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2025.03.01
カンガルーの本棚 夜空を見上げて
伊予原新さんの「オオルリ流星群」(角川文庫)を読みました。
舞台は、周囲を山に囲まれた神奈川県秦野市
そこに、東京の天文台をやめた女性 彗子が帰ってきます。
町で彼女を見かけた高校の同級生が、声をかけはじめ
物語は動き出します。
受験をひかえた高校3年生の時、最後の文化祭で彼らが挑戦したのは
空き缶をつなぎ合わせて作った、オオルリのタペストリー
45才になった彗子は、この街に私設天文台を作りたいと願い
高校3年をともに過ごした彼らもまた、
天文台づくりにこれからの人生の過ごし方を重ね合わせていきます。
「人間はだれしも、一つの星を見つめながら歩いている。
ある者にとってはそれは叶えたい夢かもしれないし、
またある者にとっては到達すべき目標かもしれない」
直木賞を受賞した伊予原さんの、心を揺さぶる作品です。
2025年3月1日
いたやどクリニック小児科 木村彰宏