カンガルーの小部屋

2014.02.28

カンガルーの本棚 あたたかい

高田郁さんの「みをつくし料理帖 美雪晴れ」(ハルキ文庫)を、読みました。

シリーズ9作目の最新作です。

前作から半年以上あけた発刊ですが、数ページ読むうちに、澪の世界に引き戻されます。

主人公の料理人「澪」は、進むべき2つの道に迷います。

利を薄くして、少しでも多くのひとに買ってもらう商い。

利を厚くして、それが買えるひとにだけ買ってもらう商い。

食は命を繋ぐ最も大切なもの、食べるひとを健やかにする料理こそ作り続けたい。

料理人の生き方を借りて、人の生きる道を問い続ける作品です。

次号が終章とのこと

待ち遠しいような、寂しいような気がします。

2014年2月28日

いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

51YXhir5WZL._SL500_AA300_[1]