2014.02.24
カンガルーの本棚 受験は必要か?
林修先生の「受験必要論」(集英社)を、読みました。
林修先生と言えば、「今でしょ!」のフレーズで一世を風靡した
東進ハイスクールの現代文講師です。
この本は、インタビューに答える形で話されたものを、まとめた一冊。
ソチオリンピックでの日本人選手の活躍に、一喜一憂するこの頃、
林修先生は、スポーツの世界だけではなく、学問の世界での努力も評価するべきだと説きます。
10台後半に、スポーツであれ、芸術であれ、学問であれ、
自分の限界まで精いっぱい努力する事が、その後の人生の礎になると言われます。
そして、
「競争が、勝ち負けがあることを認めたうえで、勝者が敗者に対して手を差し伸べることが大切なんだ、と教えるべきだと思います。
負けたからすべてを否定されるというのも、買ったから何をやってもいいというのも間違いだということも教えるべきだと思います。」と、述べられます。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉があります。
若い時の努力には、おおいに同意です。
しかし、勝者敗者論には違和感を覚えます。
「勝者には全ての自由を、そして敗者には生きる権利の剥奪を」という
新自由主義の嵐の中で、
教育による倫理観の育成には限界を感じるのは、私だけでしょうか。
2014年2月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏