-
2013.01.12
カンガルーの本箱 おとうさんロボット
おおたとしまさ先生の、「パパのトリセツ」(ディスカバー21)を、読みました。
「トリセツ」とは、取り扱い説明書の略です。
おとうさんをロボットに見立てて、
どうすれば、家事や育児をこなすスウィッチをONできるのか、
おかあさんに必要なアプリを、インストールできるのか、
ていねいに説明されています。
おかあさんの応援の書でもあり、
おとうさんの代弁の本でもあります。
子育て真っ最中のかた、必読の一冊です。
2013年1月12日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2013.01.05
カンガルーの本棚 夫と犬と
高濱正伸先生の、「夫は犬だと思えばいい」(集英社)を、読みました。
花まる学習会代表の高濱先生の主張は、子どもを伸ばすためには夫婦円満であること。
そのためには、異性は違う生き物だと割り切ること。
妻から見れば、夫はかわいい犬と思うこと。
言葉には少し抵抗がありますが、言い得て妙。
わたしも、我が家の3匹目のワンちゃんになることにしましょうか。
2013年1月5日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.12.28
カンガルーの本棚 かけがえのない
上田紀行さんの「かけがえのない人間」(講談社現代新書)を。読みました。
板宿駅前にある「井戸書店」さん、お勧めの一冊です。
少しの間、本棚に積ん読で、読みだすと一気に最後のページまで。
○交換可能でない「私」
○ダライ・ラマの愛と思いやり
○私たちは使い捨てじゃない
○評価が、生きることの最終目標か
○ネガティブなことに大きな価値がある
○愛されるより愛する人になる
受身の愛ではなく、積極的な能動的な愛を。
「愛や思いやりの心を持てばこそ、怒るべきだ」と、主張されます。
時期を置いて、再読してみたい一冊です。
2012年12月28日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.10.25
カンガルーの本棚 もう一度中学生
岡部恒治先生の、「もう一度中学数学」(日本実業出版社)を、読みました。
方程式、因数分解、合同、相似、球の面積・体積・・・
解説を読み、例題を解き進めていくうちに、
50年前の記憶がよみがえります。
問題をひとつ解くごとに、おとなへの階段をまた一つ上る事が出来たような、
そんな気持ちで勉強していたのだなあと、思い出します。
そのころの計算力や、理解力には、今はとうていかないませんが、
それでも、例題を解くごとに、なつかしくなります。
かんがるうっ子にも、この楽しさをつたえることができるといいのですが。
2012年10月25日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.10.18
カンガルーの本棚 いま一度
辻村深月さんの「ツナグ」(新潮文庫)を、読みました。
辻村作品は初めてなのですが、同名映画の上映にひかれて、手にとりました。
生きている人と、死んだ人を、ひとりだけ、一度だけ再会させるという3つのお話。
「死者の目線に晒されることは、誰にだって本当は必要とされているのかもしれない。
どこにいても何をしていてもお天道様が観ていると感じ、それが時として人の行動を決めるのと同じ。見たことのない神様を信じるよりも切実に、具体的に誰かの姿を常に身近に置く。
あの人ならどうしただろうと、彼らから叱られることさえ望みながら、日々を続ける。」
414pに書かれている一文が、心に深く残りました。
講演会の準備に明け暮れる日々に、勇気を与えてくれる一冊です。
2012年10月18日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.09.01
カンガルーの本棚 9月になるまでに
岡田尊司先生の「発達障害と呼ばないで」(幻冬舎新書)を、読みました。
自閉症スペクトラム障害、AD/HDなどの発達障害の原因を、愛着障害の観点から述べられます。
子どもが、養育される環境次第で、良い方にも、悪い方にも変容していくことを、いろいろな角度から論じられます。
発達障害の原因を、養育の因子よりも、遺伝的な背景で説明しようと言う時代の流れからすれば、異色の一冊と言えます。
9月になるまでにと、暑い8月の最後に読んだ1冊は、私に大きな宿題を残しました。
2012年9月1日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.08.25
カンガルーの本棚 モルってなあに
高松正勝さん原作、鈴木みそさん漫画の「マンガ化学式に強くなる」(講談社ブルーバックス)を、読みました。というより、ながめました。
原子量。分子量、周期表、イオン結合、化学反応式、そしてモル。
もう、何十年も使わなくなった科学の言葉が飛びかいます。
鈴木さんの、おかしい漫画だけを頼りに、読み進みます。
読み終わった後の感想は、ああ、おもしろかった。
でも、むずかしかった。
これでは、普通の漫画を読むのと変わりありません。
化学の達人になるには、この入門書を、100回は読む必要があるかもしれませんね。
2012年8月25日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.08.21
カンガルーの本棚 中学生に戻って
関正生先生の「世界一わかりやすい中学英語の授業」(中経出版)を、読みました。
関先生は、現役の予備校の講師をされています。
英語の基礎の基礎を、とても分かり易く解説されています。
これまで手に取った英語の本の中で、一番おもしろく、分かり易く、
いちいち納得させられる中身がいっぱいです。
英語嫌いのわたしが、2日間で読破。
中学の時にこの本に出会っていたら、英語好きになって、
その後の人生が変わっていたかもしれないなあと思わせる、
おもしろくて、わかりやすい、お勧めの一冊です。
2012年8月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.08.18
カンガルーの本棚 聞くことの
阿川佐和子さんの「聞く力」(文春新書)を、読みました。
テレビや雑誌で大活躍されている阿川さんの、対談にまつわる数々のエピソード。
クスリと笑ってしまうところや、「そうなんだ」と納得してしまうところなど、
最後まで、一気におもしろく読みました。
あとがきにかえての中に、阿川さんの人柄を見たような気がします。
「そんな話をする当の本人にとっても、自ら語ることにより、それだけで語る意味が生まれてきます。そのために、聞き手がもし必要とされる媒介だとするならば、私はそんな聞き手を目指したいと思います」
2012年8月18日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.08.17
カンガルーの本棚 課題図書②
パトリック・ネスの「怪物はささやく」(あすなろ書房)を、読みました。
今年の中学生の課題図書の一冊です。
毎晩決まった時間にコナー少年の元を訪れる、いちいの木の怪物。
怪物の正体はなに?
モノトーンの挿絵も、おどろおどろしく、少年の恐怖が胸に迫ります。
ハードな内容のこの一冊。
苦境にたたされた少年、そして救いは・・
とても思いテーマの小説です。
このハードな小説は、中学生の心に、どう届くのでしょう。
2012年8月17日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.08.17
カンガルーの本棚 眠る前の少しの時間に
海原純子さんの「子どもが眠ったあと1分間だけ読む本」(PHP文庫)を、読みました。
毎日の子育ての中で、心や体が疲れ果ててしまった時、
自分に自信がなくなった時
子育てに悩んだ時
子どもの幸せを願う時
などなど、1分で読めるエッセイが、59話載せられています。
1日1話読んでいくと、2か月も楽しめる本です。
子どもが眠った後、あなたの心を少し楽にしてくれる、素敵な本です。
2012年8月17日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.08.13
カンガルーの本棚 課題図書①
高橋秀雄さんの「地をはう風のように」(福音館書店)を、読みました。
この夏の中学校の部、課題図書の一冊です。
終戦直後の鬼怒川沿いに住む、小学生の物語。
貧しさに、歯を食いしばって生きていく・・
ほんの50年少し前の、日本の子ども達の物語。
今の中学生は、このお話を読んで、どのように感じるのかと興味がわきました。
2012年8月13日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.08.11
カンガルーの本棚 課題図書①
高橋秀雄さんの「地をはう風のように」(福音館書店)を、読みました。
この夏の中学校の部、課題図書の一冊です。
終戦直後の鬼怒川沿いに住む、小学生の物語。
貧しさに、歯を食いしばって生きていく・・
ほんの50年少し前の、日本の子ども達の物語。
このお話を、今の中学生は、どのように読むのかと、興味がわきます。
2012年8月11日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.08.09
カンガルーの本棚 5年半ぶりのピクニック
恩田陸さんの「夜のピクニック」(新潮文庫)を、読みました。
映画化もされましたが、高校生生活の一日を描いた作品です。
書店で手に取り、子どもに薦めると、2日で読んで「おもしろかった」と言います。
主人公の話を詳しくしてくるのですが、
私が読んだのは2006年12月のこと。
一晩をかけて、ただひたすらに歩きとおす学校行事の話としか記憶にはなく、
あわてて、5年半ぶりに再読しました。
ふたりの主人公を中心にした心理描写がおもしろく、ぐいぐいと本の世界に引き込まれます
初めてこの本を読んだ時は、子どもは小学1年生。
5年半がたち、子どもは身体も心も大きくなりました。
1冊の本を共有できるっていいものだなと、少しうれしくなりました。
2012年8月9日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.07.10
カンガルーの本棚 不幸せな物語
重松清さんの「Long,Long ago」(新潮文庫)を、読みました。
うまくいかない人生を描いた、6つの物語が綴られています。
「カンガルーのポケット」の今月のテーマは、「運」
人には、自分の力ではどうしようもない「運」を感じる時があります。
運がいいとか、悪いとか・・
はたから見ると、「なんでそうなるの」と、不運ばかり続く人がいます。
カンガルーのポケットのテーマは、「不運の社会的救済」です。
でも、重松清さんは不運をも、愛おしくみつめます。
運が良くても、悪くても、それが自分の人生なら、
まるごと受け止めて、愛おしむ深さに脱帽です。
2012年7月10日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.06.30
カンガルーの本棚 脳に良くないことって
小西行郎先生の「子どもの脳によくないこと:赤ちゃん学、脳科学を生かす子育て」(PHPサイエンス・ワールド新書)を、読みました。
小児科教授を経て、赤ちゃん学会理事長をされている小西先生が、子どもの脳にとって良くないことを伝授されます。
子どもに育てたい心として、「幸せと感じられる心」「人を敬う心」「感謝できる心」をあげられます。
そのためには、「親がしっかりと生きているさま」を子どもに見せること。
過保護・過干渉をさけ、子どもを信じて、任せてみること。
そのうえで、子どもが必要だとしたときに、どう関わってやれるか。
と、伝えられます。
かんがるうっ子の親として、小児科医として、深く考えさせられる一冊です。
2012年6月30日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.06.22
カンガルーの本棚 いろいろな気持ち
石川幹人さんの、「人は感情によって進化した」(ディスカバー携書)を、読みました。
感情と環境との関係について、石川さんは「かっての生活環境にふさわしい形で、感情がつくられている。狩猟採取社会にふさわしい感情が、文明社会にも生きている。」と、述べられています。
捕食者から逃げる「恐怖」は早い段階で、
個体の上下関係を形成する「怒り」や「おびえ」は、群れを形成するようになって、
協力関係が築かれ、それを維持する役割を担う「罪悪感」や「義理」は、更に進化した段階で。
毎日、毎時、毎分ごとに目まぐるしく移り動くの感情を、人類の進化の歴史の中で客観視できる一冊です。
2012年6月22日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.06.20
カンガルーの本棚 愛情と無理解と
佐々木正美先生の「アスペルガーを生きる子どもたちへ」(日本評論社)を、読みました。
「アスペルガー症候群は、脳の統合機能の障害だ」と、佐々木先生は推察されます。
親子の関係に言及された箇所で、「親は最大の愛情をもって『理解者になりたい』と思いながらも、同時に偏見者になってしまうというきわどいところがある」と、書かれています。
子どもの障害を認めたくない親の気持ち、なんとか「普通の子ども」にしようと頑張る親の熱意。
それが子どもを追いつめて、二次障害を引き起こしていきます。
子どもの「あるがまま」を認め、子どもにその人生を任せる難しさ。
講演口調の読みやすい文章ながら、そこに書かれている内容の深さと難しさに、沈黙の一冊です。
2012年6月20日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.05.13
カンガルーの本棚 旅の終わりに
重松清さんの「十字架」(講談社)を、読みました。
イジメられ、自らの命を断った中学生。
許さない、許せないという、家族の心情、
そして、命の重みを背負って生きる同級生の物語。
文字を追う眼がふるえ、息苦しさを感じます。
この重いお話を書きながら、重松さんはわたし達に何を伝えたかったんだろうと考えます。
忘れられない一冊になりました。
2012年5月13日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
-
2012.05.06
カンガルーの本棚 ころばなぬように
松清さんの「ステップ」(中公文庫)を、読みました
「ステップ」は、ホップ、ステップ、ジャンプの「ステップ」
そして、ステップファミリーの「ステップ」
道上理事長が「重松さんの『ステップ』読みましたか。すごく良かったですよ」と、勧めてくれました。
その時には、机の上の「積んどく」1冊でしたが、講演会続きでなかなか読む順番が回ってきません。
やってきたGWは、「しげまつウィーク」になりました。
「ステップ」は、父と娘が命をつなぐ物語。
一つひとつの章を、道上先生は、どんな気持ちで読まれたのかなと、思いながらの、
あたたかい気持ちになれる1冊でした。
2012年5月6日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏