カンガルーの小部屋

2025.09.15

カンガルーの本棚 深まる謎

カズオ・イシグロさんの「遠い山並みの光」(ハヤカワepi文庫)を読みました。

同名映画に感動し、その足で購入した原作本

主人公悦子の目線で、青春期を過ごしたナガサキと

イギリスにわたってからの生活が回想されていきます。

映画では悦子と、その友人の佐知子とのつながりが

最後のシーンで描かれていましたが、

小説では、それとなく描かれているだけ。

翻訳本とは思えないほどの、流れるような言葉に

悲惨な戦争は、人のこころに何を残し、何を変えてしまうのかと悲しくなりました。

カズオ・イシグロさんの小説を、もう少し読んでみようと思います。

2025年9月15日

いたやどクリニック 木村彰宏