カンガルーの小部屋

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  • 2010.09.03

    カンガルーの本棚 コミック版

    大倉かおりさん画の「坊ちゃん」(集英社)を読みました。

    子どもが買っておいた夏目漱石原作のコミック版です。

    あらすじは知っているものの、原作を最後まで読み通したことはありません。

    いつも、おもしろさが分かる前に、投げ出していました。

    コミック版は、小一時間ほどで読むことができます。

    原作の入門としては、十分に楽しむことができました。

    これに味を占めて、同じコミック版で「三四郎」「ビルマの竪琴」「二十四の瞳」に挑戦。

    いずれも、まずまずの満足度です。

    もし、そのあと原作にたどり着かなくても、全く知らないよりはいいのかも知れません。

    これからも「コミック版コーナーにも、足を向けようかなっ」という気持ちになりました。

                           2010年9月3日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.09.03

    カンガルーの本棚 伝える技術

    池上彰さんの「わかりやすく<伝える>技術」(講談社現代新書)を読みました。

    この夏は、池上さんの本が、マイブームです。

    ほかの方の解説図書と、どこが違うのだろうかと考えていました。

    池上さんは、NHKの出身です。

    「NHKでは、放送では解説するけれど、判断するのは視聴者。視聴者がそれぞれの意見を持ってください、というスタンスで望みます。」と述べておられます。

    なるほど、そういう経験を積まれる中で、培われた文体だったのかと納得しました。

    この著書で、次の箇所に惹かれました。

    「あなたの話を聞いている相手は、自分とは生まれも育ちも違うわけだし、持っている常識が違います。そんな人たちにどういうふうに話をすればいいのか、伝えようとする相手のことを一生懸命考えます。当然のことながら、相手のことがよくわかっていないと、どいう伝え方をしていいかわかりません。そこで、相手はどういう人なのだろう?どういうことを言えばわかってもらえるかな?と考える。これがつまり、相手への『想像力』と言うことなのです。」

    伝えることは、相手を知ること、相手を想像すること。

    その上で、伝え方の工夫をすること。

    伝えることの奥深さを学びました。

                           2010年9月3日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.08.31

    カンガルーの本棚 銀二貫

    高田郁さんの「銀二貫」を読みました。

    何度となく、大坂の町を焼き尽くす大火。

    天神さんの再建に寄進するために用意された「銀二貫」が、人を救い、人を育てます。

    「情けは人のためならず」という言葉があります。

    お金に込められた人情が、人の世を暮らしやすくするのでしょう。

    読後に、ほんわりとした温かい気持ちになれることうけあいの時代小説です。

                           2010年8月31日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.08.29

    カンガルーの本棚 露の玉垣

    乙川優三郎さんの「露の玉垣」(新潮文庫)を読みました。

    乙川さんの時代小説は、社会の底辺で苦悩する人々を描くことを常としています。

    「露の玉垣」は、新発田藩という小藩で生まれ死んでいった人々の記録です。

    くり返される水害と、その後に続く貧困は、武家社会にも重くのしかかります。

    家老・溝口半兵衛は、災害と貧困にうごめく新発田藩200年の家臣の記録を書きつづることで、明日への勇気と希望をみいだそうとします。

    島内景二氏は、「露の玉は、はかない。だが、はかないがゆえに、朝日や夕日、そして月光を浴びて輝く美しさには、比類がない。けれども、誰にもその美しさを知られることなく、草深い野で結んでは消えてゆく露の、何と多いことか。」と、解説されます。

    偉人豪傑の歴史の裏に、ひっそりと生き抜いた人々の歴史もまた、今わたしたちが生きていることに、つながっているのですね。

                           2010年8月29日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.08.22

    カンガルーの本棚 追伸

    真保裕一さんの「追伸」(文春文庫)を読みました。

    久しぶりのミステリー小説です。

    2組の夫婦の間に交わされる、往復書簡。

    その中で、少しずつ事件の真相が明らかにされていきます。

    しかし、テーマは謎解きではありません。

    作者は登場人物にこう語らせます。

    「僕にも祖父母がおり、幼い時分には可愛がってもらった記憶がありながら、彼らに何ひとつ戦争の話を聞かずにきました。彼らの人生と僕の未来は一切無関係なのだと言いたげに、今日まで厚かましく生きてきたような心苦しさを、今さらながら感じています。

    祖父母や両親は、自分たちの経験してきた苦労を語りたがらず、ひたすら子や孫の未来を信じ、祈り続けるものなのでしょう。我々もつい昔の苦労話など聞きたくないと考えてしまいます。

    でも、そこには必ず懸命にその時代を生き抜いた人々がいて、多くの語られない物語が残されているはずなのです。」

    暑い夏、いい本に出会いました。

                           2010年8月22日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.08.20

    カンガルーの本棚 アルマ号

    水野宗徳さんの「さよなら、アルマ」(サンクチュアリ出版)を読みました。

    駅前の「井戸書店」さんで、手に取った一冊です。

    図書館でみつけられた一枚の写真。

    出征兵士が送られるように、幕の前に座る一匹の軍犬。

    日本軍だけでも、10万頭を越える犬が、戦場にかり出されたと言われています。

    愛犬とお散歩に出かけることも、プロ野球の阪神戦の結果が気になることも、大相撲で理事長代理が深々と頭を下げて謝罪することも、みんな平和な時代だから許されるのでしょう。

    そんな、当たり前のことに気づかしてくれる、一冊です。

                           2010年8月20日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.08.19

    カンガルーの本棚 日本の戦後史

    池上彰さんの「そうだったのか!」シリーズ、「そうだったのか!日本現代史」(集英社文庫)を読みました。

    「永遠の0」を読んだ直後だけに、戦争で亡くなられた方々の想いを託された戦後の日本社会が、どのような歩みをたどってきたのか、考えさせられながら読み進みました。

    池上さんは「敗戦国・日本」「自衛隊」「安保条約」「高度経済成長」「沖縄」「日本列島改造」「バブル」など、日本戦後史を15の章に分けて、解説されています。

    なかでも、「公害問題」は、わたしがどのような医師になるのかを模索していた青春の一時期のテーマだけに、興味深く読みました。

    池上さんは掻かれています。

    「終身雇用のもとで、自分が働く企業の『犯罪』を告発することができないまま、患者の被害は広がったのです。

    これは何もチッソに限られたことではありませんでした。当時の公害企業の多くで、多かれ少なかれ同じようなことが起きていたのです。企業の社員という立場が、人間らしくあることをいかにむずかしくするものなのか。人間性を失わせる企業とは何なのか。私は考え込んでしまうのです。」(266p)

    戦後史は、過去のものではありません。

    池上さんは、三池闘争の中で生まれた次のような詩を載せられています。

    「やがてくる日に」

    「歴史が正しく書かれる

    やがてくる日に

    私たちは正しい道を進んだといわれよう

    私たちは正しく生きたといわれよう

    私たちの肩は労働でよじれ

    指は貧乏で節くれだっていたが

    そのまなざしは

    まっすぐで美しかったといわれよう

    まっすぐに

    美しい未来をゆるぎなく

    みつけていたといわれよう・・・」

                          2010年8月19日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏 

  • 2010.08.15

    カンガルーの本棚 ゼロ

    百田尚樹さんの「永遠の0(ゼロ)」(偕成社)を読みました。

    文庫本576ページに及ぶ、大作です。

    先の大戦で活躍した、零式戦闘機と搭乗員の物語。

    司法試験に落ち続けている青年が、特攻隊で死んでいった祖父の足跡をたどります。

    祖父が何を願い、何を守ろうとしたのか。

    生き証人に出会う中で、青年のこころの中に、人々のために尽くしたいと弁護士を志した気持ちが、よみがえります。

    父の世代が、何を考えていたのか。

    終戦の日までに、読み終えることができて、良かったと思いました。

                           2010年8月15日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.08.10

    カンガルーの本棚 青空こころ

    青空こころサンの「障害を持つ子を育てて」(文芸社)を読みました。

    外来をしていますと、長距離の電話がかかってきました。

    「先生、覚えてますか。今度息子のことを本にしたんです。お送りしますから、読んでくださいね。」

    遠くに引っ越された青空サンとは、もう何年もお会いしていません。

    自閉症の息子さんは、もう18才になられ、この春に養護学校を卒業されました。

    障害に気が付いたときのこと。診断を受けたときのこと。自閉症児のおかあさんになる決心が付いたときのこと。

    そして、そのあとの、長い生活のことを、18編の短い文章に綴られています。

    多くの人に助けられることの大切さと、ありがたさ。

    おわりの章で、青空サンはこう書かれています。

    「あなたが障害を持っていなかったら、きっと側で傷ついている障害をもつお母さんの気持ちに気づかなかったでしょう。

    そして、空の青さにも、太陽の輝きにも、虹の美しさにも、道端に咲くたんぽぽにも、笑顔することもなかたでしょう。

    それから、こんなにも人の愛や温もり、そして優しさを強く感じることはできなかったと思います。」

    青空サンにも、その息子さんにも、いつまでもおだやかな青空の日が続きますように。

                           2010年8月11日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.08.10

    カンガルーの本棚 まだまだ知らない現代史

    池上彰さんの「そうだったのか!現代史パート2」(集英社文庫)を読みました。

    今回のテーマは、「イラク」「アフガニスタン」「パレスチナ」「チェチェン」「北朝鮮」「チェルノブイリ」

    さまざまな国の暗黒の現代史が綴られます。

    その中で、「東ティモール」と「ミャンマー」には、かすかな希望の光を見いだすことができました。

    「花の髪飾りの抵抗」と題された最終章には、「アウン・サン・スー・チー」さんのノーベル平和賞の受賞理由が書かれています。

    「ノルウェー・ノーベル賞委員会は、この女性のたゆまない努力に敬意を表するとともに、平和的な手段によって民主化と人権向上と民族和解を勝ちとろうと懸命に戦っている世界中の人たちにとって、彼女の受賞が、励ましとなるように願っている」

    現代史は、この瞬間にも、わたしたちが作り続けていくものです。

    人権を抑圧する過ちをくり返さないよう、歴史に学び続けたいと思います。

                           2010年8月10日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.08.02

    カンガルーの本棚 知らなかった現代史

    池上彰さんの「そうだったのか!現代史」(集英社文庫)を読みました。

    文庫本412ページの大作です。

    「湾岸戦争」「東西冷戦」「スターリン批判」「朝鮮戦争」「キューバ危機」「ベトナム戦争」

    「ベルリンの壁」など、など、現代史のキーワードが並びます。

    池上さんの分かりやすい解説が続きます。

    「歴史を軽視すると、歴史に罰せられるのです。」

    おわりのことばに書かれた、池上さんの思いは、同時代に生きているわたしにも、重く伝わります。

                           2010年8月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.07.29

    カンガルーの本棚 見えざる手

    池上彰さんの「見えざる手が経済を動かす」(ちくまプリマー新書)を読みました。

    池上さんらしい、分かりやすい表現で、経済学を語られています。

    「経済学とは、資源の最適配分を考える学問です。

    会社は、「ステークホルダー」(利害関係者)のものです。つまり、株主、経営者、従業員、そして、社会のものです。

    市場の失敗によって、貧富の差が拡大すると社会が不安定になります。これをカバーするのが政府の役割です。

    市場経済を万能視しないこと。市場経済を敵視しないこと。すべてを事故責任にしてしまわない。すべてを「お上頼み」にしない。」

    経済学は難しいと思っていましたが、毎日の買い物や、医療生協や職場のこと、身近ないろいろなことが、別の目で見えてくるから不思議です。

    暑い毎日ですが、肩を張らずに挑戦できる経済学の入門書です。

                           2010年7月29日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.07.21

    カンガルーの本棚 ローマのリーダー

    塩野七生さんの「日本人へ リーダー編」(文春新書)を読みました。

    文藝春秋誌に、2003年から3年間にわたり連載されたエッセイを集めた本です。

    リーダーといっても、当時はコイズミ劇場の時代です。

    塩野さんのリーダー論も、コイズミさんを中心に展開されています。

    コイズミさんの業績が、100年後にどのように評価されるのかは分かりませんが、少なくとも2010年の時点では、普通の生活をしている人の中に格差を持ち込んだ人であり、古き良き日本の温かさをこわした人だと、わたしは評価しています。

    リーダー論では、塩野さんの視点には、同意できない点を多々感じました。

    一方失業問題に言及しての文章では、大いに共感できるものがありました。

    塩野さんは、イギリスの作家ケン・フォーレット氏の言葉を紹介されています。

    「人は誰でも、自分自身への誇りを、自分に課せられた仕事を果たしていくことで確実にしていく。だから、職を奪うということは、その人から、自尊心を育む可能性さえも奪うことになるのです。」と。

    食べる手段としてだけではなく、その人がその人らしく生きていくためにこそ、職は必要だという観点は、なんと健全な考え方なのでしょう。

    一冊の中に、キラリと光る1ページを見つけました。

                           2010年7月21日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.07.13

    カンガルーの本棚 食べて治す食物アレルギー

    栗原和幸先生の「食べて治す食物アレルギー:特異的経口耐性誘導」(診断と治療社)を読みました。

    先の日本アレルギー学会で購入したのですが、つんどく状態が続き、読了が遅れました。

    除去一辺倒だった食物アレルギーの治療の世界に、「食べて治す」という考え方が拡がってきました。

    栗原先生の著書は、その流れを2010年の時点で整理された労作です。

    わたしが17年来行ってきた「食べて治す」方法は、緩徐特異的経口耐性誘導法(slow SOTI)

    に位置づけられると紹介されています。

    一方、数年来脚光を浴びている入院をさせて食べさせる方法は、急速特異的経口耐性誘導法(rush SOTI)と、名付けられています。

    いずれの方法も危険性は伴いますが、待つだけの食物アレルギーの治療法から、大きな一歩を踏み出したと思います。

    ただ、緩徐特異的経口耐性誘導法(slow SOTI)は、栗原先生も、「もともと食べられた患者ではないかという疑問に明快に答えることができず、正式な報告ができなかった」と書かれているように、学会発表の精度に達しにくい方法です。

    しかし、食物アレルギーの子どもさんには朗報であることは間違いありませんので、今後とも経験を積み、研究を深めていきたいと思います。

                           2010年7月13日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.07.11

    カンガルーの本棚 たいせつなこと

    重松清さんの「青い鳥」(新潮文庫)を読みました。

    引き込まれるように、1日半で読みました。

    しゃべろうとすると言葉がつっかかってしまう、ムラウチ先生の物語です。

    知子、義男、杏子・・。

    いろいろな形のひとりぼっちに、ムラウチ先生は語りかけます。

    「たいせつなこと」「そばにいること」「ひとりぼっちじゃないこと」

    ムラウチ先生の言葉は続きます。

    「ほんとうにしゃべりたいことは、しゃべらなくてはいけない。

    答えがほんとうに欲しいときには、やっぱり、訊かなくてはいけない」

    ムラウチ先生が、生徒に伝えようとする言葉が胸に響きます。

    わたしにとって「たいせつなこと」って、なにですか。

    みなさんにとって「たいせつなこと」って、なにですか。

    子ども達を支える仕事に就かれている方に、必読の1冊です。

                           2010年7月11日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.06.26

    カンガルーの本棚 優しさは・・ 

    道上哲也医師の「ボクにしか書けないケイコの物語」(かもがわ出版)を読みました。

    道上医師と、パートナー「ケイコさん」の闘病記です。

    道上医師は、わたしの前任のクリニック院長をされていました。

    内科と小児科と言う専攻の違いのせいか、親しくお話しをさせていただいた記憶はありません。

    そんな近くて、少しだけ遠い存在の医師の物語を、淡々と読みはじめました。

    とまどい、怒り、悲しみ、寂しさ。

    そのひとつ一つのありのままを、感情を抑えられた文体で、ていねいに綴られています。

    「優しさは、悲しみや寂しさがじょうずに育っていったもの」

    あとがきの中で、重松清さんのこの言葉を引用されています。

    「いいご本を書かれましたね」

    今度、道上医師にお会いした時に、こう声をおかけしようと思います。

    でも、道上医師と同じ医療生協で働いていることの誇りを、どのように伝えすればよいのか、まだ言葉を探せずにいます。

                           2010年6月26日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.06.17

    カンガルーの本棚 モノレールねこ

    加納朋子さんの「モノレールねこ」(文春文庫)を読みました。

    書名のおもしろさに惹かれた一冊です。

    吉田信子さんは書評に「読み手の心をそっと包み込むように、加納さんが広げてくれたふわふわの温かな毛布である」と書かれています。

    8つの短い小説の中では、わたしは「セイムタイム・ネクストイヤー」が一押しです。

    みなさんは、どの短編がお気に入りですか。

                           2010年6月17日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.06.09

    カンガルーの本棚 メリーゴーランド

    重松清さんの「カシオペアの丘で」(講談社文庫)を読みました。

    文庫本にして上下2巻、800ページを越える大作です。

    シュンと、トシと、ユウと、ミッチョ。

    4人の少年少女が丘を登るシーンから物語ははじまります。

    この物語には、いくつかのキーワードが散りばめられています。

    カシオペヤ、ボイジャー、観音像、炭坑爆発、メリーゴーランド。

    愛と、許し、そして生きているということ。

    読者それぞれに、ひとり一人異なる思い入れのページがあると思います。

    わたしは、繰り返し登場するメリーゴーランドの話が好きになりました。

    登場人物を乗せて、逃げては追いかけ。追いかけては逃げ。

    何度か乗ったことがあるメリーゴーランドに、そんな深い思いを感じることはありませんでした。

    重松清さんとともに、ひとの優しさに出会える一冊です。

                           2010年6月9日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.31

    カンガルーの本棚 夏を拾いに

    森浩美さんの「夏を拾いに」を読みました。

    「スタンドバイミー」という有名な映画があります。

    小説「夏を拾いに」は、同じ少年期のテーマを、不発弾を探す冒険に置き換えて、描かれています。

    小学校最後の数年は、子ども期でありながら、少しずつおとなの世界が分かりはじめる時です。

    何に夢中になり、何を追いかけていたのかは、ひとり一人違うでしょう。

    でも、明るさと不安の中に、誰もが毎日、昨日とは違う自分と出会う季節です。

    夏の日ざしの中で、のんびりとご一読されることをおすすめします。

                           2010年5月31日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.27

    カンガルーの本棚 かーかん、はあい②

    俵万智さんの「かーかん、はあい2」(朝日新聞出版)を読みました。

    俵さんは、お子さんと絵本を読む中で出会った数々の出来事を書きつづられています。

    五味太郎さんの挿し絵がふんだんに使われていて、可愛くて楽しい絵本の紹介本です。

    俵さんの短歌も効果的に使われており、クスリと笑いながら、すぐに読んでしましました。

                           2010年5月27日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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