2022.09.25
カンガルーの本棚 鈴の音が聞こえる
西條奈加さんの「無暁の鈴」(光文社文庫)を読みました。
幼くして寺に預けられ、愛する友の死をまじかに見つめ
無暁と名を変えて生きる主人公
世の哀しみ、人の苦しみをわが身で代ることができればと
修行に修行を重ねる無暁
ちりん、ちりんと響く鈴の音に
人の世の生きづらさが重なります。
読み終えた後も、作者の重い問いかけが、心に響きます。
2022年9月25日
いたやどクリニック 木村彰宏