カンガルーの小部屋

2010.05.10

カンガルーの本棚 アリス・アリス

稲木昭子さんと沖田知子さんの共著「謎解き『アリス物語』」を読みました。

映画「アリス・イン・ワンダーランド」の不思議さに少しでも迫ろうと、映画を観たその日に買い求めました。

英語原文と、日本語訳を対比させながら、作者ルイス・キャロルが原作に仕掛けた謎に迫ります。

児童文学と言えば、何かしら教訓めいたものが込められているのが通例ですが、「アリス」には教訓めいたものは読みとれません。

数学者のキャロルは、英語表現を少しずらすことで、おもしろさとからくりを仕掛けます。

「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」のガイドブックと、キャッチコピーには書かれていますが、わたしには最後まで道に迷う「不思議の国のアリス」でした。

                       2010年5月10日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏