2010.02.20
かんがるう目線 もう一つのメダル
「先生、男子フィギアがはじまってますよ。」午前の外来を終えたその時に、看護師さんが声をかけてくれます。
お昼休み時ということもあり、待合室のテレビ前は、患者さんと職員とで満員。
いよいよ高橋大輔選手の登場。4回転ジャンプを跳ぶのかどうかに注目が集まります。
前日の番組で、松岡修造さんが、「4回転ジャンプを跳ぶかどうかは、こころの声に聞け」と解説されていたことを思い出します。
序盤の4回転ジャンプはうまくいきません。思わず両手で顔を覆ってしまいました。しかし、その後の演技は、手の動き、足の運び、顔の表情、そのひとつ一つに楽しさと美しさが満ちあふれていました。
他の誰のためでもなく、自分のために、この瞬間を楽しんでいるかのようです。
見ているわたしのこころも、幸せな気持ちが伝わります。
もう一つのメダル。大きな怪我の中から再起を誓い、強く高く保ち続けた「こころの声」。
人間が持つ力の奥深さの中に、もう一つのメダルがかくされているのを感じました。
2010年2月20日