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2013.09.02
カンガルーの本棚 病院にて
本田孝好さんの「MOMENT」(集英社文庫)を、読みました。
病院で働くバイト学生が、ふとしたことから、
余命数日の患者さんの最期の願いをかなえる仕事人になってしまうお話です。
ひとは、死を迎える時に、何を願うのか。
重くて、心にずっしりと響いてくるテーマの物語です。
2013年8月19日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.08.22
カンガルーの本棚 日本語は難しい
蛇蔵&海野凪子さんの、「日本人の知らない日本語4(海外編)」(メディアファクトリー)を、読みました。
シリーズ4作目は、海のむこうで日本語を学んでいる人たちの、あれやこれやのお話。
殆どが、イラストというよりマンガで解説されています。
なるほど、なるほど、そうか、そうなのかと、一気読み。
真夏のひと時を、楽しく過ごしました。
2013年8月22日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.08.20
カンガルーの本棚 父と娘の
藤野恵美さんの、「ハルさん」を、読みました。
男手一つで娘を育てていく5つの物語。
幼稚園、小学校、中学校、高校、
娘のふうちゃんのまわりに、ちいさな事件が起こります。
そして、今日はふうちゃんの結婚式。
あたたかな感動が流れます。
2013年8月20日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.08.15
カンガルーの本棚 口に出して読んでみて
塚田薫さんの「日本国憲法を口語訳してみたら」(幻冬舎)を、読みました。
憲法を、若者言葉に翻訳した話題作です。
難しい言葉が、「なるほど、そういう意味だったのか」と、どんどん頭に入ります。
憲法がさらにもっとよくわかるコラムも、秀逸です。
「立憲主義」とは、「国の権力が好き勝手にできないように、憲法をつくることによって、
国の権力を縛って、みんなの人権を守るよ」(p94)
憲法は、国民のためにあるんだと言う事が分かります。
世界の憲法の歴史や、日本国憲法が制定されたいきさつ。
戦争放棄や生活保護について、
若者らしい言葉で、とても共感できます。
今日は、8月15日の終戦記念日。
亡くなられた方は、いま何を思って、この国を見ておられるでしょうか。
2013年8月15日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.08.04
カンガルーの本棚 いくつかの組み合わせ
宮下奈都さんの、「遠くの声に耳を澄ませて」(新潮文庫)を、読みました。
12の物語が綴られる、短編集。
「アンデスの声」、「どこにでも猫がいる」、「白い足袋」など、
少しおかしなタイトルが、並びます。
その一つが独立していて、それで、どこかがつながっている。
読み終えて、不思議な気持ちになります。
宮下さんの3冊目の本も、もう一度読みたくなる1冊です。
2013年8月4日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.07.23
カンガルーの本棚 真夏のサンタクロース
百田尚樹さんの、「輝く夜」(講談社文庫)を、読みました。
百田さんと言えば、「永遠の0」が、代表作ですが、
「輝く夜」は、魔法の万年筆、猫、ケーキ、タクシー、サンタクロースと題された、5つの短編集です。
どの章にも、まじめに努力しても、幸せがつかめない女性の元に、サンタクロースが登場します。
主人公の流す涙に、救いを感じます。
季節外れのサンタクロースのお話ですが、お進めの1冊です。
2013年7月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.07.21
カンガルーの本棚 幸せな時間
宮下奈都さんの、「スコーレNo.4」(光文社文庫)を、読みました。
先日呼んだ「太陽のパスタ、豆のスープ」(集英社文庫)に続く、2冊目の宮下作品です。
「スコーレNo.4」は、4つの学校と言う意味。
中学校、高校、大学、就職から、結婚を決意するまでの4つのスコーレの中で、
コンプレックスをいだきながらも、自立していく女性を描きます。
宮下さんの、ていねいな言葉一つひとつが、主人公の悩みや喜びを伝えてきます。
わたしの好きな一冊になりそうです。
2013年7月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.07.12
カンガルーの本棚 食べること生きること
宮下奈都さんの「太陽のパスタ、豆のスープ」(集英社文庫)を、読みました。
文庫本になって、かわいらしい表紙絵に変身し、手に取りました。
おまけにもらえるブックカバーが、AKB48だったことも、購入の決め手です。
突然婚約を破棄された女性が、ゆっくりと立ち直っていく物語。
決めては、家族やともだちの支えと、毎日のごはん。
あたりまえの毎日のくりかえしが、主人公のこころを、ほぐしていきます。
2013年7月12日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.04.21
カンガルーの本棚 子どもと一緒に
有川浩さんの「植物図鑑」(幻冬舎文庫)を、読みました。
捨てられた子犬が拾われるように、部屋についてきた青年。
ふたりの生活が、はじまります。
アパートの近くに生えている雑草をつみ、ふたりして食べる。
それだけの小説ですが、こころが、のんびりとします。
出会いと、わかれ、そして・・・
子どもが「おとうさん、この本よんだことある」っと言って、
手渡してくれたライトノベル。
わたしも、けっこう、はまりそうです。
2013年4月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.01.12
カンガルーの本箱 おとうさんロボット
おおたとしまさ先生の、「パパのトリセツ」(ディスカバー21)を、読みました。
「トリセツ」とは、取り扱い説明書の略です。
おとうさんをロボットに見立てて、
どうすれば、家事や育児をこなすスウィッチをONできるのか、
おかあさんに必要なアプリを、インストールできるのか、
ていねいに説明されています。
おかあさんの応援の書でもあり、
おとうさんの代弁の本でもあります。
子育て真っ最中のかた、必読の一冊です。
2013年1月12日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.01.05
カンガルーの本棚 夫と犬と
高濱正伸先生の、「夫は犬だと思えばいい」(集英社)を、読みました。
花まる学習会代表の高濱先生の主張は、子どもを伸ばすためには夫婦円満であること。
そのためには、異性は違う生き物だと割り切ること。
妻から見れば、夫はかわいい犬と思うこと。
言葉には少し抵抗がありますが、言い得て妙。
わたしも、我が家の3匹目のワンちゃんになることにしましょうか。
2013年1月5日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.12.28
カンガルーの本棚 かけがえのない
上田紀行さんの「かけがえのない人間」(講談社現代新書)を。読みました。
板宿駅前にある「井戸書店」さん、お勧めの一冊です。
少しの間、本棚に積ん読で、読みだすと一気に最後のページまで。
○交換可能でない「私」
○ダライ・ラマの愛と思いやり
○私たちは使い捨てじゃない
○評価が、生きることの最終目標か
○ネガティブなことに大きな価値がある
○愛されるより愛する人になる
受身の愛ではなく、積極的な能動的な愛を。
「愛や思いやりの心を持てばこそ、怒るべきだ」と、主張されます。
時期を置いて、再読してみたい一冊です。
2012年12月28日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.10.25
カンガルーの本棚 もう一度中学生
岡部恒治先生の、「もう一度中学数学」(日本実業出版社)を、読みました。
方程式、因数分解、合同、相似、球の面積・体積・・・
解説を読み、例題を解き進めていくうちに、
50年前の記憶がよみがえります。
問題をひとつ解くごとに、おとなへの階段をまた一つ上る事が出来たような、
そんな気持ちで勉強していたのだなあと、思い出します。
そのころの計算力や、理解力には、今はとうていかないませんが、
それでも、例題を解くごとに、なつかしくなります。
かんがるうっ子にも、この楽しさをつたえることができるといいのですが。
2012年10月25日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.10.18
カンガルーの本棚 いま一度
辻村深月さんの「ツナグ」(新潮文庫)を、読みました。
辻村作品は初めてなのですが、同名映画の上映にひかれて、手にとりました。
生きている人と、死んだ人を、ひとりだけ、一度だけ再会させるという3つのお話。
「死者の目線に晒されることは、誰にだって本当は必要とされているのかもしれない。
どこにいても何をしていてもお天道様が観ていると感じ、それが時として人の行動を決めるのと同じ。見たことのない神様を信じるよりも切実に、具体的に誰かの姿を常に身近に置く。
あの人ならどうしただろうと、彼らから叱られることさえ望みながら、日々を続ける。」
414pに書かれている一文が、心に深く残りました。
講演会の準備に明け暮れる日々に、勇気を与えてくれる一冊です。
2012年10月18日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.09.01
カンガルーの本棚 9月になるまでに
岡田尊司先生の「発達障害と呼ばないで」(幻冬舎新書)を、読みました。
自閉症スペクトラム障害、AD/HDなどの発達障害の原因を、愛着障害の観点から述べられます。
子どもが、養育される環境次第で、良い方にも、悪い方にも変容していくことを、いろいろな角度から論じられます。
発達障害の原因を、養育の因子よりも、遺伝的な背景で説明しようと言う時代の流れからすれば、異色の一冊と言えます。
9月になるまでにと、暑い8月の最後に読んだ1冊は、私に大きな宿題を残しました。
2012年9月1日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.08.25
カンガルーの本棚 モルってなあに
高松正勝さん原作、鈴木みそさん漫画の「マンガ化学式に強くなる」(講談社ブルーバックス)を、読みました。というより、ながめました。
原子量。分子量、周期表、イオン結合、化学反応式、そしてモル。
もう、何十年も使わなくなった科学の言葉が飛びかいます。
鈴木さんの、おかしい漫画だけを頼りに、読み進みます。
読み終わった後の感想は、ああ、おもしろかった。
でも、むずかしかった。
これでは、普通の漫画を読むのと変わりありません。
化学の達人になるには、この入門書を、100回は読む必要があるかもしれませんね。
2012年8月25日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.08.21
カンガルーの本棚 中学生に戻って
関正生先生の「世界一わかりやすい中学英語の授業」(中経出版)を、読みました。
関先生は、現役の予備校の講師をされています。
英語の基礎の基礎を、とても分かり易く解説されています。
これまで手に取った英語の本の中で、一番おもしろく、分かり易く、
いちいち納得させられる中身がいっぱいです。
英語嫌いのわたしが、2日間で読破。
中学の時にこの本に出会っていたら、英語好きになって、
その後の人生が変わっていたかもしれないなあと思わせる、
おもしろくて、わかりやすい、お勧めの一冊です。
2012年8月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.08.18
カンガルーの本棚 聞くことの
阿川佐和子さんの「聞く力」(文春新書)を、読みました。
テレビや雑誌で大活躍されている阿川さんの、対談にまつわる数々のエピソード。
クスリと笑ってしまうところや、「そうなんだ」と納得してしまうところなど、
最後まで、一気におもしろく読みました。
あとがきにかえての中に、阿川さんの人柄を見たような気がします。
「そんな話をする当の本人にとっても、自ら語ることにより、それだけで語る意味が生まれてきます。そのために、聞き手がもし必要とされる媒介だとするならば、私はそんな聞き手を目指したいと思います」
2012年8月18日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.08.17
カンガルーの本棚 課題図書②
パトリック・ネスの「怪物はささやく」(あすなろ書房)を、読みました。
今年の中学生の課題図書の一冊です。
毎晩決まった時間にコナー少年の元を訪れる、いちいの木の怪物。
怪物の正体はなに?
モノトーンの挿絵も、おどろおどろしく、少年の恐怖が胸に迫ります。
ハードな内容のこの一冊。
苦境にたたされた少年、そして救いは・・
とても思いテーマの小説です。
このハードな小説は、中学生の心に、どう届くのでしょう。
2012年8月17日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.08.17
カンガルーの本棚 眠る前の少しの時間に
海原純子さんの「子どもが眠ったあと1分間だけ読む本」(PHP文庫)を、読みました。
毎日の子育ての中で、心や体が疲れ果ててしまった時、
自分に自信がなくなった時
子育てに悩んだ時
子どもの幸せを願う時
などなど、1分で読めるエッセイが、59話載せられています。
1日1話読んでいくと、2か月も楽しめる本です。
子どもが眠った後、あなたの心を少し楽にしてくれる、素敵な本です。
2012年8月17日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏