カンガルーの小部屋

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  • 2010.03.02

    聴診器のむこうに 動物くん勢ぞろい

    「まあ、たくさん並べてしまって・・すみません。」子どもさんの診察がおわり、おかあさんへ説明をしているわずかの間に、診察ベッドの上は動物くんの行列です。

    「いいよ、いいよ、かたづけても次の子がまた並べてくれるから。」とおかあさんにお伝えします。

    診察のあいだ、おもちゃ箱から机の上、机の上からおもちゃ箱へと、動物くんは何度忙しく往復することでしょう。

    今回は、特に見事に整列していましたので、記念写真を一枚撮らせてもらいました。

    「動物や怪獣が好きですので・・」と、おかあさんが謝られますので、「怪獣が好きなのっ、ぼく。先生のうちにも怪獣がいるよ。奥さんと言いますが・・」と返答しました。

    おかあさんにはおおうけでしたが、子どもさんはきょとんとした顔。

    おそろしいものは、怪獣など想像上の生き物などではありません。

    本当におそろしいものは、わたしの表も裏も知りつくしている、実際に目の前にいる生き物なのだという真理に気づくためには、子ども君、もう少し修行が必要なのでしょうね。

                           2010年3月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.02

    聴診器のむこうに 200kg

    肺機能を測定するために、まずは基礎データとして身長と体重とを計ります。

    「わあ、200キロ」というこえが聞こえます。

    確かめに行きますと、デジタル体重計の表示は「20.0kg」

    双子の男の子が、「200キロ、200キロ」とうれしそうに叫びます。

    顔つきも体格も、そして声までもがそっくりですので、200キロという声が、ステレオ音声となって届きます。

    「なにを食べたら200キロになるの」と尋ねますと、「ポテトチップスに、おせんべい4枚に・・」と、続きます。

    学校に行ったら、まずは体重の読みとり方を勉強してくださいね。

    それとステレオ音声のわざは、まわりの人の混乱させてしまうことがありますので、用量用法には十分に注意してくださいね。

                           2010年3月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.01

    聴診器のむこうに ギラティナやて

    診察が終わり、ドアを開けて出ていこうとする男の子の背中に、「じゃあね、また。ギラティナくん。」と声をかけます。

    ドアの外で「ギラティナやて、おかあさん、ギラティナやて」という男の子のうれしそうな声が聞こえます。

    ギラティナは、ご存じのようにポケモンのスターのひとり。

    かわいくはありませんが、強さで子ども達には人気です。

    ポケモンのTシャツは、ユニクロなどで販売されることがありますが、残念ながら140cmまでのサイズしかありません。

    大人用のものがあれば、診察室で着ることができるのにと探すのですが、見つかりません。

    そう言うわけで、「ギラティナくん」と声をかけたのは、うらやましかったからですよ。

    ギラティナくん。

                           2010年3月1日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.28

    聴診器のむこうに こくぼ二世くん

    7才の男の子の鼻の下に、ちいさな傷を見つけました。

    花粉症のシーズンですので、鼻をかみすぎたのかと思い尋ねますと、「ころんだんです。」と、おかあさん。どんな状況での出来事なのかの説明会になりました。

    「雨の日で、右手には手提げバッグ、左手にはカサ。ランドセルは重くて、顔面からころんだんです。」

    「しかも学校のローカで、コンクリートのうえで・・」ひぇー痛そー。

    「上着もローカも血まみれになって、すぐ呼び出されました。」わーっ、とっても大変。

    バンクーバー・オリンピックでは、何かとお騒がせのこくぼ選手。

    顔面を強打し、腫れあがった写真と、男の子の姿とがダブリました。

    「でも、泣かなかったんです。先生がほめてくださって・・」

    おかあさんの最後の言葉をお聞きし、安堵しました。

    こくぼ選手ではないですが、「怪我ですか、それがあっての小学生なんで・・」とでも言いそうな、将来が楽しみな男の子の顔でした。

                           2010年2月28日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.26

    聴診器のむこうに 店長 パート2

    診察を終え、女子フィギュアのフリー演技を見ようとテレビがある待合室にむかいますと、「店長!」というお声がかかります。

    少し、間をおいて、「ハ、ハイ」

    あたまの中を、急いでフィギュアモードからブログに戻します。

    いつもブログを見ていただきましてありがとうございます。

    でも、出前のご注文は、フリー演技が終わってからにしてくださいね。

                           2010年2月26日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏  

  • 2010.02.26

    聴診器のむこうに こんなにかわいいのに

    今日は1才半の男の子の登場です。

    このところ、予防注射や採血で、痛い思いをしていますので、診察室に入ってくるなり泣き続けます。

    卵を初めて食べる日ですが、涙はとまりません。

    しかたなくたまごは、待合室で食べていただくことにしました。

    診察室から出られるときに、「15年たったら、男の子はおっさんになるから。」と励ましの言葉をかけますと、おかあさんは、「それがこわいんです。こんなにかわいいのに。」と答えられました。

    おいおい、なぐさめるつもりで落ちこませて、どうするんですか、カンガルー店長。

                           2010年2月26日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.25

    聴診器のむこうに おひなさま

    もうすぐひな祭りです。

    あと数日で3歳になる女の子が、おひなさまをビニール袋に入れ、大切に持って登場です。

    保育所で作った帰りなのでしょうか。かたときも袋から手を離しません。

    お願いをして、袋から取り出し、カメラでパチリ。

    かわいい写真が撮れました。

    春は食物アレルギー指示書や、障害者年金、自立支援法などのいろいろな書類書きで忙しくなります。

    また春は、学校や施設の現状をお聞きする機会も多くなり、憤りから気持ちのバランスを保つことが難しいときがあります。

    今日も学校の食物アレルギー対応のことで、少しイライラしていましたが、おひなさまを見せてもらうと、うそのように落ち着くことができました。

    女の子とおひなさまに感謝、感謝です。

                           2010年2月25日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.24

    聴診器のむこうに 予防注射

    2月のはじめに、歯科の事務長さんに、インフルエンザワクチンを接種しました。

    いつもダンディーな方ですが、その日は一段と物静かで言葉も控え目です。

    接種が終わって、急に顔色もよくなられ、おしゃべりも増えました。

    それって、ただ注射が怖かったっていうことですか?

    子どものみなさんへ。みなさんの方が注射のときに頑張っていますよ。

    注射を怖がっているおとなを見かけたら、「だいじょうぶだから」と、励ましてあげてくださいね。

                           2010年2月24日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.22

    聴診器のむこうに ランドセルの色

    新入学を前に、「ランドセル買った?。何色かなっ?」と、声をかけることが多くなりました。

    一年生になる子どもさんにとって、ランドセルは新しい生活の象徴です。

    ランドセルという言葉を聞くと、どの子どもさんもうれしそうな顔をします。

    今日、来られた女の子さんは、「パラダイスピンク」とうれしそうに答えてくれました。

    「パラダイスピンク?パラダイスピンクって、どんな色なのかな」と想像して、ドキドキしました。

    先日のおかあさんは、「バーゲンで半額だったので、2つ買いました。」と答えられました。2つのランドセルを、どのように使いわけられるのかと、これまた興味津々。

    ピカピカのランドセルに少しづつ小さな傷がふえ、汚れが目立つようになっても、どの子どもさんも学校が大好きで、元気な笑顔で通われることを願っています。

                           2010年2月22日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.22

    聴診器のむこうに カニさん カニさん

    おかあさんが、カニの缶詰を持ってこられました。

    今日はカニの負荷試験です。

    カニの足を持ってきてくださいとお願いしていたのですが、持って来られたのはカニの缶詰。ラベルを見せてもらうと、純国産です。

    「1980円も、したんですよ。」と言われます。

    「ひゃー、セレブ~」と驚きますと、「清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったんです。レジに持っていってからも、買おうか買おまいかと考えて。」と続けられます。

    子どもさんは、早く食べたくてワクワク。おかあさんは心配でドキドキ。

    はじめは少し、次に足一本を食べさせてみます。

    大丈夫なのか、子どもさんはもっと食べたいと言いますが、今日の予定はこれでおしまい。

    「残りは、ハハのものです。」とキープされました。

    通常、負荷試験は日にちをおいて繰り返すのですが、先日の88円のイワシの缶詰と違い、カニ缶は無理!家計にはやさしくありません。

    子どもさんのたっての希望からのカニテストでしたが、わたしもおかあさんにとっても、なんとなく複雑な気持ちの負荷試験となりました。

                           2010年2月22日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.19

    聴診器のむこうに トライリンガル

    遠来の患者さんが来られました。

    台湾に住んでおられる6才の男の子です。

    診察をして、世間話のきっかけは、体格がとても大きいこと。

    6才で130cmもあります。

    「さすが南の国のかたは、陽がよくあたり、大きく育たれるんですね。」と会話がはじまります。

    話はやがてバレンタインに。

    チョコを交換する風習はあまりないこと。

    おまけに、今年は2月14日が、中国では一番にぎやかな旧正月にあたるために、大変にぎやかで、バレンタインどころではなかったとのことです。

    6才ですので、「もうすぐ学校ですね。」とお聞きしますと、「台湾では9月が入学式なんです。」と言われます。そして言葉は、「母とは日本語で、家では中国語で、学校では英語で話をするんです。」と続けられます。

    それって、トライリンガル!

    これからの国際社会の申し子みたいな男の子の、大人になった時の活躍を、いつか新聞紙上で見せていただけるのかなと、いまから楽しみになりました。

                           2010年2月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.02.19

    聴診器のむこうに フック船長

    風邪で受診されたお子さんのおかあさんから、「発表会に間に合いますか」と質問されることが増えています。

    昼間の時間が少しずつ長くなるのを感じるこの季節、生活発表会が開かれます。

    「何の役をするの?」と尋ねますと、「おさかな」という答え。

    劇の中の一つの役らしいのですが、桃太郎や金太郎にはおさかなは出てきませんので、浦島太郎なのかなと思いましたが、本人は分かっていないご様子。

    先日の男の子は、「ピーターパン」と答えてくれました。

    「ピーターパン!やったら、そら とぶの?」と言いますと、「とべへんわ、そんなん」

    「ピーターパンやったら、そらとぶやろ。落ちないように気をつけてね。」と、ボケますと、「フック船長やねん。」と答えます。

    少しフック船長のマネをしてくれましたが、小柄な男の子なので、かわいさが先に立ち、すごさや怖さは感じません。

    そう言えばわたしも白衣を着ないで関西風の芸風で仕事をしていますので、スーツを着て尋ねてこられた方に「院長先生にお会いしたいのですけれども」と尋ねられることがあります。「すぐに、探してきます。」と笑いながらお答えするのですが、内心は少し複雑です。

    かわいいフック船長さんもまた、いい味がでるかもしれませんね。

                           2010年2月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.17

    聴診器のむこうに スキー合宿

    神戸市の子どもは、6年生の冬にスキー合宿に出かけます。

    雪が少ない年には、ゲレンデで駆けっこになります。

    今年は、雪がたっぷりとありそうで、その面では安心なのですが、心配は健康面。

    喘息は、寒さと運動にであうと発作が起きやすくなります。おまけに冬の宿舎は布団を干すことができず、ダニも心配。

    ①寒さ。②運動、③ダニの対策として、考えられる限りの喘息対策をお教えして送り出します。

    今日来られた男の子には、もう一つの心配事を伝えました。

    ゲレンデで滑っていて、髪の長い人が隣にいたら、後をついていかないこと。その人は雪女かも知れません。隣の人が毛深かったとしたら、後をついていかないこと。その人は雪男かも知れません。

    いろいろな注意を与えながら、今日もスキー合宿の相談をお受けしています。

                           2010年2月17日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.17

    聴診器のむこうに お手、おすわり

    先日の6才の男の子の続編です。

    「先生、おにいちゃんが弟に、お手、お手って教えるんです。」とおかあさんが言われます。

    そういえば、1か月前に診察したときに、男の子と、9か月のおとうと君と、おかあさんと3人で来られましたので、「おにいちゃん、おとうと君にいろいろと教えてあげてね。お手、とか教えてあげて、仲良くしてあげてね。」と話したことを思い出しました。

    「何度もお手、お手と教えて、この間もお手できるようになったよと言うんです。先生のひと言の影響がおおきいんですから。」と、おしかりともジョークともつかないお言葉をいただきました。

    微妙な空気には、中央突破するほかありません。

    男の子には、「今度は、おすわり を教えてあげてね。」と伝えました。

    おかあさん、ごめんなさいね。

                           2010年2月17日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.16

    聴診器のむこうに 88円ですから

    魚のアレルギーがある、6才の男の子がやってきました。

    今日はイワシのかんづめの負荷試験です。15分ごとに2回に分けてイワシを食べ、大丈夫かどうか確かめます。40分ほど様子を見ましたが、今日のテストは大丈夫でした。

    「これで家計が助かりますね。」と言いますと、おかあさんは「88円ですから。」と受けられます。

    男の子に「ところで、家計ってなに?」と、問いかけますと、「???」

    男の人は、大人になっても家計がよく分からないものですから、あなたは立派に大人の人になれる資格がありますよ。

    帰って試しに子どもに「家計ってなに?」と聞きますと、「食事代に、電気代に、水道代に・・・」と、話は続きます。あなたは、立派な主婦になれますよ。でも、その前にはやく寝なさい!

                           2010年2月16日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.15

    聴診器のむこうに バレンタインの翌日に

    5才の女の子が、チョコひと粒が入った袋を手渡してくれました。

    2年生のおにいさんには、卵と牛乳アレルギーがありますので、「チョコの話題をどうフォローしようかな」と思っていますと、「このチョコは、卵も牛乳も、小麦も入っていないので、通販で買いました。」とおかあさんが言われました。

    3人兄弟の診察の間に、銀紙をほどき、少し大きめのチョコを口にほおり込みました。

    あまり甘くなくビターな大人の味。なかなかいける一品です。

    兄弟みんなが食べられるようにと、アレルゲンぬきのチョコレートを探されたのかなと思います。

    おにいさん、このチョコは先生が食べた中で、一番おいしいチョコでしたよ。

    少し後で、小学6年生の女の子が来ました。

    「チョコ、誰かにあげたの。」と聞きますと、「あげてへん。うちのクラスにイケメンいいへんもん。」と答えます。

    「男はイケメンと違うよ。」と返しますと、「そうやな、やっぱりお金やな、お金。」と答えます。

    この話を帰ってから家でしますと、「わたしも、そう思う」と奥さんに同意されてしまいました。

    小学生の男子諸君。世の中は、家族の愛と、世間のきびしさと、二つながら真実ですよ。

                           2010年2月15日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.14

    聴診器のむこうに たけちゃ~ん

    診察室に先に入ってこられたおかあさんが振り返り、愛らしい声で「たけちゃ~ん」と呼ばれます。

    てっきり、小さい子が入ってくるのかと思いますと、ドアを開けて入ってこられたのは、子どもさんを腕に抱えた大きな体のおとうさんでした。

    少し恥ずかしそうに、何も言われず立っておられます。

    「アレッ、少しヘン」と思い、カルテの表紙の名前を確認しますと、子どもさんは たけちゃん ではありません。きっと、おとうさんの愛称なのでしょう。

    「素敵ですね。お名前で呼ばれるのは。」と、声をかけました。

    「おとうさん」でもなく、「はやくしてよ」でもなく、優しく愛称で呼ばれるそれだけで、温かいご家庭の様子がうかがえました。

    みなさんは、おとうさんのことをどのように呼ばれていますか。

    ちなみに、木村家での呼び方は秘密事項に属します。

    以前、オレオレ詐欺の電話がかかってきたときに、この秘密事項が役にたちました。

                           2010年2月14日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.14

    聴診器のむこうに ライオンの絵

    「はやくしなさい」診察室でおかあさんが声をかけます。

    2年生の男の子は「ちょっと待って」と言いながら、診察室の机を占領して、手を動かします。

    大きめの紙には、何やら絵が書かれています。

    簡単な診察の後、「じゃ、好きに書いてもいいよ」とOKを出しますと、数十秒も経たないうちに「ライオン」の完成です。

    どことなくエキゾチックで、大人の絵とも、子どもの絵とも言えない味があります。

    「もらってもいいですか」 診察室の壁がまた一つ、にぎやかになりました。

                           2010年2月14日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.10

    聴診器のむこうに 店長!

    アトピー性皮膚炎への軟膏の塗り方の説明を終わり、次の説明に移ろうとした丁度その時、おかあさんから「店長!」というお声がかかりました。あまりにも絶妙のタイミングでしたので、思わず「ハイっ」と返事をしました。そのあと「失礼ですけれど、居酒屋さんかどこかにお勤めですか?」とお聞きしますと、「パン屋さんに勤めているんです。」と答えられました。

    いつもは「先生!」とか「院長!」という呼称で呼ばれることが多いのですが、「店長!」という響きも捨てたものではありません。

    少なくとも「先生」と呼ばれるよりは居心地よく思いました。

    外来に来られた時には、一度「店長!」と呼んでみてくださいね。

    「ハイっ、まいど。」とお答えするかもしれません。お楽しみに。

                          2010年2月10日

                          いたやどクリニック小児科 木村 彰宏

  • 2010.02.08

    聴診器のむこうに ぼくデートしたよ

    「ぼく デートしたよっ。」診察室に入るなり、年長さんの男の子が叫ぶように教えてくれました。「パティオで、それでお椅子をさがして・・」と続けます。

    おかあさんが「並んで座ろうと思ってベンチを探したんですけど、開いてるとこがなくて」とフォローしてくださいました。手をつないで歩いて、「それでどんなお話しをしたの?」と聞きますと、「わすれた・・」

    あまりのうれしさに、何をお話ししたのかは、すっかりと忘れてしまったようです。

    その後、入学前のアレルギー検査をしましたが、泣かずに頑張り、看護師さんにほめられました。

    生まれた時から、おとなになるまでの子どもの成長とおつき合いできる幸せは、小児科医に許された特権なのかもしれません。

    この仕事が、またひとつ好きになりました。

                           2010年2月8日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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