2010.03.17
カンガルーの本棚 文章を書くこころ
外山滋比古先生の「文章を書くこころ」(PHP文庫)を読みました。
外山先生は、1923年生まれ。言語学者、評論家、エッセイストとして知られています。
駄文悪筆のわたしが言うのも変なことなのですが、いつも書くことには悩まされます。
医学論文や学会発表の文章、教科書や解説書の文章、経営会議の文章、カンガルーのポケットなどのエッセイ文、そしてこのブログ記事。
どれもがわたしで、どれもが違うわたし。
外山先生は、この本で文章を料理にたとえられます。
「料理はまず、食べてもらえなければならない。何を言いたいのか明確でなければならない。
料理は、栄養があり、はらもふくれないといけない。しっかりとした中身がなくてはならない。
料理でいちばん大切なのは、おいしいと言うことである。読者におもしろかったと後を引く気持ちを与えなければならない。
おもしろく読んでもらおうというサービス精神が必要である。
しかし、ことばの表現は心であって技巧ではない。
文章を書くには、心を練る必要がある。」
外山先生の文章には、通読するだけでは分かり得ない深い内容が込められています。
不器用なわたしには、おいしいお料理だけでなく、おいしい文章を書くことも、まだまだ時間がかかりそうです。
2010年3月17日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏