カンガルーの小部屋

2011.05.30

聴診器のむこうに 黄色い医者

「せんせい、これ、みて」

診察室に入ってくるなり、男の子が黄色いものを、突き出します。

顔に当たらないように注意しながら、視線を投じますと、「ドクターイエロー」

架線や線路を調べる、新幹線のお医者さんです。

わたしも、「ドクター」と呼ばれていますが、「ドクターイエロー」みたいに、早く走れません。

走りながら、お仕事もできません。

似ている所と言えば、くちばしが黄色いというところ。

時速300kmくらいの速さで「しゃべる」こと。

カルテに書く文字も、時速300km。

聞き取れない、読み取れない、意味不明。

まわりのひとには、「ドクターブルー」かも、知れませんね。

                      2011年5月30日

                      いたやどクリニック小児科 木村 彰宏