2022.10.01
カンガルーの本棚 今すこし抜け出せた
伊吹有喜さんの「今はちょっと、ついてないだけ」(光文社文庫)を読みました。
学生時代にマスコミの寵児となった主人公
バルブがはじけ、多額の負債を背負わされ、すべてを失い
冒険家と、写真家という夢も捨て、ひっそりと暮らす
そんな彼を、母は「今はちょっと、ついてないだけ。
そのうちいい運がやってくるよ」と、励まします。
フィルムのカメラから、デジタルのカメラへと時代は移り、
戸惑いながら、本当にやりたかったことに向かって歩き始めます。
敗者復活戦は、これから
あわてないで少しずつ、
読みながら主人公に声援を送りたくなります。
2022年10月1日
いたやどクリニック 木村彰宏