カンガルーの小部屋

2011.12.08

カンガルーの本棚 ジブリの鈴木さん

鈴木敏夫さんの「ジブリの哲学:変わるものと変わらないもの」(岩波書店)を、読みました。

鈴木さんは、スタジオジブリの代表取締役を兼ねられる「名プロデューサー」。

宮崎駿監督や、高畑勲監督と共に、「となりのトトロ」や「火垂るの墓」などの、数々の名作を世に送りだされました。

この本は、鈴木さんが発表されてきた、数々のエッセイや論文を編集したもの。

TVのトーク番組や、新聞の書評を通じて知りました。

その中で鈴木さんは、思春期とは、「価値が定まらない時期」と定義されています。

「以前のように思春期を脱して大人になっていくのではなく、思春期を内包したまま年を重ねていく。」

そして、「還暦を迎え、本当なら年齢相応のジジイになっていないといけないはずが、いつまでたっても、若い気分が抜けない。そして、その心地よさと居心地の悪さが、僕には同居している。そういう自分のことが少し理解できたような気がした。」と、書かれています。

ジブリおたくの方には、垂涎の一冊です。

2011年12月8日

いたやどクリニック小児科 木村 彰宏