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2010.05.30
聴診器のむこうに スーパーカー
あれれ、赤ちゃんが新型ベビーカーで登場です。
おかあさんが「ロックをはずして、折りたたんで、こうして背中にしょって、優れものでしょ。」と実演されます。
「どちら向きにも座らせられるんです。欠点は車輪のロックがないことかなっ」
愛車の名前は、「KATOJI」号。
量販店で、お手ごろ価格で売っているとか。
ベビーカーの世界でも、新車開発は日々進んでいるようですね。
2010年5月30日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.29
聴診器のむこうに 飛んでいかないように
3才前の女の子の頭には、お顔の3分の1くらいの大きなリボンがついています。
「妹にもらったんです。」と、おかあさん。
ああ、おばさんからですか。
とってもお似合いのリボンですよ。
でも羽のように羽ばたいて、どこかに飛んでいかないよう、手を離さないでくださいね。
2010年5月29日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.29
聴診器のむこうに コッホ先生
学校で使う油粘土にかぶれないか、男の子に試してみることにしました。
持ってこられた粘土で「好きな物を作っていいよ。あとで見せてね」と診察室から送り出します。
20分後にできあがった作品の鑑賞会。
左から、「三色団子」、「虫」、そして右側には「肺炎球菌」
待合室の肺炎球菌ワクチンのポスターに描かれていたイラストを、粘土化したそうです。
粘土遊びで、細菌を再現したのは、コッホ大先生以来ですよ。
手も荒れなかったし、次は「インフルエンザ桿菌」を作ってくださいね。
2010年5月29日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.28
聴診器のむこうに 下積み生活
中学一年生の男の子が、野球部に入ったと報告します。
「まだ、下積み生活やねっ」と尋ねますと、「下積み生活ってなに?」と聞き返します。
「ボール拾いや、後かたづけのこと」と言いますと、「それやったら、今してる。」
「しんどいでしょ」と重ねますと、「ううん、楽しいで」
下積みのしんどさと大切さを教えようとしたもくろみは、空振りに終わりました。
未来のゴジラやイチロー君。
「石の上にも3年」という教訓めいた言葉は、あなたには言う必要もなさそうですね。
2010年5月28日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.27
聴診器のむこうに ぞうさんが好き
1才8か月の男の子が来られました。
連休中に、動物園に行かれたそうです。
「動物は、分かるかな?」と言いますと、おかあさんが「ぞうが好きで、見ると絶叫します。ウンチを見つけると、『おっきい、ウンチ!』と叫びます。」言われます。
ぞうさんと大きなウンチと、それを指さして叫ぶ男の子。
感動の嵐がわたしにも伝わってきます。
よかったね、ぞうさん。
あなたの小さなファンが、またひとり増えたようです。
おっきなウンチも、心配しないでできますね。
2010年5月27日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.26
聴診器のむこうに シロクマ、くろくま
6才の女の子が、クマのぬいぐるみを連れてやって来ました。
ピンクのひらひらとした服を着せてもらい、おしゃれです。
名前は、ミーアちゃんと言います。
可愛がられているクマのぬいぐるみは、少しずつ「くろくま」になってしまうという法則があります。
「ひとつ聞いてもいい。この子はシロクマ、くろくま?」と聞きますと、「シロクマ」と答えてくれます。
ミーアちゃん。
お風呂に入ると、しわしわの「おばあさんグマ」になってしまいますので、やさしく拭いてもらうだけにしましょうね。
2010年5月26日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.25
聴診器のむこうに 魚らしい魚
7才の男の子が、負荷試験にイサキを持ってこられました。
身だけをほぐしてありましたので、「どんな顔のさかな?」って聞きますと、おかあさんは「魚らしい魚」と言われます。
インターネットで調べると、写真の魚です。
「魚の絵を書いてごらんといわれたら、書くような魚でしょ」
なるほど、子どもがよく書く「魚らしい魚」です。
男の子は、イサキの4分の1匹分をペロリ。
イサキさん、あなたの顔は、これからは忘れないですからね。
2010年5月25日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.24
聴診器のむこうに バックダンサー
9才の女の子は、ダンスを習っています。
ヒップホップなど、いま流行のダンスです。
「大きくなったら、バックダンサーになるの?」と言いますと、女の子は、なにのことか分かりません。
「ほら、EXILEの後ろの方で踊っている人がいるでしょ。」とおかあさんが言います。
「格好いい男の人を見つけて、結婚できるかもしれないねっ。」とわたしが続けますと、「それで、すぐに分かれて・・」と看護師さんがフォローします。
子どもの夢をこわすお手伝いは慎みましょうね。看護師さん。
2010年5月24日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.24
クリニックだより 「こどもの心」研修会②
「こどもの心」研修会,2日目は次のテーマでした。
⑤親のメンタルヘルスと親支援(神村富美子先生)
⑥愛着の絆の大切さとそれを深める方法(ヘネシー・澄子先生)
⑦ゲーム・インターネットと子どもの世界(古野陽一先生)
⑧日本の子どもの自尊感情について(古荘純一先生)
推薦図書を6冊買ってきました。
高木先生と手分けして、読んでいきたいと思います。
2010年5月24日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.22
聴診器のむこうに なんて書いてあるの?
10才の女の子が、おしゃれなTシャツを着て登場。
エジプトのヒエログラム模様のTシャツです。
プリント柄ではなく、しっかりと刺繍がほどこしてあります。
「おばあちゃんがエジプトに行った時のおみやげなんです。絵文字で、子どもの名前がかいてあるんです」とおかあさんが言われます。
なんて書いてあるのか、みなさんお分かりでしょうか。
2010年5月22日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.14
聴診器のむこうに ガチャキューピッド
おそばの負荷試験をした後、女の子が着ているかわいいTシャツに気がつきました。
キューピーさんが、なにやらかぶり物を着ている絵柄です。
「なにかなっ」て思っていますと、「ガチャピンです」と言われます。
なるほど、よく見ればガチャキューピッド。
わたしも、かぶり物姿で診察をしてみたいと思うときがあるのですが、いくつかの問題があり実現できません。
1つ目の問題は、聴診するためにはかぶり物で耳が隠れていると困ること。
2つ目の問題は、子どもさんが怖がるかもしれないということ。
昔、大学にいたころ、体格がよい研修医がサンタさんに変装して登場したところ、子どもさんのひとりがあまりにも怖くて泣き続け、ひきつけを起こしたことを思い出します。
かぶり物と言えば、うさぎのかぶり物姿が十八番の編集長を忘れてはなりません。
年に数回はうさぎ姿で仕事をするように交渉しますので、楽しみにお待ちくださいね。
2010年5月14日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.11
かんがるうっ子 葉書のあて名
子どもがハチ高原から出してくれた葉書のあて名をみました。
4人の名前が書いてあります。
まず、おかあさんの名前、次に、わたしの名前。
そして、ナナ様、ハッチ様。
一枚の葉書のあて名から、我が家の順位が見て取れました。
それでも、ナナとハッチより順位が上で、ささやかな安心を得たわたしです。
2010年5月11日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.11
聴診器のむこうに ボロット君
4才前の男の子が来られました。
診察が終わり、おかあさんと話をしていますと、退屈と不安とが半分半分なのか、おもちゃ箱からお人形を取り出して、次々と質問をします。
「これなあに、これなあに」
最後に取り出したのがぬいぐるみのロボット君。
「それは、ボロットです」といいますと、「???」
「古いから、ボロット君です」と注釈を加えても、「???」
男の子の不安な気持ちを、また増幅させてしまったようです。
2010年5月11日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.08
聴診器のむこうに こっちをむいて
3才の女の子が来られました。
診察が終わり、おかあさんとお話しをしていますと、机の上はお人形の国。
あれっ、キャラクターものは、みんなこっちを向いています。
女の子から見ると、おしりを向けての整列です。
リアルな動物ものは、向かい合う位置に。
これは深く謎めいた並べ方。
ということは、キャラクターが女の子で、動物ものはわたしで・・
込められたメッセージを読みとこうと、しばらく外来診察が中断しました。
2010年5月8日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏
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2010.05.05
聴診器のむこうに おばけのマイク
診察室にある呼び出しマイクは不思議の国。
幾人の子ども達が「どうするの。どうやって声を出すの?」と、尋ねます。
時間に余裕があるときには、スウィッチを押しながら「○○ちゃん、どうぞ」と実演します。
おまけ心で、「おばけさん、おばけさん・・」と呼び出すと、後ろに引かれます。
多くの方を呼び出してきたマイクさん。
わたしの声が、明るく届きますように。
2010年5月5日
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2010.05.03
聴診器のむこうに なんたってアイドル
3兄弟が来られました。
診察室は、言葉どおりのキンダーガーデンと化します。
ベビーカーをのぞくと、一番おとうと君の水色ぐま。
いま流行の「ケアベア」のよう。
まあ、かわいい。
お願いして、写真を一枚とらせていただきました。
家族中のアイドル、それはあなたです。
でも、2才まえなのに、お指は3つはなぜですか。
2010年5月3日
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2010.05.01
聴診器のむこうに 靴底ツルツル
「先生、この頃靴がすぐだめになるんですよ。この靴も新学期におろしたばっかりなのに、もう靴底はツルツルになってしまって・・」
8才の女の子は喘息で息が苦しくなるために、思い切り走ることができませんでした。
ステロイドの吸入療法を始めてから、見違えるように元気になり、走り回ってはすぐに靴がダメになるそうです。
さっそく問題の靴底を見せていただきました。
なるほど、みごとなツルツルの靴底です。
まだ1か月も経っていないうちに、新しい靴を買わなければならないお財布の大変さと、お金では買えない女の子の笑顔との間で、やっぱりおかあさんには「よかったですね」と苦笑まじりにお伝えしました。
2010年5月1日
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2010.04.29
聴診器のむこうに にわとり当番
「先生、幼稚園でにわとり当番させてもいいですか。」と、おかあさんに質問されました。
女の子には花粉症やいぬアレルギーがあるために、新しくにわとりにアレルギーを作るリスクがないわけでもありません。
そこでもう少し状況を把握しようと、女の子に尋ねました。
「にわとり当番は、にわとりさんにミルクをあげるの。それとも、おしっこをかえてあげるの。」
まだ4才の女の子はきょとんとしています。
それでも気持ちを取り直して、おもちゃで遊び始めました。
「えさをあげるだけなら、大丈夫とおもうよ。」
はじめからそう言えばよいのですが、つい分かりにくい質問をしてごめんなさい。
でも、世の中には変なおじさんがいることも、知ってくださいね。
2010年4月29日
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2010.04.29
聴診器のむこうに おけいこ事仕分け人
3年生の女の子が来られました。
おとうさんは、毎日のおけいこ事が多すぎるのではないかと心配されています。
「何を習っているの?」と尋ねますと、「英語に、プールに、お習字に、空手に、公文に」
女の子自身が「やりたい、やりたい」と言って、増えてしまったそうです。
そこでわたしが「おけいこ事仕分け人」をすることになりました。
英語は、外人さんと結婚するときにいるし・・
プールは、船が沈んだときにいるし・・
お習字は、ラブレターを書くときに必要だし・・
空手は、嫌いな男の子をやっつけるときにいるし・・
結局仕分けは進みません。
「プールは、おねえちゃんが教えてくれるって言ってたから」と、女の子の助け船。
これで20%は減らせそうです。
いろいろとやりたいことがあるのは、素敵なことです。
それができるってことも、幸せなことかも知れません。
身体に負担をかけないように気をつけながら、しばらく頑張ってみましょうか。
2010年4月29日
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2010.04.24
聴診器のむこうに ワニさんいるっ?
おとうと君を先に診察をしていますと、「ワニ いるっ?」と、ワニが気になるおにいさんの声。
今日はなんと答えようかと、少し動揺しながら、「名古屋にご飯食べに行ってる」とかわします。
「またあ~」と、不満そうな、そして疑わしそうな声。
「ワニ、何に乗って行ったん。電車?」と、確認を取ってきますので、「新幹線!。のぞみ!」と答えます。
「ふーん。やっぱし、電車なんや」
そう、のぞみ号にはワニさん専用の座席があります。
身体が横に長くて通路をふさぐので、一番後ろの車両です。
グリーン券が4枚も要ります。
ワニさんもなかなか苦労人です。
こうして、自分でまいた種の深みにはまります。
2010年4月24日