カンガルーの小部屋

 カテゴリー 一覧

  • 2010.04.17

    聴診器のむこうに おなかのポニョ

    8才の男の子が来られました。

    診察をしますと、おなかのお肉がポニョです。

    ポニョを触りながら「これ何かな」と尋ねますと、少しふくれ顔で「先生、あげるわ」と言います。

    「そんなん、いらんわ。先生のお肉をあげよか?」と言いますと、「ちょうだい、売るから」と答えます。

    先生もおなかのお肉は、お金をつけてでも買い手を探したいと思っていたところです。

    君のと一緒に、ネットオークションに出しませんか。

                           2010年4月17日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.14

    聴診器のむこうに 今度はヒグマ

    5年生が来られると、自然学校に話が拡がります。

    喘息をお持ちの子どもさんは、それなりに下準備が必要です。

    ①喘息発作が起こらないように、あらかじめ吸入ステロイド療法を続けておくこと、②お布団のダニ対策をすること、③キャンプファイアーや飯ごう炊さんの時に煙を吸い込まないこと、④それでも発作が起きたときのために、発作を治める薬を持参すること。

    これらの注意点をきりんノートに書き記します。

    5年生の男の子には、もう一つ特別な注意を書き足しました。

    ⑤ヒグマに襲われた時に逃げる練習をしておくこと。

    「えっ、ヒグマ!」と言いますので、「大丈夫、ヒグマは男の子しか食べないから」と安心を与えます。

    「どんな練習をするの」と、なかなかいい質問をしますので、「友だちを前に押しやること」と、秘技を伝授します。

    自然学校が近くなると、楽しい会話で盛り上がります。

                           2010年4月14日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.13

    聴診器のむこうに 足指で携帯

    車椅子に乗られている女性の方が来られました。

    全身の麻痺が強く、言葉や手足の動きも、ママなりません。

    関節や筋肉の痛みもつよく、つらい毎日です。

    それでも携帯を使っているとおかあさんが言われます。

    「大きめのキーボードか何かを工夫されて、使っておられるのですか?」とお尋ねしますと、「ストローに割り箸を入れて、足の指の間にはさんで、携帯を打つんです。」と言われます。

    「前はパソコンを使っていたのですが、パソコンのメールでは、相手の方が開いてくれなかったら届きませんので。それで、携帯にしているようです。」

    「誰にメールをするの?」とお尋ねしますと、「お友だちとか、ヘルパーさんとか、自分で連絡するんですよ。」と代弁されます。

    強い気持ちがあれば、足指を使ってでも人とつながろうと願う、人間存在の素晴らしさを、お教えいただきました。

                           2010年4月13日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.10

    聴診器のむこうに 医者につける薬

    有名大学の薬学部に合格した男の子が来られました。

    それも現役での合格です。

    将来は研究の道に進みたいと言いますので、ひとつお願いをすることにしました。

    「ねえ、お薬を作って欲しいんだけど。たちの悪い医者を治したり、口の悪い医者を治したりするお薬を・・」

    そんな夢のようなお薬ができそうなら、わたしが喜んで試してみることにしますので。

    友だちのお医者さんも、何人でも紹介できますよ。

                           2010年4月10日いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.10

    聴診器のむこうに おたふく顔

    16才の女の子が、「おたふく風邪のワクチン」を受けることになりました。

    「おたふく風邪って、なに?」と聞きますので、「ほっぺたが腫れた、おたふくのお面があるでしょ。それと同じ顔になる病気」と答えました。

    おかあさんが、「あなたは、かかってもかからなくても、おんなじ顔をしてるでしょ。」とつっこみを入れられます。

    会話の間に、素早くワクチンの注射をし終わります。

    女の子は「先生、さすがプロ。気をそらしてくれて、痛くなかったわ。」とほめてくれます。

    いいえ、今回の殊勲者は、わたしではありません。

    うしろから素早くフォローに入られたおかあさんだと言うことを忘れないでくださいね。

                           2010年4月10日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.08

    聴診器のむこうに 漫才ブームも今は昔

    6年生になったばかりの男の子が来られました。

    「学校のクラブは?」と尋ねますと、「まんざいクラブ」と言う答え。

    「で、なにをするの?」と尋ねますと、「コンビを組んで、ネタを探して・・」

    「それで、それっで」と促しますと、「人数が集まらなくって、つぶれた。」と言います。

    悪いと思いながらも大笑いをしてしまいました。

    「漫才ブームも今は昔」。栄枯盛衰は世の常という思いを強くしました。

                          2010年4月8日

                          いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.04.08

    聴診器のむこうに 南アフリカへ

    サッカーワールドカップが開催されるまで、あと2か月あまり。

    日本代表のユニフォームを来た子ども達が多くなりました。

    一人目は3年生の男の子です。

    カラスのロゴが入ったブルーのユニフォーム姿での診察です。

    おかあさんが「日の丸は付いてないでしょ。」と言われます。

    なるほど、代表ユニフォームとは微妙に違います。

    それでも記念写真をパチリ。

    二人目は5年生の男の子です。

    背番号16。「OKUBO」と書いてあります。

    「ネットで買ったんです。大久保選手の直筆のサインもあるでしょ。」と言われます。

    「高かったでしょうね。でも確かヴィッセルはまだ1勝しかしていなかったんですよね。」と余計なことを言いながら、また記念写真を撮らせていただきました。

    サッカー少年には、落ち着かない初夏が、もうすぐやってきます。

                           2010年4月8日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.04.05

    聴診器のむこうに 計算力のひみつ

    4月から2年生になる女の子に問題を出しました。

    「5たす8は、いくらかなっ?」と尋ねますと、すかさず「13」と答えます。

    あまりの早さに「えらいね、すごい計算力だね。」とほめますと、おかあさんが「この子はお金が好きなんです。」と言われます。

    うしろにいたおねえさんも「幼稚園のときには、毎日貯金箱のお金を数えていたんよ。」と言い添えます。

    ポケモンからカタカナを覚えるのも良し、お金から計算力を養うのも良し、学問の道に王道はありません。

    でも、貯めるだけではなく、お金の上手な使い方も勉強してくださいね。

                           2010年4月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.04

    聴診器のむこうに あおぞら くん

    1歳の男の子のカルテの名前を見ますと、青空くんと書かれています。

    素敵な名前でしたので、おかあさんに「どなたがつけられたのですか」とお聞きしました。

    おかあさんは「この子です。」と4才のおにいさんの頭をなでられます。

    青空がきれいかったので、おにいさんが「あおぞらにしよう。」と言ったそうです。

    おにいさんの気持ちを大切にされ、おとうと君に「あおぞら」という名前をつけられたご両親にも乾杯です。

                           2010年4月4日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏  

  • 2010.04.02

    聴診器のむこうに ワン・ニャン・チュー

    台風なみの大風が吹き荒れた夜は、眠れません。

    診察に来られた方に様子をお聞きしますと、みなさん家が揺れ動くほどの大風だったと言われます。

    7才の男の子に、「きのうの風で、イヌが飛んでいったのを見たよ。」と言いますと、きょとんとした表情。

    「うしろから、ネコも飛んでいったよ。」と続けますと、えっという表情。

    「そのあとから、ネズミも飛んでいったしね。」と言いますと、疑わしげな表情に変わります。

    「ワン・ニャン・チューって、うるさかったよ。」としめますと、横を向いてしまいました。

    もの事は何事も、切り上げ時が大切だということを教わりました。

                           2010年4月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.04.02

    聴診器のむこうに ぼくのランドセルは

    もうすぐ、一年生になる女の子がやってきました。

    ランドセルが気になりましたので、「ねえねえ、ランドセル何色のを買ったの」と尋ねますと、女の子は「あか~」と少しリズムをつけて答えてくれました。

    うしろから3~4才のおとうと君が、すかさず「ぼくは、くろ~」と言います。

    あまりのタイミングの良さに、おかしくて笑っていますと、おかあさんが「あなたは、まだ買わないでしょ。」と言われます。

    なぜ、おねえさんだけで、ぼくには買ってもらえないのか、おとうと君には得心がいかないようです。

    2才前のお孫さんをおもちの看護師さんが、「ラララ、ランドセルは・・・というランドセルのコマーシャルが好きなんですよ。」と唱われます。

    ランドセルは、学用品を運ぶだけではなく、子どもの夢を運ぶ魔法の箱のようです。

                         2010年4月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏  

  • 2010.04.01

    聴診器のむこうに おすわりできたよ

    7才の男の子が来られました。

    2月17日のブログで紹介しました、おとうと君に「お手」を教えたおにいさんです。

    「今度はおすわりを教えてね。」という、わたしのミッションを見事にクリア。

    おとうと君は、おすわりができるようになりました。

    おとうと君が大きくなったときに、ブログを見てどう思うのかと、少し心配になりました。

                           2010年4月1日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.30

    聴診器のむこうに お仕事おいそがしいですか

    5才の男の子の左腕を見ますと、キャラクター時計がふたつ時を刻んでいます。

    「時計を二つもして、お仕事おいそがしいですか。」と尋ねますと、「そんなのない。」と答えます。

    「お金はどうするの?」と尋ねますと、「落ちてるか、どっかにあるのをひらうもん。」と答えます。

    なるほど、そうして毎日のご飯代をかせいでいるのですね。

    うちの子どもは小さい時に、お金は銀行がくれるものと思っていたようです。

    今では「おこずかいは使わずに貯めておくもの。欲しいものは親やじいちゃん、ばあちゃんに買ってもらうもの」というたくましさを、身につけました。

                           2010年3月30日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.29

    聴診器のむこうに こんどはEXILE

    18才の女の子が、MRワクチンを受けに来られました。

    4月になると公費負担の制度からはずれ、自費負担になりますので滑り込みの接種です。

    打つ段になると逃げ回ります。

    「ちょっと待って、ちょっと待って」が十数回続き、椅子から落ちそうになります。

    あわてずに説得することにしました。

    「MRワクチンを打ってないと、将来アメリカやヨーロッパに行くときに、入国拒否されるかも知れないよ。素敵な男の子と海外旅行に行ったとき、それが原因で別れることになったらどうする。たとえば嵐のマツジュンとか。」と言いますと、ひとこと「きもい」

    「だったら、誰ならいいの」と尋ねますと、「EXILE」との答え。

    前回は「きむたく」に負けるし、今回は「EXILE」に完敗。

    嵐の時代も過ぎつつあるのを感じました。

                           2010年3月29日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.29

    聴診器のむこうに 岩手県の飛び地

    4月から高校に進まれる女の子が来られました。

    今朝は、3月下旬とは思えないくらいの冷え込み。

    北区では霜が降り、水たまりは氷ついています。

    小野から朝早くの診察予約に間に合わせるとなると、相当の早起きをされたのでしょう。

    「朝、寒かったでしょ。ところで、小野や三木は寒いので岩手県にあるのかな?」と尋ねますと、少し間をおいて、「兵庫県??」と、頚をかしげながら自信なさそうに答えます。

    そうです。正解です。小野市も三木市も立派に兵庫県の仲間です。

    わたしが住んでいる北区だけが、岩手県の飛び地です。

    社会科の試験には、注意して答えましょうね。

                           2010年3月29日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.28

    聴診器のむこうに 恐竜の絵

    ライオンの絵を書いてくれた7才の男の子が来られました。

    ブログを見て、「絵が出ていたよ」とうれしそうに話してくれます。

    きょうは、スケッチブックを持参。

    「写真を撮らせてね」とお願いしますと、快諾。

    「絵を売って欲しいと言う人がいたら、どうする?」と言いますと、「友だちにはあげるよ」とのこと。

    「好きこそものの上手なれ」

    世渡りの強力なアイテムを、若くして手に入れたようです。

                           2010年3月28日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.27

    聴診器のむこうに 4年後に 

    お昼休みに、おかあさんとおじょうさんが来られました。

    4月から大学の看護学部に進みますと報告をされます。

    看護師さんの世界では、4年生の看護大学が人気です。

    看護という専門性を深めよう言う若い人たちが増えることは、うれしいことです。

    でも、医学・看護学は人を知ることから始まります。

    幸い通われる大学には、医学部も歯学部も薬学部もあるとお聞きしました。

    「できる限り大勢の他分野の方とお知り合いになり、しっかりとした人間観を作られるようにしてください。」

    この言葉と、カンガルーのポケットの5月原稿を、はなむけとしてお贈りしました。

    お礼にといただいた煎茶のティーバックを、午後からの診察で使ってみました

    かぐわしい香りは、わたしのこころの底まで元気で満たしてくれます。

    4年後に、素敵な看護師さんになられた姿を、また見せていただければと思いました。

                           2010年3月27日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.27

    聴診器のむこうに プラズマクラスター

    プラズマクラスターイオン発生器も有名になりました。

    インフルエンザウィルスにも、花粉症にも効果があると証明されていますので、クリニックでは、5台の機械がフル稼働中です。

    今日も7歳の男の子が、「プラズマクラスター、2台もあるやん。お金持ち~」と言います。

    なんのなんの、クリニックには一年中赤字発生器が付いています。

    プラズマクラスター発生器は、組合員さんの出資金を貯めての購入です。

    キリンの部屋と中待合室とに置いてある、プラズマクラスターの機械を見かけられたら、可愛がってくださいね。

                           2010年3月27日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.03.26

    聴診器のむこうに めんくいな女の子

    4才の女の子が、診察の椅子に座ってクルクルと回ります。

    おとな同士で話をしているのが、退屈なのでしょう。

    クルクルすると目が回り、椅子から落ちて危ないことがあります。

    「お見合いの席で、クルクルまわると、嵐のようなかっこいい男の子に逃げられるよ。」と注意しますと、おかあさんは「うちの子はね、きむたくのほうがいいんです。」

    めんくいな女の子の前には、嵐も吹き飛んでいきます。

    子どもにアイドルの誰がいいのかと尋ねますと、「豆しばが好きやねん」と言います。

    それはアイドルじゃなくて、キャラクターものでしょ。

    でも、少し安心したカンガルーです。

                           2010年3月26日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.25

    聴診器のむこうに うさぎ係いいですか

    2年生の男の子が来られました。

    座るなり手帳を開き「目がパチパチします。目薬をください」と言います。

    「わかりました。ほかには何か・・」と言いますと、手帳を見ながら頭を整理中。

    おかあさんに「聞きたいことがあるんでしょ」と促され、「うさぎの飼育係してもいいですか」と質問します。

    カルテを繰り、アレルギーの有無を調べます。

    「大丈夫だと思うよ。もし症状が出てもたいしたことないと思うから」と伝えますと、うれしそうな顔。

    おかあさんが「飼育係は4年生からなんですよ。」と笑いながら言われます。

    なんで、1年以上先のことが最重要質問事項なのかなと不思議でした。

    「少年老い易く、うさぎ係なりがたし。」このことわざを思い出し、男の子の気持ちが少し分かったような気持ちがしました。

                           2010年3月25日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

66/69