カンガルーの小部屋

2010.04.22

かんがるう目線 ある免疫学者の死

新聞の訃報欄で、多田富雄先生が4月21日に亡くなられたことを知りました。

多田先生は、免疫学者、エッセイストとして知られています。

15年ほど前、神戸で講演をお聞きしたときに、「世の中には、なんというすごい先生がおられるのだろう。」と、身体がふるえるような感動を覚えました。

さっそく先生の著書「免疫の意味論」(青土社 1993年発行)を買い求め、何回も読み直しました。

それまでも、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の診療を行っていましたが、今から見れば我流での模索の日々を過ごしていたように思います。

多田先生には、その道のトップの理論を傾聴することで自分の考えを見つめ直すという、学問の原点を教えていただきました。

こころからご冥福をお祈りいたします。

                       2010年4月22日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏