カンガルーの小部屋

2010.02.08

聴診器のむこうに ぼくデートしたよ

「ぼく デートしたよっ。」診察室に入るなり、年長さんの男の子が叫ぶように教えてくれました。「パティオで、それでお椅子をさがして・・」と続けます。

おかあさんが「並んで座ろうと思ってベンチを探したんですけど、開いてるとこがなくて」とフォローしてくださいました。手をつないで歩いて、「それでどんなお話しをしたの?」と聞きますと、「わすれた・・」

あまりのうれしさに、何をお話ししたのかは、すっかりと忘れてしまったようです。

その後、入学前のアレルギー検査をしましたが、泣かずに頑張り、看護師さんにほめられました。

生まれた時から、おとなになるまでの子どもの成長とおつき合いできる幸せは、小児科医に許された特権なのかもしれません。

この仕事が、またひとつ好きになりました。

                       2010年2月8日

                       いたやどクリニック小児科 木村彰宏