カンガルーの小部屋

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  • 2022.12.11

    カンガルーの本棚 ゆるやかにのびのびと

    本田秀夫先生の「学校の中の発達障害」(SB新書)を読みました。

    集団の中で生きづらさを感じている子どもたち

    本田先生は、つらさをかかえている子どもたちに焦点を当てて、

    学校とはなにか、

    学力とはなにか

    教育で大事なことはなにかと 問いかけられます。

    300ページに近い大作ですが、

    今の教育で変えてほしい、変わってほしいことが伝わってきます。

    時間がかかるかもしれませんが、一読されることをお勧めします。

    2022年12月11日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.12.06

    カンガルーの本棚 タイミングよく褒める

    奥田健次先生の「叱りゼロで自分からやる子に育てる本」(だいわ文庫)を読みました。

    子育ては大変な労力と忍耐を要します。

    片づけない子ども、約束を守らない子どもなど、

    わかっていても注意する言葉がついきつくなります。

    奥田先生は叱ることで子どもをコントロールするのではなく、

    できたときに、約束を守れたときに、

    タイミングよく褒めることで好ましい行動を定着させる子育てを提唱されます。

    行動分析療法に基づく子育て

    慣れるまでは難しいかもしれませんが、

    魔法のような子育てが書かれているこの本を、一読されることをお勧めします。

    2022年12月6日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.12.02

    カンガルーの本棚 まだ使いこなせるには

    奥田健次先生の「子育てのほんとうの原理原則」(TAC出版)を読みました。

    子どもの問題行動に直面した時に、子どもの気持ちを尊重し、

    受容と寛容の精神で接すべしとする指導法に、真っ向から異を唱え

    社会に出ていくために、家庭のルールをそして社会のルールを身につけさせる

    奥田先生の教育法が、わたしを揺さぶります。

    理論ではなく実践を、その確かな技術をと論じられる先生に、

    もう少し深く学び、両親を家庭をそして子どもを支えることができるよう

    まずは先生の著作2冊を発注しました。

    この本との出会いが、今後のわたしをどう変えていくのか楽しみです。

    小児アレルギー学会会頭大矢幸弘先生がご推薦の1冊です。

    2022年12月2日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.11.29

    カンガルーの本棚 聞く耳を育てる

    東山紘久先生の「マンガで読み解くプロカウンセラーの聞く技術」

    (創元社)を読みました。

    自分の話をしたがる気持ちを抑え、

    相づちを打ちながら、ゆっくりと相手の話を聞くこと

    そんな当たり前のことが苦手なカンガルーが、

    もしかしてこれはと思い立ち、手に取った1冊です。

    はじめは、ハードルを低くと思い、コミック版をえらびましたが、

    なるほど、納得のなかみでした。

    2000年に発売され、今なおヒット中の原作のコミック版です。

    2022年11月29日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.11.26

    カンガルーの本棚 実行は難しいかも

    中島美鈴先生の「もしかして、私、大人のADHD?」(光文社新書)を読みました。

    ADHDは、小児科領域ではなじみ深い発達障害です。

    子どもにとっても、大人にとっても、自尊感情が大きく損なわれやすいADHD

    診断されると、すぐに薬物療法へとすすむ流れに

    中島先生は「認知行動療法」の視点から、

    生きづらさをやわらげ、新しい自分を創造するプログラムを提唱されます。

    頭では分かりながら、実行となると難しい課題だと感じました。

    2022年11月26日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.11.22

    カンガルーの本棚 ことしの一押し

    中島美鈴先生の「悩み・不安・怒りを小さくするレッスン」(光文社新書)を読みました。

    副題に「認知行動療法入門」とあります。

    出来事の受け止め方は、その人によりさまざまです。

    好意的に受け取る方もあれば、否定的に見る方

    そのひとの考えるパターンによって、幾通りにも解釈されます。

    認知のゆがみがあると、出来事はその人を苦しめます。

    中島先生はその悩みを優しく解説され、悩みが小さくなるように手ほどきをされます。

    今年読んだ100冊目は、一押しの一冊です。

    2022年11月22日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.11.17

    カンガルーの本棚 ハルネコとともに

    玉井仁先生の「マンガでやさしくわかる認知行動療法」

    (日本能率協会)を読みました。

    心理療法の中で、大きな位置を占めている認知行動療法

    その初歩を、ネコのハル大将と一緒に学びます。

    書かれていることは、難しいのですが

    少し太っちょのハル大将と一緒に読み進めると、

    これって私にもできるかもという気持ちになります。

    入門書の入門書として、私にはお似合いの1冊です。

    2022年11月17日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.11.08

    カンガルーの本棚 折れない心

    内田和俊さんの「レジリエンス入門」(ちくまプリマー新書)を読みました。

    レジリエンスとは、嫌な気分をもとの正常な状態に戻す力

    何かの出来事に直面する時に、

    考えが先行し、感情をともなって、行動する

    ネガティブな連鎖を断ち切るためには、

    ネガティブな物の見方、考え方を意識して、

    少しずつ変えていく方法を、内田先生は伝授されます。

    分かりやすく書かれていますので、ご一読をお勧めします。

    2022年11月08日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.11.05

    カンガルーの本棚 子らと共に

    西條奈加さんの「銀杏手ならい」(祥伝社文庫)を読みました。

    婚家から離縁され、実家に戻ってきた萌

    家業の手習所を引き継ぐ中で、

    いろいろなタイプの子どもに巡り会います。

    子どもの悲しみに寄り添い、あきらめず

    子どもと一緒に乗り越えていく萌の姿に、声援を送りたくなります。

    西條さんの作品の中で、一番好きな作品になりました。

    2022年11月5日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.11.04

    聴診器のむこうに こころにしみる江戸長屋

    畠山健二さんの「本所おけら長屋19」(PHP文芸文庫)を読みました。

    今回も4つの事件が、長屋に持ちあがります。

    はやとちりで、長屋の男といい仲になる大店のお嬢さん

    だまされて、人を信じることができなくなった商人

    浪人と長屋住人との意地の張り合い

    長年の確執に動きがとれなくなった母娘

    どうなるのかと、はらはらしながら読み進めるうちに、

    どうにかなるのが、おけら長屋

    次号はいつ出るのかなと、気がかりな1冊です。

    2022年11月4日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.10.22

    カンガルーの本棚 良かれと思う一言が

    出口保行さんの「子どもを呪う言葉、救う言葉」(SB新書)を読みました。

    罪を犯した少年の更生を願い、心理分析に関わられてきた著者の子育て論

    「みんなと仲よくしてね」「早くしなさい」「頑張りなさい」「何度言ったらわかるの」

    忙しい子育ての道のりで、親の口からついでてしまう言葉

    その一言が、子どもをひどく傷つけることがあります。

    良かれと思う言葉が、なぜ子どもを傷つけるのか

    著者は豊富な臨床体験から、その謎に迫ります。

    読み終えてしまえば、ごくあたりまえのこと

    子育ての基本は、子どもの気持ちの今を深く観察し、

    親の願いではなく、子どもにとって本当に良かれということなのかと考えて

    育てていくことかも知れませんね。

    2022年10月22日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.10.19

    カンガルーの本棚 ニャンコ名探偵

    西條奈加さんの「猫の傀儡」(光文社文庫)を、読みました。

    傀儡とは、あやつり人形、かいらいのこと

    江戸時代、お蚕さんや米蔵をネズミから守るために、

    ネコが大切にされていました。

    ネコの社会を守るために、選ばれたネコが傀儡師となり、

    あやつった人の助けをかりて、次々と起こる事件を解決します。

    主人公のミスジと呼ばれる傀儡ネコには、人の言葉が分かりますが、

    人には、ニャーっという鳴き声にしか聞こえません。

    さて、傀儡ネコは、どんな方法で人に気持ちを伝えるのでしょう

    ネコ社会の描写がとても愉快で、

    思わずわたしも、ニャーっと鳴いてしまいます。

    2022年10月19日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.10.13

    カンガルーの本棚 許せない過去を

    西條奈加さんの「はむ・はたる」(光文社文庫)を読みました。

    飢饉が続き、人買いに売られたり、捨てられたりして

    江戸の町で暮らす孤児たちの物語

    知恵を絞り、事件を解決し、

    師匠と慕う男の復習を手伝おうとするのですが・・

    「はむ・はたる」はフランス語で「ファム・ファタール」

    魔性の女との苦い結末に、少し気持ちが引いてしまいます。

    やはり、ハピーエンドが読みやすいかも

    2022年10月13日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.10.06

    カンガルーの本棚 いのししの姿に

    西條奈加さんの「亥子ころころ」(講談社時代小説文庫)を読みました。

    大江戸で小さな菓子屋を営む治兵衛のもとに、

    行き倒れの菓子職人が転がり込んでくる

    治兵衛と娘と孫の3人の生活が、

    音を立てて変わっていく

    その先には、何が待ち受けているのか

    南星屋シリーズ第二弾も、ワクワクのひと時を運んでくれます。

    2022年10月6日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.10.05

    カンガルーの本棚 カアカアさんのお金

    西條奈加さんの「烏金」(光文社文庫)を読みました。

    烏金(からすがね)とは、江戸時代の高利貸しのこと

    訳ありの浅吉は、金貸しのお吟の家にもぐり込みます。

    借りたお金を返すことができない人に、

    浅吉は、生きるすべを教え、立ち直らせていきます。

    金貸し業を手伝い、ふところにしまい込んだ金を

    浅吉は何に使おうとするのでしょうか

    お話の中の世界ですが、私利私欲のためでなく

    もっと大きなものを夢見る浅吉に、大きな拍手です。

    2022年10月5日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.10.01

    カンガルーの本棚 今すこし抜け出せた

    伊吹有喜さんの「今はちょっと、ついてないだけ」(光文社文庫)を読みました。

    学生時代にマスコミの寵児となった主人公

    バルブがはじけ、多額の負債を背負わされ、すべてを失い

    冒険家と、写真家という夢も捨て、ひっそりと暮らす

    そんな彼を、母は「今はちょっと、ついてないだけ。

    そのうちいい運がやってくるよ」と、励まします。

    フィルムのカメラから、デジタルのカメラへと時代は移り、

    戸惑いながら、本当にやりたかったことに向かって歩き始めます。

    敗者復活戦は、これから

    あわてないで少しずつ、

    読みながら主人公に声援を送りたくなります。

    2022年10月1日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.09.29

    カンガルーの本棚 年を取り巡り会い

    森絵都さんの「出会いなおし」(文春文庫)を読みました。

    出会いのあとに別れがあり、そして再び出会いが待ち受けている

    生きていくと出会うかもしれない、6つの物語が書かれています。

    小学校の同窓会で明かされる、引きづっていた後悔の時間

    昔の出来事を思い出し、少しニコリとしました。

    2022年9月29日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.09.27

    カンガルーの本棚 1両はいくらなの

    磯田道史さん監修の「江戸の家計簿」(宝島新書)を読みました。

    時代小説を読んでいて、入り込めないのが地名とお金の価値

    1両はいくらなんだろうと思い、手に取りました。

    お米の価格を基にすると、1両は63,000円

    賃金から考えると、1両は300,000円

    とすると、1000両箱は3億円

    頭がくらくらします。

    庶民の生活では、お蕎麦は1杯、16文で約250円

    それでもやはり、江戸の金銭感覚はなじめません。

    あまりこだわらないで、本を読むことにしましょうね

    2022年9月27日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.09.25

    カンガルーの本棚 鈴の音が聞こえる

    西條奈加さんの「無暁の鈴」(光文社文庫)を読みました。

    幼くして寺に預けられ、愛する友の死をまじかに見つめ

    無暁と名を変えて生きる主人公

    世の哀しみ、人の苦しみをわが身で代ることができればと

    修行に修行を重ねる無暁

    ちりん、ちりんと響く鈴の音に

    人の世の生きづらさが重なります。

    読み終えた後も、作者の重い問いかけが、心に響きます。

    2022年9月25日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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  • 2022.09.23

    カンガルーの本棚 光と風の布

    伊吹有喜さんの「雲を紡ぐ」(文春文庫)を読みました。

    学校にも家庭にも、居場所を見つけられない高校生の美緒は、

    長く音信が途絶えていた父方の祖父宅に家出をします。

    岩手の山奥にある祖父宅で出会ったものは・・

    自分のことがすきになれない美緒が

    祖父の、そして父の志に気づき、

    自分だけの道を歩み始めます。

    居場所さがしで悩んでいる若い人に、是非読んでほしい1冊です

    2022年9月23日

    いたやどクリニック 木村彰宏

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