうちに帰郷するレイコさん。
故郷の家族は、カラオケボックスを経営し、村の憩いの場となっています。
故郷を離れること、何ために学ぶのか、
レイコさんは迷い、そして・・・
重いテーマが、軽やかなタッチで描かれています。
2013年10月10日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.10.01
カンガルーの本棚 そして父になれるかな
是枝裕和監督・佐野晶さん共著の、「そして父になる」(宝島社)を、読みました。
福山雅治さん主演の、同名映画の小説化です。
本当は映画を先に見たいのですが、時間が取れなくて小説が先行します。
2組の夫婦と、2人の男の子の物語。
「血」と、「育ち」との中で、揺れ動く人々。
はやく時間を見つけて、映画を見たいと思います。
2013年10月1日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.09.30
カンガルーの本棚 ハリーにおまかせ
J.K.ローリング作「ハリー・ポッター」(静山社)シリーズを読みました。
「賢者の石」「秘密の部屋」「アズカバンの囚人」「炎のブレット」「不死鳥の騎士団」「謎のプリンス」「死の秘宝」全7巻、
文庫本にすると、19冊です。
夏休みから 先にかんがるうっ子が読みはじめ、追いかけるようにして4週間目で読了。
12月に兵庫食物アレルギー研究会から出版予定の「食物アレルギー外来診療のポイント改定版」の校正が大詰めを迎えています。
論文を2つ読むと、ハリーを1章読むと言った抱き合わせで、仕事とハリーとの折り合いをつけながらの1か月。
ことしの9月は、「ハリーにおまかせ」です。
2013年9月30日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.09.02
カンガルーの本棚 病院にて
本田孝好さんの「MOMENT」(集英社文庫)を、読みました。
病院で働くバイト学生が、ふとしたことから、
余命数日の患者さんの最期の願いをかなえる仕事人になってしまうお話です。
ひとは、死を迎える時に、何を願うのか。
重くて、心にずっしりと響いてくるテーマの物語です。
2013年8月19日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.08.22
カンガルーの本棚 日本語は難しい
蛇蔵&海野凪子さんの、「日本人の知らない日本語4(海外編)」(メディアファクトリー)を、読みました。
シリーズ4作目は、海のむこうで日本語を学んでいる人たちの、あれやこれやのお話。
殆どが、イラストというよりマンガで解説されています。
なるほど、なるほど、そうか、そうなのかと、一気読み。
真夏のひと時を、楽しく過ごしました。
2013年8月22日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.08.20
カンガルーの本棚 父と娘の
藤野恵美さんの、「ハルさん」を、読みました。
男手一つで娘を育てていく5つの物語。
幼稚園、小学校、中学校、高校、
娘のふうちゃんのまわりに、ちいさな事件が起こります。
そして、今日はふうちゃんの結婚式。
あたたかな感動が流れます。
2013年8月20日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.08.15
カンガルーの本棚 口に出して読んでみて
塚田薫さんの「日本国憲法を口語訳してみたら」(幻冬舎)を、読みました。
憲法を、若者言葉に翻訳した話題作です。
難しい言葉が、「なるほど、そういう意味だったのか」と、どんどん頭に入ります。
憲法がさらにもっとよくわかるコラムも、秀逸です。
「立憲主義」とは、「国の権力が好き勝手にできないように、憲法をつくることによって、
国の権力を縛って、みんなの人権を守るよ」(p94)
憲法は、国民のためにあるんだと言う事が分かります。
世界の憲法の歴史や、日本国憲法が制定されたいきさつ。
戦争放棄や生活保護について、
若者らしい言葉で、とても共感できます。
今日は、8月15日の終戦記念日。
亡くなられた方は、いま何を思って、この国を見ておられるでしょうか。
2013年8月15日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.08.04
カンガルーの本棚 いくつかの組み合わせ
宮下奈都さんの、「遠くの声に耳を澄ませて」(新潮文庫)を、読みました。
12の物語が綴られる、短編集。
「アンデスの声」、「どこにでも猫がいる」、「白い足袋」など、
少しおかしなタイトルが、並びます。
その一つが独立していて、それで、どこかがつながっている。
読み終えて、不思議な気持ちになります。
宮下さんの3冊目の本も、もう一度読みたくなる1冊です。
2013年8月4日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.07.23
カンガルーの本棚 真夏のサンタクロース
百田尚樹さんの、「輝く夜」(講談社文庫)を、読みました。
百田さんと言えば、「永遠の0」が、代表作ですが、
「輝く夜」は、魔法の万年筆、猫、ケーキ、タクシー、サンタクロースと題された、5つの短編集です。
どの章にも、まじめに努力しても、幸せがつかめない女性の元に、サンタクロースが登場します。
主人公の流す涙に、救いを感じます。
季節外れのサンタクロースのお話ですが、お進めの1冊です。
2013年7月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.07.21
カンガルーの本棚 幸せな時間
宮下奈都さんの、「スコーレNo.4」(光文社文庫)を、読みました。
先日呼んだ「太陽のパスタ、豆のスープ」(集英社文庫)に続く、2冊目の宮下作品です。
「スコーレNo.4」は、4つの学校と言う意味。
中学校、高校、大学、就職から、結婚を決意するまでの4つのスコーレの中で、
コンプレックスをいだきながらも、自立していく女性を描きます。
宮下さんの、ていねいな言葉一つひとつが、主人公の悩みや喜びを伝えてきます。
わたしの好きな一冊になりそうです。
2013年7月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.07.12
カンガルーの本棚 食べること生きること
宮下奈都さんの「太陽のパスタ、豆のスープ」(集英社文庫)を、読みました。
文庫本になって、かわいらしい表紙絵に変身し、手に取りました。
おまけにもらえるブックカバーが、AKB48だったことも、購入の決め手です。
突然婚約を破棄された女性が、ゆっくりと立ち直っていく物語。
決めては、家族やともだちの支えと、毎日のごはん。
あたりまえの毎日のくりかえしが、主人公のこころを、ほぐしていきます。
2013年7月12日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏