カンガルーの小部屋

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  • 2019.08.01

    カンガルーの本棚 深い根っこが

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    筒井富美先生の、「女医問題ぶった斬り」(光文社新書)を、読みました。

    東京医科大学に端を発した女子受験生の医学部入試差別問題

    なぜ大学が、そのような女子差別を行うようになったのか

    筒井先生は女性医師の目を通して、

    さまざまな角度から鋭く分析されます。

    偏差値一辺倒の医学部志願者の増加

    少子高齢化社会の到来

    医師の大都市偏在の問題

    研修医制度や新専門医制度の改革が行われるたびに、

    新たな問題が起こります。

    女性医師のライフスタイル

    そして、医師の働き方改革

    医師を取り巻く環境が激変する中で、どの受験生を選ぶのか

    大きな課題に対する答えは見つかりません。

    医学教育にご関心がおありの方、必読の書です。

        2019年8月1日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.07.31

    カンガルーの本棚 終わりの始まりは

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    水野和夫氏・山口二郎氏共著の

    「資本主義と民主主義の終焉」(祥伝社新書)を、読みました。

    平成史を、政治と経済から読み解きます。

    終焉のはじまりは、「構造改革」「自己責任論」にあると、論じられます、

    高齢化年金問題、長時間労働、モラルの危機

    子育ての見通しのなさ などなど

    この国がかかえる課題の根源が見えてきます。

    時間をかけて じっくりと読みたい良書です。

       2019年7月31日

       いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.07.23

    カンガルーの本棚 熱い声援

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    こかじさらさんの「負けるな、届け!」(双葉文庫)を、読みました。

    主人公はリストラに会った中年女性

    再就職のあてもなく、生きる道に迷います。

    偶然出会った都市マラソン、

    熱い声援を送る中で

    自分がやってきたことを、きちんと認めてくれるひとの大切さに気付きます。

    そして、舞台はフランス・ボルドー郊外で開かれる

    「メドック・マラソン」に

    必死に走るランナーと、沿道で熱い声援を送る仲間たち。

    胸がわくわくする小説です。

        2019年7月23日

        いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.06.13

    カンガルーの本棚 男はつらいよ

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    福岡伸一先生の「できそこないの男たち」(光文社新書)を、読みました。

    聖書には「イブはアダムの肋骨から造り出された」と書かれていますが、

    福岡先生は、生物の原型はメスである。

    オスは、遺伝子を運ぶ 使い走りのお役目のために造られたのではないか

    先生は、その根拠を 昆虫などいろいろな生物を例にあげながら

    解説されます。

    目から鱗が落ちるとは こういうことなのか

    男性優位社会にあって、男性の虚勢を見る思いがします。

    生物学から 人類学へ

    知的興味は尽きません。

        2019年6月13日

        いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.06.11

    カンガルーの本棚 生命を奏でる

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    福岡伸一先生の「動的平衡2」(小学館新書)を、読みました。

    遺伝子による生命活動を予測する、

    あるいは仕分けをする研究が進んでいます。

    福岡先生は、ゲノムは楽譜に過ぎないといわれます。

    どの楽器でその音楽を奏で、

    どのタイミングで、どの強さでその音符を表現するのか

    それに 他の楽器とのハーモニー

    こうして楽譜から、ことなる音楽が誕生します。

    生命活動もこれに似て、ゲノムに規定されながらも

    その表現は、ふたごでも同じではない。

    人生は、環境とその人の生き方により、いかようにも変化する

    福岡先生は人生の深い意味を伝えられます。

    どのページからも 知的好奇心が刺激される わくわくの1冊です。

        2019年6月11日

        いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.05.29

    カンガルーの本棚 生命とは何か

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    福岡伸一先生の「動的平衡」(小学館新書)を、読みました。

    記憶について、食べる意味、病原体との共生

    そして、生命とは何か

    題名どおり、本の中身は硬い内容がぎっしりと詰まっています。

    それでもおもしろくて、一気読み

    分子生物学からみた生命観は、

    わたしの中の未熟な生命観を、木っ端みじんに壊してくれました。

    再生と、つぎの平衡状態へと

    読後もいろいろな考えが頭の中を駆けめぐります

    知的好奇心をいっぱいくすぐられる一冊です。

       2019年5月29日

       いたやどクリニック 木村彰宏

  • 2019.05.05

    カンガルーの本棚 藪の中で

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    池永陽さんの「下町やぶさか診療所」(集英社文庫)を、読みました。

    舞台は東京下町の診療所

    診察よりも愚痴話で混雑します。

    ふとしたことから 訳ありの女子高生を引き取って

    物語は動き始めます。

    認知症の妻を介護する夫

    交通事故で命を落とした夫に復讐を企てる妻

    末期がんを宣告された幼馴染

    そして、女子高生の秘密とは

    お読みになった後、

    あなたも やぶさか診療所に通いたくなるかもしれません

       2019年5月5日

       いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.05.02

    カンガルーの本棚 病気になるわけ

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    栃内新さんの「進化から見た病気」(講談社BLUE BACKS)を、読みました。

    ヒトは、病気とどう付き合ってきたのか

    生活習慣病とよばれる文明病は、なぜ起きるのか

    遺伝病の考え方

    そして、おばあさんの役割りとは

    本書は、「進化医学」の考えを、分かりやすく伝えてくれます。

    医学にたずさわる人も、病気でお悩みの方も

    一読されることを おすすめします。

        2019年5月2日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.05.01

    カンガルーの本棚 頼るちから

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    吉田穂波先生の「つらいのに頼れないが消える本」(あさ出版)を、読みました。

    本当に困って助けを借りたい時でも、

    相手の迷惑になるのではないか

    相手の負担になるのではないか

    甘えていると思われるのではないか

    と思ってしまい、お願いすることに二の足を踏んでしまう

    そんな経験を みなさんもされたことがおありかと思います。

    本書はそんなあなたに

    「助けを求めて、助けを受け入れる心構えやスキル」を指南してくれます

    頼る事は相手への信頼と承認と尊敬の証

    令和の世が、助け合いの心で満ち溢れますようにと願いながら

    この本をお勧めします。

       2019年5月1日    

       いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.04.26

    カンガルーの本棚 武骨なやさしさ

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    大沼紀子さんの「てのひらの父」(ポプラ文庫)を、読みました。

    都内の女性専用のまかない付の下宿館にすむ、3人の女性が主人公

    就職浪人、司法試験浪人、アパレル会社に勤めるわけありの女性たち

    下宿のお世話をするのは、武骨な大男

    はらはら ドキドキ そしてやさしい涙

    こんなふしぎな下宿館があれば、

    かんがるうっ子を、住まわせるのになあ

          2019年4月26日

           いたやどクリニック 木村彰宏

  • 2019.03.28

    カンガルーの本棚 手をつなぎあって

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    小川糸さんの「にじいろガーデン」(集英社文庫)を、読みました

    舞台は山奥の寒村にある、古ぼけたおうち

    訳あって都会から逃れてきた4人の親子が 暮らし始めます。

    しかも子ども二人に はは二人という 家族構成です。

    家族で作った「虹色憲法」

    ①自分には決して噓をすかない

    ②一日に一回は、声をあげてげらげら笑う

    ③うれしいことはみんなで喜び、悲しいことはみんなで悲しむ

    ④絶対に、無理はしない

    ⑤辛かったら、堂々と白旗をあげる

    家族が暮らしていくなかで、いろいろな事がおこります。

    そんな時こそ、虹色憲法を中心に 家族で乗り越えていきます

    風変わりな それでいて愛情たっぷりの家族に 乾杯

        2019年3月28日

        いたやどクリニック 木村彰宏 

     

  • 2019.02.28

    カンガルーの本棚 ひとのこころが

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    朱川湊人さんの「オルゴル」(講談社文庫)を、読みました。

    ハヤトは小学4年生

    おかあさんとふたり暮らし、空気読み読みの今風の男の子

    自分の考えを持たず、まわりに同調します。

    そんなハヤトに、近所のおじいさんからの依頼が

    オルゴルを鹿児島に住む知人に届けてほしいと・・

    大阪に住む父を尋ね、ミチコさん、サエさんと出会い

    旅がはじまります

    福知山線列車事故の跡地、広島の原爆ドーム、知覧の特攻隊基地

    大切な人をなくした人たちは どうしているだろう

    ハヤトは おとなへの 大きな一歩を踏み出します。

         2019年2月28日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.22

    カンガルーの本棚 しあわせの輪

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    森沢明夫さんの「ヒカルの卵」(徳間文庫)を、読みました。

    限界集落に暮らす ムーミン似の主人公

    街から遠く、これといった産業もなく、

    暮らしが成り立たなくなって、歯が抜け落ちるように

    村から去っていく人々

    主人公のムーさんは、村に活気を呼び戻そうと

    「たまごかけご飯専門店」を開きます。

    人の縁、友の助けが集まる中で、ムーさんの店はオープンします。

    「裕福」と「幸福」とは、イコールでは結べないという作者の

    熱い思いが伝わってくる一冊です。

         2019年2月22日

              いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.20

    カンガルーの本棚 強さとやさしさと

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    原田マハさんの「奇跡の人」(双葉文庫)を、読みました。

    舞台は明治20年の津軽のお屋敷

    聞こえず、見えず、話せない少女と家庭教師のものがたり

    そう、ヘレン・ケラーとサリバン先生の日本版です

    抱きしめて、こころを通わせ

    泣き叫ぶのではなく 忍耐を 伝える工夫を 育てます

    そして物語は 昭和へ

    65年の歳月を経て、奇跡が再会をもたらします。

    強さとやさしさと、こころゆすぶられる小説です。

         2019年2月20日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.19

    カンガルーの本棚 ボッチとみんな

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    中田永一さんの「くちびるに歌を」(小学館文庫)を、読みました。

    舞台は、本土を遠く離れた五島列島の中学の合唱部

    女子だけのクラブに、男子生徒が入部してきます。

    ざわめく空気、ひろがる波紋

    15才の悩みと、未来への不安

    ひとりで自分を見つめる孤独と

    みんなで心ひとつに歌い上げる連帯感

    小説は、五島の1年を足早に語ります。

    15の時に自分は何を考えていたのか、

    ふりかえり、はずかしく なつかしく

    お読みいただきたい 一冊です。

          2019年2月19日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.15

    カンガルーの本棚 ふしぎな喫茶店

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    森沢明夫さんの「癒し屋キリコの約束」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    舞台は下町にある ふしぎな喫茶店

    レジの横には、神棚とお賽銭箱が 鎮座します

    店長とオーナーは、訳ありな女性

    悩みをかかえた依頼人が、助けを求めて集まります。

    さあ あなたも ふしぎな喫茶店のドアを 開きましょう

          2019年2月15日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.14

    カンガルーの本棚 守りたいもの

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    葉室麟さんの「峠しぐれ」(双葉文庫)を、読みました。

    国境の峠茶屋で、ひっそりと暮らすふたり

    夜逃げの一家を助け、助太刀をたすけ

    そしてふたりは 藩の勢力争いに巻き込まれます。

    身を隠すように暮らすふたりの過去とは

    そして、守りたい、守ろうとするものは

    最後のページまで 一気読みの一冊です

           2019年2月14日

           いたやどクリニック 木村彰宏 

     

  • 2019.02.11

    カンガルーの本棚 おじぞうさん

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    森沢明夫さんの「夏美のホタル」(角川文庫)を、読みました。

    房総の寒村を訪れた、若いふたりずれ

    よろずやに住む老親子との交流を通じて、

    家族とは、幸せとはなにかを考えます。

    悲しい過去と、数十年後の和解

    作中に登場するおじぞうさんに、会いたくなりました。

         2019年2月11日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.10

    カンガルーの本棚 もっと前に知りたかった

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    庭内別居、熟年離婚という、おだやかでない言葉が飛び交います。

    好きで一緒に暮らし始めた男女が、なぜにうまくいかないのか

    黒川先生は、その答えを男性の努力に求めます。

    妻につらい記憶を与えないコツ

    妻に笑顔をもどすコツ

    どうすればよいのか、それは読んでのお楽しみ。

    男性必読の一冊です。

            2019年2月10日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.02.07

    カンガルーの本棚 縄文からのメッセージ

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    森沢明夫さんの「ライアの祈り」(小学館文)を、読みました。

    主人公は、縄文時代に生きるライアと

    いまに生きる桃子

    それぞれに 人には言えぬ悩みをかかえ、

    出会いの中で、明日への一歩を踏み出します。

    青森の自然と 人情にひたりながら

    ゆったりとした時間を過ごすことができる 素敵な1冊です。

          2019年2月7日

          いたやどクリニック 木村彰宏 

     

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