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2013.04.19
聴診器のむこうに あたらしい先生
「1年生に、なったんだね」
4月になると、こんな会話から診察が始まります。
「それで、担任の先生は、女の先生?それとも男の先生?」
「おんなのせんせい」と、答えが返ってくればしめたもの。
「先生、やさしいかな?こわいかな?」と、質問を続けます。
「うーんと、こわいかなっ」
ここまでくれば、あとは究極の質問があるのみです。
「だったら、先生と、おかあさんと、どっちがこわいかな?」
このあいだ、この質問に挑戦してくれたのは、ふたりの1年生。
「う~ん・・」
何か言いたそうに、口はモグモグするのですが、
ふたりとも、最後まで2択問題に、答えを出しません。
合格です。
おふたりとも、りっぱな1年生です。
気遣いは、集団生活を送る上での、出発点ですよね。
2013年4月19日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.04.18
聴診器のむこうに よろこんで
6才の男の子のうしろには、
おかあさんが持ってきた、大きなバッグが置かれています。
なにやら、するどい歯のような図柄ですし、舌もついています。
診察しながら、気になって仕方がありません。
診察がおわり、質問をすると、
予想通り「さめ」のバッグです。
日本では売っていないすぐれもの。
そこで、男の子にお願いします。
「ねえねえ、口のところに手を持って行って、咬まれている写真を撮らせてくれない」
男の子は、ためらわず「咬まれているポーズ」を決めてくれます。
そうです、関西では、そのノリが大切ですね。
2013年4月18日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.04.15
聴診器のむこうに カンガルーの上着
「先生、これどうぞ」
おかあさんが、横長の袋を机の上におかれます。
「この本にあう、ブックカバーが見つからなかったので・・」
なんと、「カンガルーのポケット」にぴったりの、カバーです。
表は、かわいいワンちゃんの図柄、
中帯にも、ワンちゃんが歩いています。
なんて素敵なプレゼントでしょう。
これさえあれば、肌寒い夜にも、カンガルーは風邪をひかずに済みそうです。
手作りのブックカバー、ありがとうございました。
2013年4月15日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.04.09
聴診器のむこうに コウノトリはどこから
8才の男の子は、春休みに「コウノトリの郷」に連れて行ってもらいました。
「よかったね、ところで、コウノトリの郷って、何県にあるの?」と、質問します。
男の子は、考えに考えて、首をかしげて、
それでも、答えがでません。
「コウノトリの郷」は、兵庫県にあるんですよ。
将来、素敵な女性と結婚して、
赤ちゃんが生まれる時に、
運んできたコウノトリに質問されるので、しっかり覚えておいてくださいね。
2013年4月9日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.04.08
聴診器のむこうに フィギュアの女王
9才の女の子の習いごとは、フィギュアスケート。
「後ろむきに、すべれるの」って、尋ねると、「ハイ」
「だったら、ジャンプは」って、続けると、「うーん、まだ」
大丈夫、だいじょうぶ。
まずは、地道な努力から。
いつか、真央ちゃんのような、華麗なジャンプを見せてくださいね。
2013年4月8日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.04.06
聴診器のむこうに くまもんのお世話
5才の男の子は、生き物係。
くわがたに、かぶとの幼虫に、
うさぎを飼っています。
名前は「ロック」
Tシャツの柄は、「くまもん」です。
「くまもんも、家で飼ってるの?」って、尋ねると、
「飼ってない」との、答えです。
それは、残念。
おうちに、「くまもん」がいたら、
肉球のサインをお願いしようと思っていたのですが…
2013年4月6日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.04.02
聴診器のむこうに 炎のランナー
1年生の男の子は、パワー全開。
垂水区で開かれた「ロードレース大会」で、優勝。
神戸市の「クロスカントリー退秋」でも、優勝です。
1年生の中での優勝とはいえ、
クリニック創業いらいの、快挙です。
走れ、未来のマラソンランナー。
オリンピック出場も、夢ではないですよ。
2013年4月2日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.04.01
聴診器のむこうに 十数年ぶりの
土曜日の外来診療を終えると、お客さま。
「覚えてられますか」と、声をかけられます。
昨日の夕食メニューも忘れてしまう性格では、
「申し訳ないですが・・」と、お返事するほかありません。
「小さい時に、愛知に引っ越しをして、先生に教えていただいた通りに、
少しずつコツコツと食べていって、普通に牛乳が飲めるようになりました」
女の子は、春から中学生。
よかったですね。努力された甲斐がありました。
そこで、握手で記念撮影です。
おめでとう。
今日から、4月、新年度が始まります。
中学生活を、楽しんでくださいね。
2013年4月1日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.03.31
聴診器のむこうに おばあちゃんのおにぎり
診察を終えた男の子は、早速おかあさんにおねだりします。
取りだしたのは、大きな「おにぎり」。
おばあちゃんが作ってくれた「特製イカナゴ入りおにぎり」です。
もうすっかり、お昼時。
しっかり食べて、大きくなってくださいね。
2013年3月31日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.03.23
聴診器のむこうに ボクはエイリアン
6才の男の子が、大事に持ってきたのは、
「プレデター」
エイリアンと戦う、地球外生物です。
診察が終わり、お披露目の会。
リアルで、大きくて、重たくて。
おばあさんからの、プレゼントです。
看護師さんは、「それ、なにっ」と、興味津津です。
わたしは、エイリアンと、プレデターとの違いが分からなくて、
どちらも、苦手の範疇なので、遠まわしに見ています。
「エイリアンも、プレデターも、診察はお断りします」
こんな張り紙を、明日にでも、張り出しますからね。
2013年3月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.03.18
聴診器のむこうに ねがいましては
3年生の男の子は、診察が終わると、そろばんを取りだします。
器用に指を動かして、計算を始めます。
お小遣い帳なのか、家計簿か、
黒い鉛筆を使うところを見ると、
黒字決算でしょうか。
仕事が終われば、クリニックの会計も、お手伝いしてくださいね。
2013年3月18日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.03.13
聴診器のむこうに おとうさんの元に
3才半の男の子は、東京のおとうさんの元に帰ります。
2年前の大震災の時には、まだ1才半。
6日後の3月17日に、茨城から西宮に避難されました。
それから2年、おとうさんと離れて、おかあさんとの生活が始まります。
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の治療に、板宿まで通院されました。
診察にもすっかり慣れて、大好きな絵本を見せてくれます。
今日は、クリニックでの最後の診察日。
おかあさんと、男の子と、握手をして、なごりを惜しみました。
会えなくなるのは寂しいけれど、東京ではおとうさんが待っています。
2年分、しっかりと甘えてくださいね。
2013年3月13日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.03.06
聴診器のむこうに 魔法使いのほうき
7才の男の子のマイブームは、「あやとり」です。
診察室で、いろいろな形を作っては、見せてくれます。
「今作った、それ、なあに?」と、尋ねると、
「ホーキ」
「だったら、次、掃除機つくってよ」と、リクエストします。
男の子は、少し考えて「でけへん」と、答えます。
「だって、これ、『魔法使いのほうき』やもん」
大丈夫、だいじょうぶです。
あなたの腕前なら、なにでもできますよ。
ほうきから、コードレス掃除機への進化も、夢ではないですよ。
2013年3月6日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.03.02
聴診器のむこうに がんばれロボット君
1年生の男の子の手には、大型作品
作品名は、巨大ロボット。
ジュースとお菓子のパッケージをつなぎ合わせて、
PM2.5や、花粉にも、負けないぞ。
でも、クリニックまで連れてくるのは、大変だったでしょう。
家に帰って、どこで暮らすのかも心配です。
がんばれ、ロボット君。
先生は、君たちの味方です。
2013年3月2日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.02.24
聴診器のむこうに はじめてのミスド
10才の男の子の、今日のお題は「ミスタードーナッツ」
何年もかけて、牛乳が50.5ml 飲めるようになりました。
いろいろなものが、少しずつ食べられるようになって、
今日は「ミスドのハニーチュロ」に挑戦です。
おかあさんが、ミスドの会社に問い合わせをされると、
さっそく、たまごと牛乳の含有量の一覧表が送られてきます。
6つのドーナッツ候補から、「ハニーチュロ」を選抜します。
はじめに、4半個分。
あとで、残りを食べてもらいます。
1時間観察をして、キンコンカンコン、合格です。
生まれての「ミスド・デビュー」
男の子の笑顔が、いつまでも輝いていました。
2013年2月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.02.23
聴診器のむこうに 最高のバレンタイン
2月14日から、1週間がたちました。
外来を訪れる中学生以上の男子に、今年の成果を質問します。
「冗談でしょ、ゼロです」
殆どの男の子の答えは、ゼロ。
夕方の外来に来られた中学2年生の男の子は、
ちいさな声で、「ひとつです」
耳元に顔をよせて、「ほんめい?」って、重ね聞きします。
男の子は、恥ずかしそうに「ほんめい です」
やったね、よかったね、さいこうだあ。
「食べずに、ずーっと飾っておきなさいよ」と、助言します。
「問題は、ホワイトデイだよ。女の子は、何をあげてもいいもんじゃないんだから、
よ~く、相手の好みをリサーチして、お返しを考えなくっちゃね」
アレルギーの相談以外にも、忙しい毎日です。
2013年2月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.02.20
聴診器のむこうに ワースト・ワン
7才の男の子は、ミルクを飲む練習中。
ミルクは、少し飲めるようになっても、嫌いです。
診察を終えて、質問をします。
「ボクの、嫌いな物って、なあに?」
「エーッと、こんぶと、シイタケと」と、答えます。
「それなら、こんぶと、シイタケと、ミルクの中で、
一番苦手なのは、なにかな?」
男の子は、究極の質問を前に、考えに、考えて
「しいたけ」と、答えます。
それなら大丈夫。
ミルクは、飲めるようになりますからね。
こんぶと、シイタケの負荷試験は、どうしようかな。
2013年2月20日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.02.16
聴診器のむこうに 最大級の幸運児
7才の男の子は、診察が終わると、しきりに何かを伝えようとします。
おかあさんに励まされて、カードを頸にかけます。
カードは2月6日に神戸で行われた、サッカー、キリンチャレンジカップ2013
全日本vsラトビア戦のIDカードです。
試合が始まる前に、選手と子どもが手をつないで、入場するシーンを見られたことがおありかと思います。
男の子は、抽選でそのひとりに選ばれました。
手をつないで入場したのは、全日本の清武選手。
そして、香川選手ともハイタッチしたとか。
清武選手、香川選手と言えば、iPS細胞の山中教授と並ぶ、日本の誇りです。
なんという、ラッキーボーイ、幸せもの、幸運児、
思わず男の子と握手をして、清武選手と香川選手との、間接握手を楽しみました。
2013年2月16日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.02.09
聴診器のむこうに 泳ぐアレルギー
男の子に、検査の結果を説明します。
「くだもののアレルギーだけど、バナナとお、キウイとお、リンゴとお、マンゴとお・・」
項目を一つ一つ読み上げていくと、
「先生、マンゴって、なあに」と、逆質問されます。
「えっ、マンゴって、海で泳いでいるでしょ」と、反射的即答をしますと、
うしろから、おかあさんが、
「それって、マンボウですね」と、鋭いつっこみ。
吉本いたやど劇場は、今日も大盛況です。
2013年2月9日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2013.02.03
聴診器のむこうに 妖怪人間みどりがめ
6年生の男の子の腕は、みどりいろ。
「学校で、工作かなにかあったの」と、尋ねます。
「暇だったんで、自分で塗ってみました」とは、その答え。
それでは、「妖怪人間みどりがめ」みたいですね。
でも、今日2月3日は、節分の日。
きれいに洗ってから出歩くかないと、
子どもに豆を投げられますからね。
2013年2月3日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏