カンガルーの小部屋

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  • 2019.02.05

    カンガルーの本棚 キャラメルチョコチップの味

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    森沢明夫さんの「キッチン風見鶏」(ハルキ文庫)を、読みました。

    港町の小高い丘の上にあるレストラン

    そこに働くウエイターは、少し不思議な力を持っています

    それは、幽霊が見えること

    レストランに現れる怪しげな物影と

    屋根の上のこわれた風見鶏の秘密とは

    こころの芯まで温かくなれる レストランにようこそ

         2019年2月5日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.22

    カンガルーの本棚 カーラーの誇り

    719fTgrjiGL[1]

    森沢明夫さんの「青森ドロップキッカーズ」(小学館文庫)を、読みました。

    からだが小さく、眼鏡をかけて さえない風貌の中学3年生は

    いじめの真っただ中で暮らしています。

    幼馴染も裏切られ、それでもおばあちゃんが残した言葉を頼りに

    毎日を乗り越えようとします。

    カーリングと出会った日から、彼の毎日が変わり始めます。

    カーラーの誇りとは・・

    楽しい たのしい青春小説です。

          2019年1月22日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.13

    カンガルーの本棚 家族すれちがい

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    是枝裕和さんの「歩いても歩いても」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    職を失った主人公は、兄の命日に里帰りします。

    おぼれかけた子どもを助けようとして、命を失った兄。

    兄を失ったことを、20年たっても受け入れることができない両親

    兄の化身のような蝶が、家の中に舞い込みます

    「人生はいつも、ちょっとだけ間に合わない」

    その言葉をかみしめながら、主人公は家族と歩き続けます。

           2019年1月13日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.12

    カンガルーの本棚 幸せのあおいろケース

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    近藤史恵さんの「スーツケースの半分は」(祥伝社文庫)を、読みました。

    主人公は あおいろスーツケース

    フリーマーケットに売りに出され、持ち手を次々と変えながら世界を旅し、

    いつしか、しあわせを呼ぶスーツケースと呼ばれるようになります。

    スーツケースに入っていたメモ用紙の

    「あなたの旅に、幸多かれ」という言葉の秘密とは・・・

    新しい一歩を踏み出そうとするあなたに

    勇気を与えてくれる1冊です。

          2019年1月12日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.06

    カンガルーの本棚 あなたのうみへ

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    森沢明夫さんの「あなたへ」を、読みました。

    妻の残した遺言状を求めて、西へ西へと車を走らせる主人公

    旅の途上の出会いと別れ、

    「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えることができる」

    旅の終わりに、妻が愛した言葉の重みをかみしめる主人公

    愛する人に想いをはせながら、お読みいただきたい1冊です。

            2019年1月6日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2019.01.02

    カンガルーの本棚 きらきらのうらに

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    森沢明夫さんの「きらきら眼鏡」(双葉文庫)を読みました。

    愛猫を失った一人暮らしの主人公は、

    ふと立ち寄った古書店で一冊の本を手に入れます。

    はさまっていたのは、女性の名刺

    誤って古書店に売ったのではないかと考え、連絡を取ります。

    本を通して知り合った年上の女性は、ペコちゃんのような笑顔で、

    「きらきら眼鏡」の話をします。

    何を見ても新鮮で、輝いて見えるという「きらきら眼鏡」

    眼鏡をかけることになった 悲しい出来事とは

    やさしくて、せつなくて

    お正月やすみに、ゆっくりとお読みください

            2019年1月2日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.12.21

    カンガルーの本棚 カクテルの味

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    森沢明夫さんの「大事なことほど小声でささやく」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    主人公は、身長2mを超える体格のおねえ、ゴンママ

    「スナックひばり」を訪れるお客との人情話です。

    さえないサラリーマン、売れっ子の漫画家、シャイな高校生

    おしゃべりな歯科医師、小さな会社の社長さん

    彼らの悩みを、カクテルに託して相談します。

    おかしくって、深くて、しんみりと

    もしかして、今年読んだ本の中で、No1かなって思います。

          2018年12月21日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.12.06

    カンガルーの本棚 それぞれの独り立ち

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    原田マハさんの「独立記念日」(PHP文芸文庫)を、読みました。

    生活につかれ、生活に行き詰まりを感じる主人公たちが

    新しい一歩を踏み出す24のものがたり。

    前のお話の登場人物が、次のお話の主人公になっていくおもしろさ、

    「自由になる」ってことは、「いかに独立するか」ってことなんです。

    ややこしい、いろんな悩みや苦しみから・・

    作中に登場するこの言葉が、「独立記念日」という本の題名を表しています。

    短くて、濃い口で、いつか再読したい一冊です。

          2018年12月6日

          いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.11.09

    カンガルーの本棚 群れて生きる

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    梨木香歩さんの「僕は、そして僕たちはどう生きるか」(岩波現代文庫)を、読みました。

    主人公は14歳の男の子、わけ合って父母と離れ、ひとりで暮らしています。

    学校に行かないという選択をしている友だち宅を訪れて、

    おきる一日の出来事を小説は描きます。

    「人が生きるために、群れは必要だ。

    強制や糾弾のない、許し合える、ゆるやかで温かい絆の群れが。

    人が一人になることも了解してくれる、離れていくことも認めてくれる、

    けど、いつでも迎えてくれる、そんな『いい加減』な群れ」

    最後に、作者はこう記します。

    「この言葉を言う力を、自分につけるために、僕は、考え続けて、生きていく。」と         

    2018年11月9日

    いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.11.04

    カンガルーの本棚 嵐の中学生時代

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    椰月美智子さんの、「体育座りで、空を見上げて」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    主人公「わっこ」は、中学一年生

    新しく始まる学校生活への不安、

    部活動、友人との行き違い

    異性へのあこがれ、

    尾崎豊にあこがれ、母親に八つ当たりし、

    そんなじぶんがイヤになり、

    高校に入るまでの3年間の「わっこ」の生活を、小説はていねいに描きます。

    思春期の嵐の季節

    女の子もずいぶんと大変なんだなと感心します。

    中学生の女の子をお持ちのおかあさん

    お読みになられると、娘さんとの話がひろがるかも です

         2018年11月4日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.10.05

    カンガルーの本棚 あすのわたしたち

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    NHKスペシャル取材班の「老後破産」(新潮文庫)を、読みました。

    年金が削られ、医療費や介護費の負担が重くのしかかってくるなかで

    1日の食費を100円で済ませ

    足腰が痛くても、医者代は節約し

    冠婚葬祭にかかるお金を出せないために、旧友との交友を断ち

    つながりを失い、孤独に耐える暮らし

    読み進めるうちに、この国の豊かさが うそごとではないかと思い始めます

    この本、2014年9月NHKスペシャルで放送されたものを文庫化したものです。

           2018年10月5日

                  いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.27

    カンガルーの本棚 患者さんの思いを

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    南杏子さんの「サイレント・ブレス」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    主人公は、在宅訪問クリニックに努める女性医師

    大学から派遣され、看取り医療に戸惑いながら成長していきます。

    ジャーナリスト、筋ジストロフィーの青年、大学教授

    彼女が訪問する患者さんはいろいろな方ですが、

    患者さんの思いを尊重する医療とは何かと

    彼女は考え続けます。

    多くの方に、できれば医療にたずさわれる方にお読みいただきたい1冊です。

             2018年9月27日

             いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.25

    カンガルーの本棚 ごめんなさい、ありがとう

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    辻村深月さんの「朝が来る」(文春文庫)を、読みました。

    登場するふたりの女性

    ひとりは、望んでも子どもを授からなかった女性

    ひとりは、未成年で育てられない子どもを授かった女性

    2人は特別養子縁組で結ばれます。

    6年後、朝斗と名付けられた子どもの前に現れたのは・・

    誕生日に出合えてよかった作品です。

          2018年9月25日

          いたやどクリニック 木村彰宏 

     

  • 2018.09.24

    カンガルーの本棚 いちばんの贈り物

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    角田光代さんの「Presents」を、読みました。

    贈り物をめぐる、12の短いお話

    親からもらった名前、

    小さな体に大きなランドセル

    一人暮らしを始める時にもらった鍋セット

    結婚式に友だちみんなからもらった手作りのウェディングベール

    子どもが描いた一枚の絵

    娘から結婚式でもらったぬいぐるみ

    そして・・・

    あとがきで作者はこう書き記します

    「品物は、いつかなくしてしまっても、

    贈られた記憶、その人と持った関係性は、けっして失うことがない」と

    カンガルーも子どもからもらった誕生日プレゼントを、

    その記憶とともに大切にしようと思いました。

           2018年9月24日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.16

    カンガルーの本棚 同業者の頭の中

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    中山祐次郎先生の{医者の本音}(SB新書)を、読みました。

    先生は、現役の外科のお医者さん

    わたしよりも うん十年も若手の先生です。

    本の中身はいたって真面目です

    大丈夫でしょう、様子をみましょうという言葉の本音

    民間療法の考え方

    奇跡の生還をどう考えるのか

    いのちの値段はいくら

    などなど、興味は尽きません。

    そのお考えも、きわもの的なものではなく

    いたって常識的。

    ふむふむ にやにやしながら 読み終えました

           2018年9月16日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.15

    カンガルーの本棚 次にお会いできるのは

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    高田郁さんの「みおつくし料理帖、花だより」(ハルキ文庫)を、読みました。

    女料理人澪と、とりまく人々のその後の物語

    お互いの表情をみせあわない夫婦が、わらびもちで深まる縁

    澪の親友が、幸せに向けて一歩踏み出す唐汁

    そして、澪の夫の苦悩を支えるふるさとの味

    澪の その後の その後の物語を また読んでみたいものです。

          2018年9月15日

                いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.09.11

    カンガルーの本棚 ことばに心をこめて

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    小川糸さんの「ツバキ文具店」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    主人公は、鎌倉で小さな文具店を営む女性

    彼女のもとに 手紙の代筆依頼が次々と飛び込みます。

    お悔み状

    離縁のおしらせ

    初恋の人への淡い気持ち

    そして、借財への断り状

    ことばを集め、ペンと紙を選び

    鳩子は 手紙を書くことで自らの過去に向かい合います。

    ことばのうつくしさに しっかり酔うことができる作品です。

           2018年9月10日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.08.18

    カンガルーの本棚 人情話10話

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    畠山健二さんの「本所おけら長屋10・11」を、読みました。

    駅前の井戸書店さんに立ち寄ると、なんと著者のサイン本

    すぐに買い求めての2日間

    江戸の人情話に どっぷりとつかります。

    10の短いお話を、読み終えれば水戸黄門の世界

    一つひとつのお話を、安心して楽しむことができました。

            2018年8月18日

            いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.08.15

    カンガルーの本棚 隣国のあゆみ

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    岡百合子さんの「中・高校生のための朝鮮・韓国の歴史」(平凡社ライブラリー)を、

    読みました。 

    高句麗から新羅、高麗そして朝鮮王朝へ

    それは常に外敵の侵略を受けながらの歩みでした

    同時に、名もなき人たちの抵抗の歴史でもありました。

    歴史は時の政権の都合により書き換えられるのが常ですが

    お隣の国の民衆の力強さに感銘しながら、最後の1ページを読み終えました。

         2018年8月15日

         いたやどクリニック 木村彰宏

     

  • 2018.08.07

    カンガルーの本棚 本を味わう

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    ほしおさなえさんの「活版印刷三日月堂・雲の日記帳」(ポプラ文庫)を読みました。

    主人公は、川越の古い街並みの中にひっそりと店を開いている印刷屋さんの店主

    シリーズ4巻目になる本書は、

    星をつなぐ線

    街の木の地図

    雲の日記帳

    三日月堂の夢、の4つのお話からなります。

    人と人とのつながりを、小さな印刷屋さんが広げていきます。

    読み終えた後、主人公たちに会いに、川越の街に、出かけてみたくなりました。

           2018年8月7日

           いたやどクリニック 木村彰宏

     

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