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2012.07.11
聴診器のむこうに うずしお
小学5年生は、4泊5日の自然学校のまっさかり。
山や海に出かけます。
食事の事、喘息の事、虫さされの事。
助言には、事欠きません。
しあげは、いつもの危機管理。
クマが出た時の逃げ方や、オオカミの鳴き声の聞き分け方 などなど。
本日主役の女の子は、南淡路でのお泊りです、
南淡路といえば、「うずしお」です。
「船から落ちた時に、うずしおから脱出する練習って、してる?」と、確認します。
女の子は、「? ? ?」
「帰ったら、洗濯機の中に入って、外に出る練習をするとよいからね」と、指導します。
何が起こるか分からないのが、現代です。
「備えあれば憂いなし」
ご用心、ご用心。
2012年7月11日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.29
聴診器のむこうに きいろい恐竜
3才の男の子の、今日の課題は、玉子スープの負荷試験。
おかあさんが作ってくれたスープを、いただきます。
判定の時間になり、入ってきた男の子のTシャツに、釘付けです。
きいろのTシャツに、きいろの恐竜。
もしかして、さっき食べたのは、恐竜の卵・・。
いえいえ、そんなはずはありません。
外来診察では、ときどき不思議な事がおこります。
2012年6月29日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.26
聴診器のむこうに 進化系
8才の男の子のTシャツは、みず系ポケモン。
ミジュマル→フテチマル→ダイケンキと進化します。
男の子は、まだ、ミジュマル・レベルかな?
でも、ミジュマルの方が、かわいくて・・
進化しても、笑顔をわすれないでいてくださいね。
2012年6月26日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.25
聴診器のむこうに ぬいぐるみの値段
女の子が手にしているのは、大きなぬいぐるみ。
大切に、お膝に抱えます。
「それ、どうしたの?」って、お尋ねしますと、
「UFOキャッチャーで取ったんです」と、後ろから、おかあさん。
ずいぶん元手がかかったそうです。
熱くなると、お店で買った方が安くなる時がありますよね。
わたしのUFO流儀は、200円だけ。
取れても取れなくても、それでおしまいです。
ずいぶんとお金を使い、その流儀を、学びました。
2012年6月25日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.24
聴診器のむこうに つをとって
5年生の男の子は、自然学校を前に、手のひらに怪我をしました。
自然学校では、いろいろなことを体験するので、
片手が使えないと、とても不便。
中でも、魚つかみは、めったに体験できないイベントです。
素早く逃げる魚を、両手でつかみます。
片手を痛めた男の子に、助言します。
「ねえねえ、魚つかみの『つ』をとって、魚かみにしたら」
「あざらしや、オットセイは、こうやって、魚を口で捕まえるでしょ」と、
実演します。
気のいい男の子は、私の真似をして、口をあけて、魚を捕まえる動作をします。
そうそう、その心意気。
楽しんでなんぼの世界です。
しっかり楽しんで、帰ってらっしゃいね。
2012年6月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.23
聴診器のむこうに ジョバス
中学生の女の子の部活は、「ジョバス」
しばらく考えて、「女子バスケット部」だと、気づきます。
なにでも、略すのが流行りです。
「つけま」に「づけま」
何の事だか、おわかりですか?
子どもの部活は、「ハンドベ」
走るのが遅い子どもには、ピッタリのクラブですね。
2012年6月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.19
聴診器のむこうに しっぽが生えて
外来の楽しみのひとつは、子どもさんのファッション。
今回、ご登場願うのは、ハード・テイルと、レッグウオーマーの赤ちゃんです。
「かっわい~。おしゃれ~」
看護師さんの、歓声があがります。
悪魔のファッション・パワーで、外来診察の流れが止まります。
2012年6月19日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.13
聴診器のむこうに 今年くわがた
くわがた少年も、6年生になりました。
今年のバトルの場は、埼玉県。
車に「くわがた」を載せて、家族総出で遠征します。
成果は、全国第二位。
マイナーだけど、全国誌の紙面を飾ります。
がんばれ、くわがた少年!
宇宙兄弟に負けるなよ!
2012年5月13日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.06.08
聴診器のむこうに こんな子がほしい
12才の男の子は、ひとりで診察室に入ります。
呼吸機能の検査を受けて、処方箋をもらい、会計を済ませます。
住所をみると、クリニックから、特急に乗って数駅先のところです。
「すごい、ひとりで来たんや。わたし、こんな子がほしいな」とは、看護師さん。
かんがるうっ子も親が思うより、いろんな事を一人で、できるのかもしれません。
でも、心配なのは、親の方。
ご両親に、脱帽です。
2012年6月8日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.30
聴診器のむこうに イクラちゃん
4才の男の子の、マイブームは「イクラの先生」
外来で、イクラの負荷試験をして、大丈夫になったあと、うれしくて、
いろんな人に「ボク、イクラ食べれるんだ」と伝えます。
そして、わたしのことを呼ぶ時には、「イクラの先生」
「イクラちゃんじゃなくって、よかったですね」と、おかあさん。
「イクラちゃん」は、サザエさん・ワールド。
「いくらどんちゃん」は、アンパンマン・ワールド。
男の子の世界の中では、「イクラの先生」は、どんな活躍をしているのでしょうね。
2012年5月30日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.29
聴診器のむこうに きりん組
5才の女の子に、尋ねます。
「幼稚園に通ってるの?、なに組かなっ?」
即答がないので、続けます。
「へび組かなっ?、もぐら組かなっ、それとも、からす組?」など、あまりつけられない名前を並べます。
女の子の答えは「きりん」
そう、期待通りのかわいい名前です。
何か言いたそうなので、耳をすますと「きり組」
「きりん」ではなくて、「きり」です。
なんて「しぶい」名前でしょう。
でも、ギリギリ、ありえる名前ですね。
2012年5月29日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.16
聴診器のむこうに ラストパス
8才の男の子を前に、いつもの冗談がでます。
「ねえねえ、この間、すごい風だったでしょ。
寝ている間に風で飛ばされて、
起きると、違うお母さんの隣で、寝てた子が、いたんだって」
男の子は、頭から信じていないという顔をします。
「ボクだったら、今のお母さんと、新しいお母さんと、どっちのお母さんがいい?」
と、質問します。
男の子は、少し考えて、首を傾げます。
そういう時には、すぐさまふりかえり、「ぼくのお母さんの方です」と言うんですよ。
せっかくのラストパス。
見逃さないで、決勝ゴールを、決めてくださいね。
2012年5月16日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.10
聴診器のむこうに 雨の日かえる
雷の音とともに、雨が降りだします。
雨の日は、外来受診もひと仕事。
4才の女の子の足元には、かえるさん。
診察前に、カメラに収めます。
「かえる、好き?」って、尋ねると、
「うん」と、答えます。
雨の日も、かえるさんと一緒に、通ってきてくださいね。
2012年5月10日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.29
聴診器のむこうに おばけだぞ~
2才の男の子のシャツの柄は、おや、なんの模様かな?
青くって、ギザギザで、おててつき。
おめめは、ギョロリで、お口からは、白いきば。
「おばけです」とは、おかあさん。
なるほど、国籍不明の「おばけ」です。
ハッちゃん、「う~」って、ほえないでくださいね。
2012年4月29日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.24
聴診器のむこうに コートネームは
高校生の女の子のカバンには、おおきなストラップ。
「これ、どうしたの?」って、尋ねます。
女の子の部活は、バスケットボールです。
「コートネーム」は、「KOKO」
こころざしの、「ここ」です。
先輩が名づけて、ストラップを、プレゼント。
ほんとうに、楽しそうに話します。
がんばれ、高校生。
こころざしを高くして、ゴールにシュート!
2012年4月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.23
聴診器のむこうに ピーターパン
年長さんの新しいクラスは、ピーターパン。
緑色の服を着て、おとなしく坐ります。
もうすぐ、診察は終わるので、
それまで、お空に飛んでいかないでくださいね。
2012年4月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.21
聴診器のむこうに 長い夢
5年生の男の子の夢は、ディズニーランドに行くこと。
自分でお金をためて、ひとり旅です。
資金の調達元は、おかあさん。
1回10円で、肩をたたきます。
入場料とホテル代。
往復の旅費を入れると、いくらかな。
毎日、肩をたたいて1万回。
30年はかかります。
「わたしが生きているうちに」とは、おかあさん。
おかあさんを誘っていくと、ふたり分で60年。
でも、まだまだお元気だと思いますよ、おかあさん。
2012年4月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.21
聴診器のむこうに かわいいネズミさん
診察室に、ネズミさん。
大きな耳をゆらせながら、こんにちは。
どこか、かゆいところは、ないですか。
ネコのアレルギーは、ないですか。
大きくなったら、みんな一緒に、なんでも食べましょうね。
2012年4月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.08
聴診器のむこうに さんぱつ屋さん
5才の男の子は、さんぱつ屋さんに、いったばかり。
頭をみると、なるほど、今風の髪型で、よく似あいます。
「さんぱつ、嫌じゃない?」って尋ねると、
「お菓子をもらえるから」という、答え。
なるほど、今も昔も、さんぱつ屋さんの手口は変わりません。
小学生のころ、刈り終えたあとに、お菓子をもらったうれしさを、思いだします。
味覚より、美学が優先されるようになるのは、いくつ頃からでしょうか。
2012年4月8日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.07
聴診器のむこうに 小さな哲学者
4才の男の子のキリンノートには、哲学的な書き込みが・・
子「人間を作ったのは、誰なん?」
母「さあ、誰やろね」
子「先生やと思う。イクラ食べていいですよって言った先生と、耳鼻科の先生」
母「なんで?」
子「だって、悪いとこ治せるし、食べられるもの教えてくれるでしょ!人間のこと分かってるってことやから!」
母:4才になり、いろいろ考えてるようです。人間を作ったのは誰でしょう?
私;ボクを作ったのは、おかあさん。
おかあさんを作ったのは、おかあさんのおかあさん。
おかあさんのおかあさんをつくったのは、おかあさんのおかあさんのおかあさん。
その先は、分かりません。
でも、人間を作ったのは、きっと人間だと思いますよ。
2012年4月7日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏