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2011.06.26
聴診器のむこうに 岡山からのお客さま
15才の男の子は、岡山からのお客さま。
神戸から岡山に引っ越された後も、診察に来られます。
今春からは、高校生。
学生寮から、通われているそうです。
診察が終わり、おかあさんから、小冊子をいただきました。
1987年に刊行された、甘蔗珠恵子さんの「まだ、まにあうのなら」という小冊子。
チェルノブイリ原発事故の、一年後に書かれた手紙です。
原子力発電所に反対する署名用紙を持ってこられていましたので、喜んで署名をさせていただきました。
お返しに、医療生協で集めている「原子力に頼らない社会をめざす」署名用紙をとりだし、お願いしました。
原子力に頼らない考え方が、少しずつ広がっていることを、うれしく思いました。
2011年6月26日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.06.09
聴診器のむこうに 元気でちゅ
3才前の女の子は、ぬいぐるみを抱いて登場。
「この子は、ぬいぐるみの元気がないと、心配してるんです」と、おかあさんが言われます。
わかりました。
すぐに診察をしてみましょう。
お熱も、咳も、なさそうです。
胸の音も、呼吸の音も聞こえないけれど、顔色はピンクで、いいですね。
病気の心配はないと思います。
でも、今度連れてこられる時も、ピンクのぞうさんにしてくださいね。
青色のぬいぐるみだと、すぐに酸素投与が必要になりそうですからね。
2011年6月9日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.06.07
聴診器のむこうに 初夏の風
「せんせい、みて、みて~」
4才の女の子は、満面の笑顔。
頭には、草のハチマキが巻かれています。
「どうしたの?」と尋ねますと、
「幼稚園で、旧の端午の節句があったんです」と、おかあさん。
診察室に、さわやかな初夏の風が吹き抜けました。
2011年6月7日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.05.30
聴診器のむこうに 黄色い医者
「せんせい、これ、みて」
診察室に入ってくるなり、男の子が黄色いものを、突き出します。
顔に当たらないように注意しながら、視線を投じますと、「ドクターイエロー」
架線や線路を調べる、新幹線のお医者さんです。
わたしも、「ドクター」と呼ばれていますが、「ドクターイエロー」みたいに、早く走れません。
走りながら、お仕事もできません。
似ている所と言えば、くちばしが黄色いというところ。
時速300kmくらいの速さで「しゃべる」こと。
カルテに書く文字も、時速300km。
聞き取れない、読み取れない、意味不明。
まわりのひとには、「ドクターブルー」かも、知れませんね。
2011年5月30日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.05.28
聴診器のむこうに ボクのコレクション
「ねえ、ねえ、ボクのコレクション、みて~」
診察室に入ってくるなり、男の子が話しかけます。
給食のこと、誤食のこと・・
大人どうしの、少し長めの話が終わり、お待ちどうさま。
ボクの出番です。
コレクションを、見せてくださいね。
「これ、なにのカード?」と、尋ねますと、「○・△・□」
いろいろと説明をお聞きしても、理解できません。
わたしの記憶に残るのは、1枚あたりの単価と、総枚数。
頭の中で、総支出額を計算します。
おとうさんの財布が、どれだけ薄くなったのかが、気がかりです。
大人になるということは、夢をひとつ、財布と置き換えることなのでしょうね。
2011年5月28日
いたやどクリニック小児科 木村
彰宏
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2011.05.27
聴診器のむこうに ししまいくん
あたたかくなると、Tシャツ姿の子どもさんを見るのが、楽しみです。
いろいろな図柄のTシャツ姿。
今日の図柄は、「ししまいくん」
「ねえ、写真とらせてねっ」と、お願いします。
男の子は、ハイ、いいお顔。
でも、緊張して、お口がとんがります。
おもしろ顔の「ししまいくん」と、男の子。
ふたりの「にらめっこ」に、大笑いです。
2011年5月27日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.05.19
聴診器のむこうに おとうさん持ったげる
3才前の女の子は、診察が終わると、ひとりで診察室を出ます。
おとうさんの、大きな黒いかばんを、肩にかついで出ます。
「まって、まって、写真を撮らせてね。」と、追いかけますと、
かばんを手に持ち替えて、ハイポーズ。
おとうさん想いの、お嬢さん。
帰ったら、うちの子どもに、この写真を見せようかなっ。
2011年5月19日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.05.12
聴診器のむこうに プーさんと一緒に
2才前の男の子は、茨城県からのお客さま。
食物アレルギーの相談で来られました。
おかあさんと、子どもさんは、兵庫県の実家に避難。
おとうさんは、単身居残りです。
見知らぬ土地での生活は、大変なこと。
でも、おかあさんの明るい表情に、男の子は安心しています。
診察の後、プーさんとご対面。
男の子よりも、大きな身体のプーさん。
おなかのハニーポットには、みなさんからいただいた300を超えるメッセージが、詰められています。
プーさんは、もうすぐ福島の診療所に、お婿入りします。
男の子が、はやくおうちに戻ることができ、プーさんと再会できるといいですね。
2011年5月12日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.05.03
聴診器のむこうに うれしいお客さま
「先生、お客さまです。」
診察の合間に、看護師さんが微笑みながら、こう伝えます。
誰かなと思いながら、診察室の入り口をみていますと、なつかしい顔が・・
小さい時から、アレルギーで通っていただいていた青年です。
今の仕事先は、佐渡。
年に一度の帰省に合わせて、訪ねてきてくださいました。
なつかしさと、うれしさで、涙目になります。
熱い握手を交わしながら、再会を喜びました。
下積みの仕事の先に、自分がほんとうにやりたい仕事が待っているはず。
あなたは、わたしの、自慢の患者さんです。
2011年5月3日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.04.25
聴診器のむこうに 箱入り息子
10か月の双子の赤ちゃんは、診察も、おばあさんに手伝ってもらいながら交代交代。
女の子は、待っている間は、箱入り娘です。
おとなしく、座って待っています。
診察が終わり、今度は男の子が待つ順番。
立ち上がって箱がら出ようと踏ん張ります。
箱入り息子という言葉が使われない理由が、よーく分かりました。
2011年4月25日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.04.24
聴診器のむこうに メタボ注意報
5才の女の子は、油ものが大嫌い。
気分が悪くなると言います。
おかあさんは「アレルギーですか?」と、心配されます。
アレルギーは、おそらく大丈夫でしょう。
そこで、「おかあさん、生活習慣病を、今から気にしているのかも知れませんね。」とコメントさせていただきました。
2011年4月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.04.21
聴診器のむこうに よいお年を
2年生の男の子は、診察が終わると、ごあいさつ。
おじぎしながら、「よいお年を」
思わず、「はい、よいお年を」と答えます。
「あいさつするたび、ともだちふえるね」
テレビのAC広告キャンペーンのように、ボクと先生は、今日からおともだちですよ。
2011年4月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.04.16
聴診器のむこうに 元気百倍
1才8か月の女の子は、アンパンマンのおおきなお人形と一緒に、診察希望。
「それって、なにかお話しするタイプなんですか?」と、お聞きします。
おかあさんのお答えは、「そう、げんき、ひゃくばい!って、言うんです。」
それで安心しました。
「ボク、どらえもん」って言ったら、びっくりしますものね。
2011年4月16日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.04.11
聴診器のむこうに ジョージくん
7才の女の子の診察をしていると、おかあさんのバッグから、何かがのぞいています。
気になるので診察が終わると、見せてもらいます。
登場したのは、おさるのぬいぐるみ。
「いつも、持ち歩いているんです。1才のときから、おでかけの時は、必ずです。」
「名前はなんていうの?」と、尋ねます。
「ジョージ」と、女の子が答えます。
「えっ、ジョージくん!」
「もん太」とか、「もん吉」のような、和風の名前を期待していたので驚きです。
国際化の波は、ここまできたのですね。
2011年4月11日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.04.09
聴診器のむこうに ワンワンひも
1才半の男の子は、ワンワンのぬいぐるみを背負って登場です。
「中に、なにか、入ってるのですか」と、お聞きします。
「いえ、これは、ひもなんです。すぐにどこかに行ってしまうので、ひもをつけているんです。」と、おかあさん。
腰を悪くされて、追いかけるのが大変そう。。
以前は、シンプルなひもをつけていたそうですが、それだと、嫌がって・・。
ワンワンひもにすると、気にいったとか。
それは、なかなかすぐれもの。
ナナやハッちゃんがみたら、「わたしと、いっしょ!」と、喜ぶでしょうね。
2011年4月10日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.03.28
聴診器のむこうに くるみちゃん
くるみちゃんが、外来に来られました。
4才になられ、すっかりお姉さんです。
「くるみちゃんって名前で、ブログを書いたんですよ。」と、お伝えします。
「そうですか。コミックは読みましたよ。全巻買いました。良かったです。深いというか・・」
お嬢さんが大きくなられたら、また一緒に読んであげてくださいね。
2011年3月28日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.03.27
聴診器のむこうに ねこアレルギー
12歳の男の子は、ねこアレルギー。
「ねこ年生まれの女性とは、お付き合いできないよね」と、助言します。
「大丈夫、ボク、とら年だから、ねこは、大丈夫。とらは、ネコ科でしょ」
分かるような、分からないような理屈です。
でも、その心意気が、アレルギーを乗り越える力です。
2011年3月27日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.03.26
聴診器のむこうに 庶民の味
2才半の子どもは、シーチキンが本日のお題。
タッパーに入れたシーチキンを取りわけます。
まずは、5g。
そして、15g。
おいしそうに食べ、症状も出ません。
「よかったね、食べられるものが、ひとつ増えて。家計に優しいし。」
と言いますと、おかあさんが「そうです」と、微笑まれます。
「庶民の味だもんね」と言いますと、男の子は「しょみん、しょみん」と、はしゃぎます。
ひとつでも食べても大丈夫なものが増えること、それも、なるべく手に入りやすいものを。
庶民の味は、みんなの味方です。
2011年3月26日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.03.07
聴診器のむこうに 癒しの時間
4年生の男の子は、診察が済むと「けん玉」を取り出します。
玉の方を手に持って、持ち手を、ほおり投げて、突き刺します。
ネットで調べると、「飛行機」という、スゴ技です。
成功打率は、3割くらい。
次にワッカと、鎖を取り出して、手品を披露。
診察が、時ならぬ癒しタイムになりました。
2011年3月7日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2011.03.03
散歩のたのしみ 寒さにめげず
起きると、外は、うっすら雪化粧。
ハッちゃんは、うれしくて、大はしゃぎ。
春は近いようで、まだ遠くにあるようです。
それでも、雪に隠れて、球根が芽を出し始めました。
寒いのも苦手ですが、花粉が飛ぶのも嫌ですしね。
どっちつかずの気持ちの、季節の移り目です。
2011年3月3日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏