カンガルーの小部屋

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  • 2010.05.25

    聴診器のむこうに 魚らしい魚

    7才の男の子が、負荷試験にイサキを持ってこられました。

    身だけをほぐしてありましたので、「どんな顔のさかな?」って聞きますと、おかあさんは「魚らしい魚」と言われます。

    インターネットで調べると、写真の魚です。

    「魚の絵を書いてごらんといわれたら、書くような魚でしょ」

    なるほど、子どもがよく書く「魚らしい魚」です。

    男の子は、イサキの4分の1匹分をペロリ。

    イサキさん、あなたの顔は、これからは忘れないですからね。

                           2010年5月25日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏  

  • 2010.05.24

    聴診器のむこうに バックダンサー

    9才の女の子は、ダンスを習っています。

    ヒップホップなど、いま流行のダンスです。

    「大きくなったら、バックダンサーになるの?」と言いますと、女の子は、なにのことか分かりません。

    「ほら、EXILEの後ろの方で踊っている人がいるでしょ。」とおかあさんが言います。

    「格好いい男の人を見つけて、結婚できるかもしれないねっ。」とわたしが続けますと、「それで、すぐに分かれて・・」と看護師さんがフォローします。

    子どもの夢をこわすお手伝いは慎みましょうね。看護師さん。

                           2010年5月24日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.24

    クリニックだより 「こどもの心」研修会②

    「こどもの心」研修会,2日目は次のテーマでした。

    ⑤親のメンタルヘルスと親支援(神村富美子先生)

    ⑥愛着の絆の大切さとそれを深める方法(ヘネシー・澄子先生)

    ⑦ゲーム・インターネットと子どもの世界(古野陽一先生)

    ⑧日本の子どもの自尊感情について(古荘純一先生)

    推薦図書を6冊買ってきました。

    高木先生と手分けして、読んでいきたいと思います。

                           2010年5月24日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏  

  • 2010.05.22

    聴診器のむこうに なんて書いてあるの?

    10才の女の子が、おしゃれなTシャツを着て登場。

    エジプトのヒエログラム模様のTシャツです。

    プリント柄ではなく、しっかりと刺繍がほどこしてあります。

    「おばあちゃんがエジプトに行った時のおみやげなんです。絵文字で、子どもの名前がかいてあるんです」とおかあさんが言われます。

    なんて書いてあるのか、みなさんお分かりでしょうか。

                           2010年5月22日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.14

    聴診器のむこうに ガチャキューピッド

    おそばの負荷試験をした後、女の子が着ているかわいいTシャツに気がつきました。

    キューピーさんが、なにやらかぶり物を着ている絵柄です。

    「なにかなっ」て思っていますと、「ガチャピンです」と言われます。

    なるほど、よく見ればガチャキューピッド。

    わたしも、かぶり物姿で診察をしてみたいと思うときがあるのですが、いくつかの問題があり実現できません。

    1つ目の問題は、聴診するためにはかぶり物で耳が隠れていると困ること。

    2つ目の問題は、子どもさんが怖がるかもしれないということ。

    昔、大学にいたころ、体格がよい研修医がサンタさんに変装して登場したところ、子どもさんのひとりがあまりにも怖くて泣き続け、ひきつけを起こしたことを思い出します。

    かぶり物と言えば、うさぎのかぶり物姿が十八番の編集長を忘れてはなりません。

    年に数回はうさぎ姿で仕事をするように交渉しますので、楽しみにお待ちくださいね。

                           2010年5月14日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.11

    かんがるうっ子 葉書のあて名

    子どもがハチ高原から出してくれた葉書のあて名をみました。

    4人の名前が書いてあります。

    まず、おかあさんの名前、次に、わたしの名前。

    そして、ナナ様、ハッチ様。

    一枚の葉書のあて名から、我が家の順位が見て取れました。

    それでも、ナナとハッチより順位が上で、ささやかな安心を得たわたしです。

                           2010年5月11日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.11

    聴診器のむこうに ボロット君

    4才前の男の子が来られました。

    診察が終わり、おかあさんと話をしていますと、退屈と不安とが半分半分なのか、おもちゃ箱からお人形を取り出して、次々と質問をします。

    「これなあに、これなあに」

    最後に取り出したのがぬいぐるみのロボット君。

    「それは、ボロットです」といいますと、「???」

    「古いから、ボロット君です」と注釈を加えても、「???」

    男の子の不安な気持ちを、また増幅させてしまったようです。

                           2010年5月11日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.08

    聴診器のむこうに こっちをむいて

    3才の女の子が来られました。

    診察が終わり、おかあさんとお話しをしていますと、机の上はお人形の国。

    あれっ、キャラクターものは、みんなこっちを向いています。

    女の子から見ると、おしりを向けての整列です。

    リアルな動物ものは、向かい合う位置に。

    これは深く謎めいた並べ方。

    ということは、キャラクターが女の子で、動物ものはわたしで・・

    込められたメッセージを読みとこうと、しばらく外来診察が中断しました。

                           2010年5月8日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.05

    聴診器のむこうに おばけのマイク

    診察室にある呼び出しマイクは不思議の国。

    幾人の子ども達が「どうするの。どうやって声を出すの?」と、尋ねます。

    時間に余裕があるときには、スウィッチを押しながら「○○ちゃん、どうぞ」と実演します。

    おまけ心で、「おばけさん、おばけさん・・」と呼び出すと、後ろに引かれます。

    多くの方を呼び出してきたマイクさん。

    わたしの声が、明るく届きますように。

                           2010年5月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.03

    聴診器のむこうに なんたってアイドル

    3兄弟が来られました。

    診察室は、言葉どおりのキンダーガーデンと化します。

    ベビーカーをのぞくと、一番おとうと君の水色ぐま。

    いま流行の「ケアベア」のよう。

    まあ、かわいい。

    お願いして、写真を一枚とらせていただきました。

    家族中のアイドル、それはあなたです。

    でも、2才まえなのに、お指は3つはなぜですか。

                           2010年5月3日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.05.01

    聴診器のむこうに 靴底ツルツル

    「先生、この頃靴がすぐだめになるんですよ。この靴も新学期におろしたばっかりなのに、もう靴底はツルツルになってしまって・・」

    8才の女の子は喘息で息が苦しくなるために、思い切り走ることができませんでした。

    ステロイドの吸入療法を始めてから、見違えるように元気になり、走り回ってはすぐに靴がダメになるそうです。

    さっそく問題の靴底を見せていただきました。

    なるほど、みごとなツルツルの靴底です。

    まだ1か月も経っていないうちに、新しい靴を買わなければならないお財布の大変さと、お金では買えない女の子の笑顔との間で、やっぱりおかあさんには「よかったですね」と苦笑まじりにお伝えしました。

                           2010年5月1日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.29

    聴診器のむこうに にわとり当番

    「先生、幼稚園でにわとり当番させてもいいですか。」と、おかあさんに質問されました。

    女の子には花粉症やいぬアレルギーがあるために、新しくにわとりにアレルギーを作るリスクがないわけでもありません。

    そこでもう少し状況を把握しようと、女の子に尋ねました。

    「にわとり当番は、にわとりさんにミルクをあげるの。それとも、おしっこをかえてあげるの。」

    まだ4才の女の子はきょとんとしています。

    それでも気持ちを取り直して、おもちゃで遊び始めました。

    「えさをあげるだけなら、大丈夫とおもうよ。」

    はじめからそう言えばよいのですが、つい分かりにくい質問をしてごめんなさい。

    でも、世の中には変なおじさんがいることも、知ってくださいね。

                           2010年4月29日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏  

  • 2010.04.29

    聴診器のむこうに おけいこ事仕分け人

    3年生の女の子が来られました。

    おとうさんは、毎日のおけいこ事が多すぎるのではないかと心配されています。

    「何を習っているの?」と尋ねますと、「英語に、プールに、お習字に、空手に、公文に」

    女の子自身が「やりたい、やりたい」と言って、増えてしまったそうです。

    そこでわたしが「おけいこ事仕分け人」をすることになりました。

    英語は、外人さんと結婚するときにいるし・・

    プールは、船が沈んだときにいるし・・

    お習字は、ラブレターを書くときに必要だし・・

    空手は、嫌いな男の子をやっつけるときにいるし・・

    結局仕分けは進みません。

    「プールは、おねえちゃんが教えてくれるって言ってたから」と、女の子の助け船。

    これで20%は減らせそうです。

    いろいろとやりたいことがあるのは、素敵なことです。

    それができるってことも、幸せなことかも知れません。

    身体に負担をかけないように気をつけながら、しばらく頑張ってみましょうか。

                           2010年4月29日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.24

    聴診器のむこうに ワニさんいるっ?

    おとうと君を先に診察をしていますと、「ワニ いるっ?」と、ワニが気になるおにいさんの声。

    今日はなんと答えようかと、少し動揺しながら、「名古屋にご飯食べに行ってる」とかわします。

    「またあ~」と、不満そうな、そして疑わしそうな声。

    「ワニ、何に乗って行ったん。電車?」と、確認を取ってきますので、「新幹線!。のぞみ!」と答えます。

    「ふーん。やっぱし、電車なんや」

    そう、のぞみ号にはワニさん専用の座席があります。

    身体が横に長くて通路をふさぐので、一番後ろの車両です。

    グリーン券が4枚も要ります。

    ワニさんもなかなか苦労人です。

    こうして、自分でまいた種の深みにはまります。

                           2010年4月24日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.22

    聴診器のむこうに おねえさんのハンカチ

    中学校に入られたばかりの男の子が来られました。

    男の子には、言葉がありません。そして、音楽が大好きです。

    待っている間は、テレビのおかあさんと一緒に合わせて、飛び跳ねてうれしそう。

    汗が光ると、おねえさんがハンカチでぬぐいます。

    大の苦手は、掃除機の音。こわくて近寄れません。

    学校のトイレで用をたしている時に、一度掃除機の音が鳴り、それからはおうち以外のトイレは使えなくなりました。

    「ラジカセをトイレに持って入ってみたら。」と怪しげな提案をしますと、おねえさんもいろいろと相談に乗ってくれます。

    「おねえさんは、将来なにになりたいの?」って尋ねますと、「助産師です」と言う答え。

    「しっかりと勉強をして、いい助産師さんになってくださいね。」

    あなたのようなやさしい助産師さんの誕生を、おかあさん方は待っていますから。

                           2010年4月22日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.20

    聴診器のむこうに 若き3才児の悩み

    3才になったばかりの男の子が来られました。

    「ぼく、なんさい?」と尋ねますと、指をしきりに動かします。

    その動きがとてもおかしく感じられましたので、「ごめん、写真に撮るから、もう一度なんさい、してくれない?」とお願いし、パチリとゲット。

    すぐ後に、3才3か月の男の子が来られました。

    「ぼく、なんさい?」と尋ねますと、「さんさい。」といいながら、どうにか指を3本立てようとします。

    これまた、パチリとゲット。

    おふたりとも、「家ではできるんですけどねえ」とは、おかあさんの弁。

    人生の悩みは、若くして3才児に始まることを発見しました。

                           2010年4月20日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.19

    聴診器のむこうに またまた科学者

    名門中学に合格した男の子が、またひとり来られました。

    「将来なにになりたいの。」とお聞きしますと、「科学者です。」という答え。

    先日の男の子も科学者という答えでしたので、クリニックでは科学者が大人気です。

    男の子は喘息で通院されています。

    「研究室にこもって、本を読むだけが科学者ではありません。海に潜ったり、山に登ったりすることで分かる研究もあるのですよ。そのためには身体をしっかりと作ることも忘れないでくださいね。」と、吸入を忘れないように助言しました。

    たまには小児科医らしいことも言うものでしょ。

    ところで、科学者っていうけれど、どこまでが科学者と言えるのかと疑問に思っています。

    「おとうさんは、科学者に入るのかなあ?」と言いますと、「ただの変質者」と子どもが答えました。

                           2010年4月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.19

    聴診器のむこうに 飲んでもいいですよカード

    春休みに、4月から2年生になる男の子が来られました。

    牛乳アレルギーがあるために、小さいときから牛乳を避けています。

    練習のおかげで少しずつ飲めるようになりましたが、1年生の時には牛乳パックはパス。

    「で、4月から2年生になってもいいって、校長先生は言われたかな。」と尋ねますと、「???」

    「ほら、通知票に『2年生になってもいいですカード』がはさんであったでしょ。」と続けますと、ますます不安げな顔。

    おかあさんはニコニコ顔で成り行きをみられていましたが、頃合いをみて「先生、加古川では今年からそのカードがなくなったんです。」と、助け船を出されます。

    「じゃ大丈夫だ。2年生になれるんだ。」

    そして2年生からは、おかずだけでなく、「パックの牛乳も飲んでいいですよカード」を差し上げることにしました。

    いまごろは、「飲んでもいいですよカード」を通行手形に、みんなといっしょに笑顔で牛乳を飲んでいるのでしょうね。

                           2010年4月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.18

    聴診器のむこうに 天草塩キャラメル

    「先生、天草に行ってきました。」と8才の女の子がひとりで診察室に入って来ました。

    おとうさんは後からの登場です。

    「あの、これっ」と、おみやげに渡してくれます。

    18×8×4.5cmの大きさのキャラメル箱です。

    先日飛行機に掃除機をつめこむのかどうかというブログを書かせていただいた子どもさんでしたので、天草の実家で喘息発作もなく、2週間無事すごせたと言うことをお聞きし、ありがたくキャラメルをいただきました。

    箱には天草四郎のいわれも書かれています。

    特別な味だったらどうしようと思いながら、成分表示を確認しつつ看護師さんとなめてみました。

    「これはいける。」とてもおいしいキャラメルでした。

    それにしても、天草塩キャラメルとは地味なネーミングですよね。

                           2010年4月18日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.04.18

    聴診器のむこうに おとうさんと、おかあさんと

    一年生の女の子に「おとうさんと、おかあさん、ケンカする?」と聞きました。

    「する、する」と答えますので、「どっちが強い?」と二次調査をします。

    答えはもちろん「おかあさん!」

    「いいこと、教えたげよか。このあいだの夜、妹がのどが乾いたと言うとね、おとうさんとおかあさんがどっちがお茶飲ませに行くか、じゃいけんで決めてン。おとうさんが勝ったんやけど、結局おとうさんが起きて飲ませにいってン。」

    おとうさんは、お医者さんをされています。

    ご家庭でも、身体を張っての子育て、ご苦労さまです。

    女の子の観察力の鋭さには、脱帽です。

    大きくなったときの、いい勉強ができましたね。

                           2010年4月18日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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