カンガルーの小部屋

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  • 2013.08.04

    カンガルーの本棚 いくつかの組み合わせ

    宮下奈都さんの、「遠くの声に耳を澄ませて」(新潮文庫)を、読みました。

    12の物語が綴られる、短編集。

    「アンデスの声」、「どこにでも猫がいる」、「白い足袋」など、

    少しおかしなタイトルが、並びます。

    その一つが独立していて、それで、どこかがつながっている。

    読み終えて、不思議な気持ちになります。

    宮下さんの3冊目の本も、もう一度読みたくなる1冊です。

    2013年8月4日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.07.23

    カンガルーの本棚 真夏のサンタクロース

    百田尚樹さんの、「輝く夜」(講談社文庫)を、読みました。

    百田さんと言えば、「永遠の0」が、代表作ですが、

    「輝く夜」は、魔法の万年筆、猫、ケーキ、タクシー、サンタクロースと題された、5つの短編集です。

    どの章にも、まじめに努力しても、幸せがつかめない女性の元に、サンタクロースが登場します。

    主人公の流す涙に、救いを感じます。

    季節外れのサンタクロースのお話ですが、お進めの1冊です。

    2013年7月23日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

     

  • 2013.07.21

    カンガルーの本棚 幸せな時間

    宮下奈都さんの、「スコーレNo.4」(光文社文庫)を、読みました。

    先日呼んだ「太陽のパスタ、豆のスープ」(集英社文庫)に続く、2冊目の宮下作品です。

    「スコーレNo.4」は、4つの学校と言う意味。

    中学校、高校、大学、就職から、結婚を決意するまでの4つのスコーレの中で、

    コンプレックスをいだきながらも、自立していく女性を描きます。

    宮下さんの、ていねいな言葉一つひとつが、主人公の悩みや喜びを伝えてきます。

    わたしの好きな一冊になりそうです。

    2013年7月21日

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  • 2013.07.12

    カンガルーの本棚 食べること生きること

    宮下奈都さんの「太陽のパスタ、豆のスープ」(集英社文庫)を、読みました。

    文庫本になって、かわいらしい表紙絵に変身し、手に取りました。

    おまけにもらえるブックカバーが、AKB48だったことも、購入の決め手です。

    突然婚約を破棄された女性が、ゆっくりと立ち直っていく物語。

    決めては、家族やともだちの支えと、毎日のごはん。

    あたりまえの毎日のくりかえしが、主人公のこころを、ほぐしていきます。

    2013年7月12日

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  • 2013.04.21

    カンガルーの本棚 子どもと一緒に

    有川浩さんの「植物図鑑」(幻冬舎文庫)を、読みました。

    捨てられた子犬が拾われるように、部屋についてきた青年。

    ふたりの生活が、はじまります。

    アパートの近くに生えている雑草をつみ、ふたりして食べる。

    それだけの小説ですが、こころが、のんびりとします。

    出会いと、わかれ、そして・・・

    子どもが「おとうさん、この本よんだことある」っと言って、

    手渡してくれたライトノベル。

    わたしも、けっこう、はまりそうです。

    2013年4月21日

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  • 2013.01.12

    カンガルーの本箱 おとうさんロボット

    おおたとしまさ先生の、「パパのトリセツ」(ディスカバー21)を、読みました。

    「トリセツ」とは、取り扱い説明書の略です。

    おとうさんをロボットに見立てて、

    どうすれば、家事や育児をこなすスウィッチをONできるのか、

    おかあさんに必要なアプリを、インストールできるのか、

    ていねいに説明されています。

    おかあさんの応援の書でもあり、

    おとうさんの代弁の本でもあります。

    子育て真っ最中のかた、必読の一冊です。

    2013年1月12日

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  • 2013.01.05

    カンガルーの本棚 夫と犬と

    高濱正伸先生の、「夫は犬だと思えばいい」(集英社)を、読みました。

    花まる学習会代表の高濱先生の主張は、子どもを伸ばすためには夫婦円満であること。

    そのためには、異性は違う生き物だと割り切ること。

    妻から見れば、夫はかわいい犬と思うこと。

    言葉には少し抵抗がありますが、言い得て妙。

    わたしも、我が家の3匹目のワンちゃんになることにしましょうか。

    2013年1月5日

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  • 2012.12.28

    カンガルーの本棚 かけがえのない

    上田紀行さんの「かけがえのない人間」(講談社現代新書)を。読みました。

    板宿駅前にある「井戸書店」さん、お勧めの一冊です。

    少しの間、本棚に積ん読で、読みだすと一気に最後のページまで。

    ○交換可能でない「私」

    ○ダライ・ラマの愛と思いやり

    ○私たちは使い捨てじゃない

    ○評価が、生きることの最終目標か

    ○ネガティブなことに大きな価値がある

    ○愛されるより愛する人になる

    受身の愛ではなく、積極的な能動的な愛を。

    「愛や思いやりの心を持てばこそ、怒るべきだ」と、主張されます。

    時期を置いて、再読してみたい一冊です。

    2012年12月28日

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  • 2012.10.25

    カンガルーの本棚 もう一度中学生

    岡部恒治先生の、「もう一度中学数学」(日本実業出版社)を、読みました。

    方程式、因数分解、合同、相似、球の面積・体積・・・

    解説を読み、例題を解き進めていくうちに、

    50年前の記憶がよみがえります。

    問題をひとつ解くごとに、おとなへの階段をまた一つ上る事が出来たような、

    そんな気持ちで勉強していたのだなあと、思い出します。

    そのころの計算力や、理解力には、今はとうていかないませんが、

    それでも、例題を解くごとに、なつかしくなります。

    かんがるうっ子にも、この楽しさをつたえることができるといいのですが。

    2012年10月25日

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  • 2012.10.18

    カンガルーの本棚 いま一度

    辻村深月さんの「ツナグ」(新潮文庫)を、読みました。

    辻村作品は初めてなのですが、同名映画の上映にひかれて、手にとりました。

    生きている人と、死んだ人を、ひとりだけ、一度だけ再会させるという3つのお話。

    「死者の目線に晒されることは、誰にだって本当は必要とされているのかもしれない。

    どこにいても何をしていてもお天道様が観ていると感じ、それが時として人の行動を決めるのと同じ。見たことのない神様を信じるよりも切実に、具体的に誰かの姿を常に身近に置く。

    あの人ならどうしただろうと、彼らから叱られることさえ望みながら、日々を続ける。」

    414pに書かれている一文が、心に深く残りました。

    講演会の準備に明け暮れる日々に、勇気を与えてくれる一冊です。

    2012年10月18日

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  • 2012.09.01

    カンガルーの本棚 9月になるまでに

    岡田尊司先生の「発達障害と呼ばないで」(幻冬舎新書)を、読みました。

    自閉症スペクトラム障害、AD/HDなどの発達障害の原因を、愛着障害の観点から述べられます。

    子どもが、養育される環境次第で、良い方にも、悪い方にも変容していくことを、いろいろな角度から論じられます。

    発達障害の原因を、養育の因子よりも、遺伝的な背景で説明しようと言う時代の流れからすれば、異色の一冊と言えます。

    9月になるまでにと、暑い8月の最後に読んだ1冊は、私に大きな宿題を残しました。

    2012年9月1日

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  • 2012.08.25

    カンガルーの本棚 モルってなあに

    高松正勝さん原作、鈴木みそさん漫画の「マンガ化学式に強くなる」(講談社ブルーバックス)を、読みました。というより、ながめました。

    原子量。分子量、周期表、イオン結合、化学反応式、そしてモル。

    もう、何十年も使わなくなった科学の言葉が飛びかいます。

    鈴木さんの、おかしい漫画だけを頼りに、読み進みます。

    読み終わった後の感想は、ああ、おもしろかった。

    でも、むずかしかった。

    これでは、普通の漫画を読むのと変わりありません。

    化学の達人になるには、この入門書を、100回は読む必要があるかもしれませんね。

    2012年8月25日

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  • 2012.08.21

    カンガルーの本棚 中学生に戻って

    関正生先生の「世界一わかりやすい中学英語の授業」(中経出版)を、読みました。

    関先生は、現役の予備校の講師をされています。

    英語の基礎の基礎を、とても分かり易く解説されています。

    これまで手に取った英語の本の中で、一番おもしろく、分かり易く、

    いちいち納得させられる中身がいっぱいです。

    英語嫌いのわたしが、2日間で読破。

    中学の時にこの本に出会っていたら、英語好きになって、

    その後の人生が変わっていたかもしれないなあと思わせる、

    おもしろくて、わかりやすい、お勧めの一冊です。

    2012年8月21日

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  • 2012.08.18

    カンガルーの本棚 聞くことの

    阿川佐和子さんの「聞く力」(文春新書)を、読みました。

    テレビや雑誌で大活躍されている阿川さんの、対談にまつわる数々のエピソード。

    クスリと笑ってしまうところや、「そうなんだ」と納得してしまうところなど、

    最後まで、一気におもしろく読みました。

    あとがきにかえての中に、阿川さんの人柄を見たような気がします。

    「そんな話をする当の本人にとっても、自ら語ることにより、それだけで語る意味が生まれてきます。そのために、聞き手がもし必要とされる媒介だとするならば、私はそんな聞き手を目指したいと思います」

    2012年8月18日

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  • 2012.08.17

    カンガルーの本棚 課題図書②

    パトリック・ネスの「怪物はささやく」(あすなろ書房)を、読みました。

    今年の中学生の課題図書の一冊です。

    毎晩決まった時間にコナー少年の元を訪れる、いちいの木の怪物。

    怪物の正体はなに?

    モノトーンの挿絵も、おどろおどろしく、少年の恐怖が胸に迫ります。

    ハードな内容のこの一冊。

    苦境にたたされた少年、そして救いは・・

    とても思いテーマの小説です。

    このハードな小説は、中学生の心に、どう届くのでしょう。

    2012年8月17日

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  • 2012.08.17

    カンガルーの本棚 眠る前の少しの時間に

    海原純子さんの「子どもが眠ったあと1分間だけ読む本」(PHP文庫)を、読みました。

    毎日の子育ての中で、心や体が疲れ果ててしまった時、

    自分に自信がなくなった時

    子育てに悩んだ時

    子どもの幸せを願う時

    などなど、1分で読めるエッセイが、59話載せられています。

    1日1話読んでいくと、2か月も楽しめる本です。

    子どもが眠った後、あなたの心を少し楽にしてくれる、素敵な本です。

    2012年8月17日

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  • 2012.08.13

    カンガルーの本棚 課題図書①

    高橋秀雄さんの「地をはう風のように」(福音館書店)を、読みました。

    この夏の中学校の部、課題図書の一冊です。

    終戦直後の鬼怒川沿いに住む、小学生の物語。

    貧しさに、歯を食いしばって生きていく・・

    ほんの50年少し前の、日本の子ども達の物語。

    今の中学生は、このお話を読んで、どのように感じるのかと興味がわきました。

    2012年8月13日

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  • 2012.08.11

    カンガルーの本棚 課題図書①

    高橋秀雄さんの「地をはう風のように」(福音館書店)を、読みました。

    この夏の中学校の部、課題図書の一冊です。

    終戦直後の鬼怒川沿いに住む、小学生の物語。

    貧しさに、歯を食いしばって生きていく・・

    ほんの50年少し前の、日本の子ども達の物語。

    このお話を、今の中学生は、どのように読むのかと、興味がわきます。

    2012年8月11日

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  • 2012.08.09

    カンガルーの本棚 5年半ぶりのピクニック

    恩田陸さんの「夜のピクニック」(新潮文庫)を、読みました。

    映画化もされましたが、高校生生活の一日を描いた作品です。

    書店で手に取り、子どもに薦めると、2日で読んで「おもしろかった」と言います。

    主人公の話を詳しくしてくるのですが、

    私が読んだのは2006年12月のこと。

    一晩をかけて、ただひたすらに歩きとおす学校行事の話としか記憶にはなく、

    あわてて、5年半ぶりに再読しました。

    ふたりの主人公を中心にした心理描写がおもしろく、ぐいぐいと本の世界に引き込まれます

    初めてこの本を読んだ時は、子どもは小学1年生。

    5年半がたち、子どもは身体も心も大きくなりました。

    1冊の本を共有できるっていいものだなと、少しうれしくなりました。

    2012年8月9日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2012.07.10

    カンガルーの本棚 不幸せな物語

    重松清さんの「Long,Long ago」(新潮文庫)を、読みました。

    うまくいかない人生を描いた、6つの物語が綴られています。

    「カンガルーのポケット」の今月のテーマは、「運」

    人には、自分の力ではどうしようもない「運」を感じる時があります。

    運がいいとか、悪いとか・・

    はたから見ると、「なんでそうなるの」と、不運ばかり続く人がいます。

    カンガルーのポケットのテーマは、「不運の社会的救済」です。

    でも、重松清さんは不運をも、愛おしくみつめます。

    運が良くても、悪くても、それが自分の人生なら、

    まるごと受け止めて、愛おしむ深さに脱帽です。

    2012年7月10日

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