カンガルーの小部屋

 カテゴリー 一覧

  • 2011.05.14

    カンガルギー情報 203回食物アレルギー研究会

    2011年5月12日、203回目の兵庫食物アレルギー研究会を開きました。

    今回のテーマは、「ワクチンの歴史と、今後の課題」

    ファイザー株式会社の本社から、村田直樹先生にお越しいただきました。

    自称「ワクチンおたく」と言われるだけあって、何をお聞きしても、即座にお答えいただきました。

    ワクチンとは、エビデンスに基づいた医療ツール、医療経済学からも理にかなうものと説明されます。

    今の日本に求められるのは、子どもの健康をどのように守っていくのかと言う「国家戦略」○常設の予防接種諮問委員会が必要

    ○そのもとで、疾患の流行と、ワクチン効果のモニタリングが必要

    ○無過失補償制度の導入

    ○予防接種は、全て国策として無料で

    と、主張されます。

    講義をお聞きする時間が、とても短く感じられました。

                          2011年5月14日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2011.04.26

    カンガルギー情報 3冊目の出版物

    出版社より、アレルギーの本が届きました。

    兵庫食物アレルギー研究会で分担執筆した、3冊目の本です。 

    書名は、「保護者と学校の先生に伝えたい、食物アレルギーの基礎知識」

    「序文」のところでも書きましたが、「お母さんと学校の先生方との『食物アレルギーの理解のかけ橋』なることを、強く願い企画しました。

    出版社は、「診断と治療社」。

    価格は税別2200円です。

    板宿駅前の「井戸書店」でも、置かせていただく交渉をしています。

    置かせていただければ、ブログなどでお知らせしたいと思います。

    大勢のおかあさんにお読みいただけることを、楽しみにしています。

                          2011年4月26日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2011.04.23

    カンガルギー情報 4月のおかあさんの会

    4月21日、「おかあさんの会」を開きました。

    今回は、9名のおかあさん方が参加されました。

    新年度が始まり、学校給食もスタートしました。

    何か月も前から心配をされ、準備をされてこられたおかあさんも、座っておられます。

    ①    学校の先生にお願いすること

    ②    自然学校に向けての準備

    ③    友達にアレルギーのことを伝える時に

    などなど、活発な話し合いが続きました。

    次回は、5月19日(木)に開きます。

    おかあさん方のご参加を、お待ちしています。

                          2011年4月23日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2011.04.16

    カンガルギー情報 喘息吸入薬

    4月14日、202回目の兵庫食物アレルギー研究会に出かけました。

    今回のテーマは、「小児喘息患者さんへのオルベスコの有用性」

    小児喘息の患者さんに使っていただける吸入ステロイド薬には、従来からキュバール、パルミコート、シムビコート、フルタイド、アドエアなどがあります。

    今回、オルベスコが小児喘息の患者さんにも使えることになり、それを受けての勉強会です。

    喘息治療の本筋は、当面の呼吸器症状を取るだけではなく、気道の炎症をおさえ、呼吸機能を正常に発育させることにあります。

    小児の間から、きっちりと治療を続けていると、大人になったから、薬がいらなくなることも夢ではありません。

    問題は、患者さんに、気長に治療を続ける気持ちになっていただくこと。

    もちろん、副作用が起きてはなりません。

    使用できる吸入ステロイド薬の種類が増えることは、うれしいことです。

    反面、どの患者さんに、どのお薬を使うのがベストなのか、悩みも増えます。

    勉強会を通して、また、研究会の会員の先生との討論を通して、腕を磨いていきたいと思います。

                          2011年4月16日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏 

  • 2011.04.07

    カンガルギー情報 4月のおかあさんの会

    4月7日、いたやどクリニック「おかあさんの会」を開きました。

    今日は、8名のおかあさんが出席されました。

    ①    想定外の出来事と、危機管理:まずは、食物アナフィラキシーが起きた時の対応から

    ②    好き嫌いと食物アレルギー:見分けることの難しさについて、おかあさん方が食べられないものを例にあげながら、お話しました。

    ③    自己管理と助けてもらうこと:二つともが大切です

    ④    食物アレルギーの自己開示:助けてもらいたい人に、助けてもらいたい内容を

    ⑤    病気と個性との関係:食物アレルギーは子どもが持つひとつの側面ですが、しっかりとした対応が求められる病気でもあります。

    などなど、かなり哲学的な分野まで入り込んだ論議をしました。

    次回は、2011年4月21日です。

    大勢のおかあさん方がお越しになられることを、お待ちしています。

                          2011年4月7日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2011.03.19

    カンガルギー情報 アレルギー支援の記事

    3月18日(金)読売新聞朝刊に、食物アレルギー対策支援の記事が掲載されました。

    電話取材をうけ、いくつかの要点をお答えしました。

    ①    今回の震災の特徴は

    ○神戸の震災が100kmであったことに比べて、500kmと広範囲であること。

    ○鉄道や道路も破損し、容易に被災地に近づけないこと 

    ②    いま必要な支援は、

    ○食物アレルギー対応の食品を、必要とする子どもの所に届けること。

    それには、専門医や食物アレルギー患者団体と連絡をとりあい、そこに集中して援助物質をとどけること。

    ○子どもがひとりでいる時には、食物アレルギーがないかどうか、確認してから食べ物を配布すること。

    ○できれば、現地からの支援要請を受け付ける、食物アレルギー対策本部を設置すること

    ○被災地から疎開する子どもを受け入れる支援を準備すること

    ③    これから起こるかもしれない災害にそなえて

    ○備蓄は必要だが、持ち出せないことがあることも知っておく。

    ○遠隔地に疎開できる知り合いを作っておく

    ○日常は、出来る限り大勢の近隣のかたに、子どもの食物アレルギーを知っておいていただくこと

    ○病院との連絡が切れることを考えて、検査結果やお薬手帳はまとめて持ち運べるようにしておくこと

    記事は簡潔ですが、わたしの思いをうまくまとめていただきました。

    これからも、みなさまがたの温かい支援を、よろしくお願いいたします。

                          2011年3月19日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2011.03.18

    カンガルギー情報 おかあさんの会3月17日

    2011年3月17日 3月2回目の「おかあさんの会」を開きました。

    今回は、10名のおかあさんが参加されました。

    この春から、小学校、幼稚園、保育所に入られる子どもさんのおかあさん方。

    みなさん、不安といま準備することを整理されようと、真剣です。

    ①    東日本大震災の支援状況

    ②    新入学を迎えて、校長先生との最後のやりとり。

    ③    保育所での給食の摂り方

    ④    何か症状が出た時の、その後の再度の殖やし方

    ⑤    家で食べている量と、集団で食べても大丈夫な量

    ⑥    基本的な食生活とは

    1時過ぎまで、話し合いが続きました。

    「きりんの部屋」もお、手狭になり、ご迷惑をおかけします。

    次回は4月7日(木)朝9時半からはじめます。

    おかあさん方の参加を、お待ちしております。

                          2011年3月18日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2011.03.11

    カンガルギー情報 201回目の勉強会

    3月10日、201回目の兵庫食物アレルギー研究会が開かれました。

    テーマは、「アレルゲン・コンポーネント」

    一つのアレルゲン(抗原)は、さまざまなサブアレルゲンから成り立っています。

    このサブアレルゲン(アレルゲン・コンポーネント)には、症状と関係するもの、重篤な症状をきたすもの、他の抗原と関係するもの(共通抗原)などが、含まれています。

    サブアレルゲンを解明することで、診断や、負荷試験の実施、アレルゲンの広がりなどの色々な情報を得ることができます。

    実際の症状と負荷試験、血液検査を結ぶものとして、アレルゲン・コンポーネントについての、更なる研究が進むことを期待して、201回目の会を終えました。

                          2011年3月11日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏  

  • 2011.03.05

    カンガルギー情報 おかあさんの会3月3日

    3月3日、寒い朝になりましたが、10名のおかあさんにお集まりいただきました。

    一年生の子どもさんのおかあさん、3名。

    ことし、一年生になられる子どもさんのおかあさん、5名。

    話は学校でのアナフィラキシーのこと、給食のこと。

    新入学の準備も、おおづめです。

    次回は、3月17日、木曜日です。

    おかあさん方のお集まりを、お待ちしております。

                          2011年3月5日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2011.02.21

    カンガルギー情報 予防接種勉強会

    2月20日、予防接種の勉強会に、東京へ出かけました。

    ワクチンで予防できる病気(VPD)に対して、予防接種で積極的に対抗していこうというのが、世界の流れ。

    そのワクチン接種の普及が、世界水準からみて極めて遅れているのが日本です。

    ワクチン認可の問題、公費負担制度の問題などなど、さまざまな要因が、低いワクチン接種率につながっています。

    昨年12月より、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮けいがん予防ワクチンの3つのワクチンが、公費負担になったことはご存じでしょう。

    しかし、この制度は平成23年度単年の臨時措置とのこと。24年度以降は、何も決まっていないそうです。

    公費負担の問題がクリアされても、残っているのがお母さんと医療機関の負担の問題。

    仕事を持たれているお母さんには、病院に行くことは時間的に厳しいものがあります。

    医療機関側からみると、今まで以上に患者さんが増えるわけですから、予防接種の時間をどう作るのかが、頭が痛いところです。

    それでも、お金のあるなし、子育てに費やせる時間のあるなしにかかわらず、全ての子どもを病気から守るシステムを、早急に作っていかなければならないと思いました。

                          2011年2月21日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏 

  • 2011.02.16

    カンガルギー情報 雪の学校訪問

    2月15日、三田の小学校に、食物アレルギーの説明に出かけました。

    校庭は、一面の雪。

    いくつもの雪だるまが、並んでいます。

    新入学を前に、食物アナフィラキシーをおこす子どもさんの三者懇談会です。

    校長先生、教頭先生、養護の先生、給食担当の先生、コーディネーターの先生、

    子どもさんのご両親と、それに私。

    9時半から12時過ぎまで、話し合いは続きました。

    夕刻からは、垂水の小学校の教頭先生と、養護の先生にクリニックまでお越しいただき、

    懇談会。

    いい話合いになりました。

    入学準備の説明会は、真っ盛りです。

                          2011年2月16日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏 

  • 2011.02.04

    カンガルギー情報 花粉飛び始めましたね

    日前の寒さも、ウソのよう。

    今日は、上着を脱ぎたくなるほどの暖かさ。

    花粉が飛び始めたのか、くしゃみが、連続します。

    薬屋さんからもらった宣伝グッズを、編集長につけてもらい、記念写真。

    マスクに、ゴーグルが、必需品となりそうです。

                          2011年2月4日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏。

  • 2011.02.04

    カンガルギー情報 今年はじめての「おかあさんの会」

    2月3日、お休みさせていただいていました「おかあさんの会」を再開しました。

    7名のおかあさんが参加されました。

    話題は、ダニ対策(掃除の仕方や布団の選び方)

    エピペンを使うタイミング

    入学・入園に備えて

    スキー合宿の準備 

    などなど、多岐にわたりました。

    次回は、2月17日朝の9時半から始めます。

    お集まりください。

                          2011年2月4日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2011.01.17

    カンガルギー情報 1月の食物アレルギー研究会

    1月13日、定例の食物アレルギー研究会を開きました。

    199回目のテーマは、「小児喘息と吸入指導」

    講師は、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター小児科の亀田誠先生です。

    気管支喘息は、ステロイド吸入療法が標準的な治療法になりましたが、継続して治療することが難しいと言われています。

    治療の主体者である子どもと気持ちを共有し、分かりやすく指導する重要性を教えていただきました。

                          2011年1月17日

                          いたやどクリニック小児科 木村彰宏     

  • 2010.12.05

    カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑨

    学会最後は、会長講演です。

    広い会場は満席。

    立ち見されている先生方も、大勢おられます。

    第47回日本小児アレルギー学会の会長は、神奈川県立こども医療センターアレルギー科の栗原和幸先生です。

    ご自分のお子さんのアレルギー治療から、免疫療法へ、そして、経口食物耐性誘導法へと、話は進みます。

    長く臨床畑を歩いてこられた、栗原先生の熱いお気持ちが伝わり、素晴らしい講演でした。

    わたしも、いろいろなところで講演をさせていただく機会に恵まれます。

    いい講演だったと言われるお話しができるよう、気持ちを引き締めていこうと思いました。

                  2010年12月5日

                  いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.12.05

    カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑧

    二日目午後は、「学童期の喘息治療」のセミナーに参加しました。

    重症度に基づく治療と、コントロールレベルに基づく治療の違いが、よく理解できました。

    改善の目安を何に置くのか。

    そして、治療をどのように調節していくのか。

    ひとり一人の喘息の子どもさんを、ていねいに治療していこうという気持ちが、じんわりと沸き上がってくるのを感じました。

    これだから、学会参加は止められませんね。

                  2010年12月5日

                  いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.12.05

    カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑦

    いよいよ、わたしが発表する番です。

    演題は「齲歯予防ペースト剤による、アナフィラキシーの一例」

    CPP(カゼイン加水分解物)が入った歯科薬品で、呼吸困難を起こした男の子を報告しました。

    歯科医師、歯科衛生士の先生方97名に、牛乳アレルギーについてのアンケートを実施し、その結果も報告しました。

    会場からは、同じような経験をされた先生方の報告が相次ぎ、歯科の先生方にご協力いただいたアンケートを、高く評価していただきました。

    少し演説をしすぎたかなと思いながら、演壇を降りました。

                  2010年12月5日

                  いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.12.05

    カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑥

    シンポジウムを中座し、急ぎ足で「アナフィラキシー」の会場へ。

    7才の男の子の、繰り返すアナフィラキシーの原因を調べようと、苦心をされます。

    どうも、前の夜に納豆を食べていることが、共通項として浮かび上がってきました。

    そこで、納豆の負荷試験を試みられます。

    でも、反応はみられません。

    納豆を用いての皮膚テストも陰性です。

    男の子は、離島出身。

    同じ納豆でも、離島には、賞味期限ぎりぎりに届くことに気がつかれました。

    今度は、少し古くなった納豆を使っての負荷試験。

    見事に、即時型食物アレルギー症状が再現されました。

    男の子のアナフィラキシーの原因を調べようとされる先生方の執念。

    そして、遠方から通院され続けたご家族のお気持ちに、頭がさがる思いがしました。

                  2010年12月5日

                  いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.12.05

    カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会⑤

    小児アレルギー学会二日目は、「アレルギー疾患患児の教育と生活を考える」シンポジウムに参加しました。

    1番目は、「学校生活でのアレルギー児を支えるNPOの試み」です。

    講演会活動など、多彩な活動をされ、わたしが神戸で個人的に行っている活動に、相通じるものがあり、共感できました。

    ただ、おかあさんからみて、理解が進まない学校現場はいらだたしく、ともすれば対立的にとらえられるのは、しかたがない事かも知れません。

    しかし、自然学校の取り組みは、5年生になってはじめておきるわけではありません。

    1年生から5年生までの5年間の準備期間に、どれだけ信頼と共感とを構築していけるのかが、問われているのではないかと思います。

    この主旨の質問をさせていただきました。

    2番目は、「食物アレルギーサインプレートの普及活動について」

    サインプレートは、子どもの食物アレルギーを自己開示するツールです。

    かわいい図柄のプレートを着けることで、周囲のおかあさん方の理解と協力を得ることができる、すばらしい取り組みだと思いました。

                  2010年12月5日

                  いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.12.05

    カンガルギー情報 第47回日本小児アレルギー学会④

    学会が終わると、兵庫食物アレルギー研究会のメンバー10人で、横浜中華街に繰り出しました。

    お酒を飲みながら、話し合うのは学会一日目に印象に残ったこと。

    最後に、ひとり一人、来年の抱負を語り合いました。

    喘息の一酸化窒素(NO)測定に基づく治療

    急速経口耐性獲得法のパンフレット化

    段階的経口耐性獲得法の確立

    外来での経口耐性獲得法のありかた

    アレルギー学会専門医試験への挑戦

    などなど、楽しみな一年になりそうです。

    最後に、兵庫食物アレルギー研究会の予定を確認し、懇親会を終えました。

    自分の言葉で、学会で見聞きしたことや、いま自分がしている仕事をふりかえること。

    とても貴重なひとときでした。

                           2010年12月5日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

11/13