カンガルーの小部屋

2010.05.05

カンガルーの本棚 ちいさな言葉

俵万智さんの「ちいさな言葉」を読みました。

作者が「たくみん」君とかわす、楽しい言葉の世界です。

この本を読みながら、9時を過ぎる帰宅電車に乗りました。

途中駅で座席があくと、荷物を持ったおかあさんが、女の子を座らせます。

お膝に抱っこしてもらい、女の子は歌いだします。

「ぐーちーはーて、ぐーちーはーて、なんつーろー、なんつーろー」と歌いながら、両手をパッと開きます。

言葉というものを覚え始めたばかりの、ある瞬間だけに許される天使のうたごえに聞こえます。

子どもの愛らしさと、それを受けとめるおとなの感性の素晴らしさに出会える良書です。

                       2010年5月5日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏