カンガルーの小部屋

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  • 2013.03.18

    聴診器のむこうに ねがいましては

    3年生の男の子は、診察が終わると、そろばんを取りだします。

    器用に指を動かして、計算を始めます。

    お小遣い帳なのか、家計簿か、

    黒い鉛筆を使うところを見ると、

    黒字決算でしょうか。

    仕事が終われば、クリニックの会計も、お手伝いしてくださいね。

    2013年3月18日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.03.13

    聴診器のむこうに おとうさんの元に

    3才半の男の子は、東京のおとうさんの元に帰ります。

    2年前の大震災の時には、まだ1才半。

    6日後の3月17日に、茨城から西宮に避難されました。

    それから2年、おとうさんと離れて、おかあさんとの生活が始まります。

    食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の治療に、板宿まで通院されました。

    診察にもすっかり慣れて、大好きな絵本を見せてくれます。

    今日は、クリニックでの最後の診察日。

    おかあさんと、男の子と、握手をして、なごりを惜しみました。

    会えなくなるのは寂しいけれど、東京ではおとうさんが待っています。

    2年分、しっかりと甘えてくださいね。

    2013年3月13日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.03.06

    聴診器のむこうに 魔法使いのほうき

    7才の男の子のマイブームは、「あやとり」です。

    診察室で、いろいろな形を作っては、見せてくれます。

    「今作った、それ、なあに?」と、尋ねると、

    「ホーキ」

    「だったら、次、掃除機つくってよ」と、リクエストします。

    男の子は、少し考えて「でけへん」と、答えます。

    「だって、これ、『魔法使いのほうき』やもん」

    大丈夫、だいじょうぶです。

    あなたの腕前なら、なにでもできますよ。

    ほうきから、コードレス掃除機への進化も、夢ではないですよ。

    2013年3月6日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.03.02

    聴診器のむこうに がんばれロボット君

    1年生の男の子の手には、大型作品

    作品名は、巨大ロボット。

    ジュースとお菓子のパッケージをつなぎ合わせて、

    PM2.5や、花粉にも、負けないぞ。

    でも、クリニックまで連れてくるのは、大変だったでしょう。

    家に帰って、どこで暮らすのかも心配です。

    がんばれ、ロボット君。

    先生は、君たちの味方です。

    2013年3月2日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.02.24

    聴診器のむこうに はじめてのミスド

    10才の男の子の、今日のお題は「ミスタードーナッツ」

    何年もかけて、牛乳が50.5ml 飲めるようになりました。

    いろいろなものが、少しずつ食べられるようになって、

    今日は「ミスドのハニーチュロ」に挑戦です。

    おかあさんが、ミスドの会社に問い合わせをされると、

    さっそく、たまごと牛乳の含有量の一覧表が送られてきます。

    6つのドーナッツ候補から、「ハニーチュロ」を選抜します。

    はじめに、4半個分。

    あとで、残りを食べてもらいます。

    1時間観察をして、キンコンカンコン、合格です。

    生まれての「ミスド・デビュー」

    男の子の笑顔が、いつまでも輝いていました。

    2013年2月24日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.02.23

    聴診器のむこうに 最高のバレンタイン

    2月14日から、1週間がたちました。

    外来を訪れる中学生以上の男子に、今年の成果を質問します。

    「冗談でしょ、ゼロです」

    殆どの男の子の答えは、ゼロ。

    夕方の外来に来られた中学2年生の男の子は、

    ちいさな声で、「ひとつです」

    耳元に顔をよせて、「ほんめい?」って、重ね聞きします。

    男の子は、恥ずかしそうに「ほんめい です」

    やったね、よかったね、さいこうだあ。

    「食べずに、ずーっと飾っておきなさいよ」と、助言します。

    「問題は、ホワイトデイだよ。女の子は、何をあげてもいいもんじゃないんだから、

    よ~く、相手の好みをリサーチして、お返しを考えなくっちゃね」

    アレルギーの相談以外にも、忙しい毎日です。

    2013年2月23日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.02.20

    聴診器のむこうに ワースト・ワン

    7才の男の子は、ミルクを飲む練習中。

    ミルクは、少し飲めるようになっても、嫌いです。

    診察を終えて、質問をします。

    「ボクの、嫌いな物って、なあに?」

    「エーッと、こんぶと、シイタケと」と、答えます。

    「それなら、こんぶと、シイタケと、ミルクの中で、

    一番苦手なのは、なにかな?」

    男の子は、究極の質問を前に、考えに、考えて

    「しいたけ」と、答えます。

    それなら大丈夫。

    ミルクは、飲めるようになりますからね。

    こんぶと、シイタケの負荷試験は、どうしようかな。

    2013年2月20日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.02.16

    聴診器のむこうに 最大級の幸運児

    7才の男の子は、診察が終わると、しきりに何かを伝えようとします。

    おかあさんに励まされて、カードを頸にかけます。

    カードは2月6日に神戸で行われた、サッカー、キリンチャレンジカップ2013

    全日本vsラトビア戦のIDカードです。

    試合が始まる前に、選手と子どもが手をつないで、入場するシーンを見られたことがおありかと思います。

    男の子は、抽選でそのひとりに選ばれました。

    手をつないで入場したのは、全日本の清武選手。

    そして、香川選手ともハイタッチしたとか。

    清武選手、香川選手と言えば、iPS細胞の山中教授と並ぶ、日本の誇りです。

    なんという、ラッキーボーイ、幸せもの、幸運児、

    思わず男の子と握手をして、清武選手と香川選手との、間接握手を楽しみました。

    2013年2月16日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.02.09

    聴診器のむこうに 泳ぐアレルギー

    男の子に、検査の結果を説明します。

    「くだもののアレルギーだけど、バナナとお、キウイとお、リンゴとお、マンゴとお・・」

    項目を一つ一つ読み上げていくと、

    「先生、マンゴって、なあに」と、逆質問されます。

    「えっ、マンゴって、海で泳いでいるでしょ」と、反射的即答をしますと、

    うしろから、おかあさんが、

    「それって、マンボウですね」と、鋭いつっこみ。

    吉本いたやど劇場は、今日も大盛況です。

    2013年2月9日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

     

  • 2013.02.03

    聴診器のむこうに 妖怪人間みどりがめ

    6年生の男の子の腕は、みどりいろ。

    「学校で、工作かなにかあったの」と、尋ねます。

    「暇だったんで、自分で塗ってみました」とは、その答え。

    それでは、「妖怪人間みどりがめ」みたいですね。

    でも、今日2月3日は、節分の日。

    きれいに洗ってから出歩くかないと、

    子どもに豆を投げられますからね。

    2013年2月3日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.02.02

    聴診器のむこうに カメレオン芸

    6才の男の子は、一発芸を披露してくれます。

    この日のために、練習をして、「カメレオン」

    目を寄せて、舌を出して、なるほどすっかり、「カメレオン」

    でも、この芸の欠点は、繰り返すと目が痛くなること。

    先生は、十分に見せていただきましたよ。

    さあ、いつもの顔に、戻ってくださいね。

    2013年2月2日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.01.31

    聴診器のむこうに 足が遅くて

    3年生の男の子が尋ねます。

    「先生、ノロウィルスってなに?」

    医学的質問に、お答えするのも小児科医の務めです。

    「ノロウィルスはねっ、かかると、足が遅くなるんだよ」

    男の子は、感心した様子で、うなづきます。

    これは大変、驚いた。

    吉本バージョンから、標準的な説明に、いつ戻すのか迷います。

    「ノロウィルスはねっ・・」

    子どもへの医学的説明をする時には、注意しましょうね。

    2013年1月31日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.01.28

    聴診器のむこうに 大当たり

    「お正月は、なにかいい事、あったの?」

    6才の男の子に、尋ねます。

    後ろから、おかあさんが代わって答えられます。

    「北海道旅行が、当たったんです」

    おとなふたりで、2泊3日の旅。

    大当たり、金色の玉です。

    それを聞いた看護師さんは、幸運にあやかろうと、

    男の子に握手を求めます。

    おかあさんは、「この子、一生、結婚できないかも」と、言われます。

    ここで、一生分の運を使い果たしたのではないかと、心配されます。

    いえいえ、そんな心配はありません。

    握手組のわたし的には、幸運が続く一生に間違いなしだと思います。

    でも、幸運のおすそわけは、忘れないでくださいね。

    2013年1月28日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.01.25

    聴診器のむこうに だれのシッポ

    1才すぎの男の子の服には、シッポがついています。

    「だれのシッポかな」っと、体をたどって行きますと、

    きいろい体に、茶色のブチブチ。

    頭には、角も生えていて、キリンさん。

    クリニック小児科のキャラクターです。

    この服で、クリニックの宣伝も、お願いしますね。

    2013年1月25日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.01.21

    聴診器のむこうに いつまでも大切に

    2才を過ぎた男の子が、うれしそうに手袋を見せてくれます。

    まんまるおめめの、くまちゃんふたり。

    「どこにいっても、離さないんです」と、おかあさん。

    ねんねの時も、一緒かな。

    ごはんの時は、どうするの。

    お風呂の時は、待っててね。

    大きくなって、ボクの手には入らなくなっても、

    大切に、しまっておいてくださいね。

    2013年1月21日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.01.19

    聴診器のむこうに あざらしくんファッション

    10才の女の子は、お裁縫が、マイブーム。

    ぬいぐるみのお布団を作って、見せてくれます。

    お布団のほかにも、服を作ったり、

    コシノ三姉妹も、顔まけです。

    でも、あざらしくんの服って、腕や、足の所が難しそう。

    今度は、他の作品も、みせてくださいね。

    2013年1月19日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.01.17

    聴診器のむこうに そのとき2才

    8か月の女の子を抱っこした、おかあさんの指は、黄金色に輝きます。

    「わあ、すごいね、ネイルサロンに行かれたの」と、お聞きしますと、

    「成人式だったんです。母に、この子を預けて、めちゃ楽しかった」

    ということは、二十歳のおかあさん。

    やりとりを聞いて微笑んでいる、看護師さんの大学生の息子さんも、ことし二十歳。

    午後の発達外来に来られた、自我が生まれ始めたばかりの青年も、ことし二十歳。

    18年前は、まだ2才の二十歳です。

    いろんなことがあって、みんな、おおきくなられましたね。

    ハッちゃんのお散歩に出かけながら、朝日が昇ります。

    18年前の朝と同じように、朝日が昇ります。

    今朝は、117。

    これからも、ずーっと続く、大切な一日の始まりです。

    2013年1月17日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

     

     

  • 2013.01.15

    7+8= ハッちゃん寒くないの

    雪のみちは、肉球がチンチンします。

    わたしは、溝に落ちないように、

    安全に、安全に、歩きます。

    あれれ、ハッちゃん。

    そこは、冷たいお水が流れてるでしょ。

    しもやけになっても、しらないですからね。

    2013年1月15日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2013.01.08

    聴診器のむこうに ガオガオ~

    カラフル上着の4才の男の子は、

    「これ、なんやと思う?」

    青地に、赤色や黄色のテンテン・

    「ヒョウやで」と教えてくれて、

    ガオガオ・ポーズで、しめます。

    でも、ちっともこわくありません。

    おうちに来ると、

    ハッちゃんが、お尻を咬んでくれますよ。

    2013年1月8日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2012.12.27

    聴診器のむこうに はだしのサンタさん

    クリスマスが開けると、外来はプレゼントの話題でもちっきり。

    8才の女の子は、サンタさんから、ブーツをいただきました。

    ということは、帰り道のサンタさんは、はだしかなっ。

    寒い季節に、ご苦労様です。

    2012年12月27日

    いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

     

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