カンガルーの小部屋

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  • 2010.03.11

    聴診器のむこうに あっぱれ、マリオかあさん

    最後の子どもさんの診察をしていますと、中待合い室からおかあさんの声が聞こえてきます。「ここでコインをとって、洞窟に入って・・」

    どうも、ゲームソフトの攻略の話のようです。

    何故おかあさんがゲームの話をされているんだろうと不思議に思っていました。

    おかあさんと一緒に話をしている男の子は、今日は厚揚げの負荷試験中です。

    大豆アレルギーは、煮豆が食べられても、豆腐や豆乳、厚揚げや薄揚げは食べられないと言う、少し変わったアレルギーですので、今日は厚揚げに挑戦です。

    1cm角を3つ、次の5つ食べていただきましたが、喉が痛い、気分が悪いと不安定な訴えをします。

    じんましんが出たり、咳をしますと、食べたものが悪いとすぐに分かるのですが、痛みや不快感は本人にしか分かりません。

    そこで、おかあさんは子どもさんの気持ちをそらそうとして、一番好きなマリオの話をされていたわけです。

    あっぱれ、マリオかあさん。

    あなたは、子どものこころがおわかりの負荷試験の三つ星マイスターです。

    これからも、いろんな食べ物に挑戦していきましょうね。

                           2010年3月11日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.08

    聴診器のむこうに 何回跳べるの

    2年生のおねえさんが縄跳びの話をします。

    「わたし、2重跳びが9回跳べるの」とうれしそう。

    それをきいて、「先生は何回跳べると思う?」と質問しますと、「何回かなあ、わたしより多いかなあ。10回以上かなあ」と言います。

    「無理!正解は0回です」と伝えます。

    それを聞いていたもうすぐ一年生のいもうとさんが、「わたしは、前まわり1回」と言います。

    再び「先生は何回跳べると思う?」と質問しますと、「10回!」と、おねえさんと同じように答えます。

    「正解は0回です。先生は手を回すと、足では跳べません。足で跳ぶと、手は回りません。」と言いますと、不思議なものを見るような目でみつめます。

    「でも、大人になったら、こうしてお話ししながら、カルテも書けるようになったでしょ。」と人間発達の神髄をお話ししますと、「それだけなん~」と見事に否定されてしまいました。

    そうです。

    二重跳びや前まわりができるあなた達の方が、よほどに立派ですよ。

    でも、おとなの中にはクリニックの事務長さんのように、同時に10個の違う種類の仕事をこなせる大人の達人もいますので、わたしを大人の代表と思わないでくださいね。

                           2010年3月8日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.04

    聴診器のむこうに お大師さん

    毎月20と21の日には、須磨寺はお大師さん(弘法大師御影供)で賑わいます。

    境内に続く参道には、いろいろなお店が並びます。

    そのひとつに、「じゅうしん須磨寺作業所」のお店があります。

    お大師さんが近づくと、作業所では、みんなでじゃがいもやにんじんの買い出しに出かけます。20才になる車椅子の青年もそのひとりです。

    お大師さんの当日には、ボランティアの方に力をお借りしながら、カレーライスやぜんざいが販売されます。

    年末には丹波の黒豆が好評で、ボーナスが出たと喜んでおられました。

    「なにに使われたのですか」とお聞きしますと、「この子が自分で服を選ぶんです。」と言われます。

    「おかあさんも行かれるんですか」とお尋ねしますと、「この子は、母が来ると嫌がるんです。」と言われます。

    「めがねに、マスクに、帽子に、しっかりと変装して怪しい格好で出かけられたら。」と助言をしました。

    お大師さんに行かれるときには、青年のお店にも是非お立ち寄りください。

    そして、変装姿のおかあさんも、見つけてくださいね。

                           2010年3月4日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.04

    聴診器のむこうに 素敵な笑顔

    20才の青年が来られました。

    駐車場から、電動車椅子を操縦しての登場です。

    おかあさんに、数枚の写真を見せていただきました。

    振り袖姿のおじょうさん方に囲まれた、素敵な笑顔の写真です。

    小学校6年生のときの、同級生の女の子が「二十才になったときに、会いましょうね。」という約束をしてくれました。

    その約束を覚えていてくれて、成人式の会場で再開が実現したわけです。

    青年は言葉を理解することができるのですが、自らは発語できません。

    それでも写真に写った姿は、いつもの前屈みではなく、背筋をしっかりと伸ばして、満面に笑みを浮かべたカメラ目線です。

    こんな素敵な笑顔の青年を、これまでの診察では見たことがありません。

    よかったね。本当によかったですね。

    おじょうさん方の優しさにも、感謝、感謝です。

    おひなさまの日にふさわしい、素敵な写真を見せていただき、わたしも幸せな気持ちになりました。

                           2010年3月4日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.02

    聴診器のむこうに 動物くん勢ぞろい

    「まあ、たくさん並べてしまって・・すみません。」子どもさんの診察がおわり、おかあさんへ説明をしているわずかの間に、診察ベッドの上は動物くんの行列です。

    「いいよ、いいよ、かたづけても次の子がまた並べてくれるから。」とおかあさんにお伝えします。

    診察のあいだ、おもちゃ箱から机の上、机の上からおもちゃ箱へと、動物くんは何度忙しく往復することでしょう。

    今回は、特に見事に整列していましたので、記念写真を一枚撮らせてもらいました。

    「動物や怪獣が好きですので・・」と、おかあさんが謝られますので、「怪獣が好きなのっ、ぼく。先生のうちにも怪獣がいるよ。奥さんと言いますが・・」と返答しました。

    おかあさんにはおおうけでしたが、子どもさんはきょとんとした顔。

    おそろしいものは、怪獣など想像上の生き物などではありません。

    本当におそろしいものは、わたしの表も裏も知りつくしている、実際に目の前にいる生き物なのだという真理に気づくためには、子ども君、もう少し修行が必要なのでしょうね。

                           2010年3月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.02

    聴診器のむこうに 200kg

    肺機能を測定するために、まずは基礎データとして身長と体重とを計ります。

    「わあ、200キロ」というこえが聞こえます。

    確かめに行きますと、デジタル体重計の表示は「20.0kg」

    双子の男の子が、「200キロ、200キロ」とうれしそうに叫びます。

    顔つきも体格も、そして声までもがそっくりですので、200キロという声が、ステレオ音声となって届きます。

    「なにを食べたら200キロになるの」と尋ねますと、「ポテトチップスに、おせんべい4枚に・・」と、続きます。

    学校に行ったら、まずは体重の読みとり方を勉強してくださいね。

    それとステレオ音声のわざは、まわりの人の混乱させてしまうことがありますので、用量用法には十分に注意してくださいね。

                           2010年3月2日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.03.01

    聴診器のむこうに ギラティナやて

    診察が終わり、ドアを開けて出ていこうとする男の子の背中に、「じゃあね、また。ギラティナくん。」と声をかけます。

    ドアの外で「ギラティナやて、おかあさん、ギラティナやて」という男の子のうれしそうな声が聞こえます。

    ギラティナは、ご存じのようにポケモンのスターのひとり。

    かわいくはありませんが、強さで子ども達には人気です。

    ポケモンのTシャツは、ユニクロなどで販売されることがありますが、残念ながら140cmまでのサイズしかありません。

    大人用のものがあれば、診察室で着ることができるのにと探すのですが、見つかりません。

    そう言うわけで、「ギラティナくん」と声をかけたのは、うらやましかったからですよ。

    ギラティナくん。

                           2010年3月1日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.28

    聴診器のむこうに こくぼ二世くん

    7才の男の子の鼻の下に、ちいさな傷を見つけました。

    花粉症のシーズンですので、鼻をかみすぎたのかと思い尋ねますと、「ころんだんです。」と、おかあさん。どんな状況での出来事なのかの説明会になりました。

    「雨の日で、右手には手提げバッグ、左手にはカサ。ランドセルは重くて、顔面からころんだんです。」

    「しかも学校のローカで、コンクリートのうえで・・」ひぇー痛そー。

    「上着もローカも血まみれになって、すぐ呼び出されました。」わーっ、とっても大変。

    バンクーバー・オリンピックでは、何かとお騒がせのこくぼ選手。

    顔面を強打し、腫れあがった写真と、男の子の姿とがダブリました。

    「でも、泣かなかったんです。先生がほめてくださって・・」

    おかあさんの最後の言葉をお聞きし、安堵しました。

    こくぼ選手ではないですが、「怪我ですか、それがあっての小学生なんで・・」とでも言いそうな、将来が楽しみな男の子の顔でした。

                           2010年2月28日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.26

    聴診器のむこうに 店長 パート2

    診察を終え、女子フィギュアのフリー演技を見ようとテレビがある待合室にむかいますと、「店長!」というお声がかかります。

    少し、間をおいて、「ハ、ハイ」

    あたまの中を、急いでフィギュアモードからブログに戻します。

    いつもブログを見ていただきましてありがとうございます。

    でも、出前のご注文は、フリー演技が終わってからにしてくださいね。

                           2010年2月26日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏  

  • 2010.02.26

    聴診器のむこうに こんなにかわいいのに

    今日は1才半の男の子の登場です。

    このところ、予防注射や採血で、痛い思いをしていますので、診察室に入ってくるなり泣き続けます。

    卵を初めて食べる日ですが、涙はとまりません。

    しかたなくたまごは、待合室で食べていただくことにしました。

    診察室から出られるときに、「15年たったら、男の子はおっさんになるから。」と励ましの言葉をかけますと、おかあさんは、「それがこわいんです。こんなにかわいいのに。」と答えられました。

    おいおい、なぐさめるつもりで落ちこませて、どうするんですか、カンガルー店長。

                           2010年2月26日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.25

    聴診器のむこうに おひなさま

    もうすぐひな祭りです。

    あと数日で3歳になる女の子が、おひなさまをビニール袋に入れ、大切に持って登場です。

    保育所で作った帰りなのでしょうか。かたときも袋から手を離しません。

    お願いをして、袋から取り出し、カメラでパチリ。

    かわいい写真が撮れました。

    春は食物アレルギー指示書や、障害者年金、自立支援法などのいろいろな書類書きで忙しくなります。

    また春は、学校や施設の現状をお聞きする機会も多くなり、憤りから気持ちのバランスを保つことが難しいときがあります。

    今日も学校の食物アレルギー対応のことで、少しイライラしていましたが、おひなさまを見せてもらうと、うそのように落ち着くことができました。

    女の子とおひなさまに感謝、感謝です。

                           2010年2月25日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.24

    聴診器のむこうに 予防注射

    2月のはじめに、歯科の事務長さんに、インフルエンザワクチンを接種しました。

    いつもダンディーな方ですが、その日は一段と物静かで言葉も控え目です。

    接種が終わって、急に顔色もよくなられ、おしゃべりも増えました。

    それって、ただ注射が怖かったっていうことですか?

    子どものみなさんへ。みなさんの方が注射のときに頑張っていますよ。

    注射を怖がっているおとなを見かけたら、「だいじょうぶだから」と、励ましてあげてくださいね。

                           2010年2月24日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.22

    聴診器のむこうに ランドセルの色

    新入学を前に、「ランドセル買った?。何色かなっ?」と、声をかけることが多くなりました。

    一年生になる子どもさんにとって、ランドセルは新しい生活の象徴です。

    ランドセルという言葉を聞くと、どの子どもさんもうれしそうな顔をします。

    今日、来られた女の子さんは、「パラダイスピンク」とうれしそうに答えてくれました。

    「パラダイスピンク?パラダイスピンクって、どんな色なのかな」と想像して、ドキドキしました。

    先日のおかあさんは、「バーゲンで半額だったので、2つ買いました。」と答えられました。2つのランドセルを、どのように使いわけられるのかと、これまた興味津々。

    ピカピカのランドセルに少しづつ小さな傷がふえ、汚れが目立つようになっても、どの子どもさんも学校が大好きで、元気な笑顔で通われることを願っています。

                           2010年2月22日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.22

    聴診器のむこうに カニさん カニさん

    おかあさんが、カニの缶詰を持ってこられました。

    今日はカニの負荷試験です。

    カニの足を持ってきてくださいとお願いしていたのですが、持って来られたのはカニの缶詰。ラベルを見せてもらうと、純国産です。

    「1980円も、したんですよ。」と言われます。

    「ひゃー、セレブ~」と驚きますと、「清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったんです。レジに持っていってからも、買おうか買おまいかと考えて。」と続けられます。

    子どもさんは、早く食べたくてワクワク。おかあさんは心配でドキドキ。

    はじめは少し、次に足一本を食べさせてみます。

    大丈夫なのか、子どもさんはもっと食べたいと言いますが、今日の予定はこれでおしまい。

    「残りは、ハハのものです。」とキープされました。

    通常、負荷試験は日にちをおいて繰り返すのですが、先日の88円のイワシの缶詰と違い、カニ缶は無理!家計にはやさしくありません。

    子どもさんのたっての希望からのカニテストでしたが、わたしもおかあさんにとっても、なんとなく複雑な気持ちの負荷試験となりました。

                           2010年2月22日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.19

    聴診器のむこうに トライリンガル

    遠来の患者さんが来られました。

    台湾に住んでおられる6才の男の子です。

    診察をして、世間話のきっかけは、体格がとても大きいこと。

    6才で130cmもあります。

    「さすが南の国のかたは、陽がよくあたり、大きく育たれるんですね。」と会話がはじまります。

    話はやがてバレンタインに。

    チョコを交換する風習はあまりないこと。

    おまけに、今年は2月14日が、中国では一番にぎやかな旧正月にあたるために、大変にぎやかで、バレンタインどころではなかったとのことです。

    6才ですので、「もうすぐ学校ですね。」とお聞きしますと、「台湾では9月が入学式なんです。」と言われます。そして言葉は、「母とは日本語で、家では中国語で、学校では英語で話をするんです。」と続けられます。

    それって、トライリンガル!

    これからの国際社会の申し子みたいな男の子の、大人になった時の活躍を、いつか新聞紙上で見せていただけるのかなと、いまから楽しみになりました。

                           2010年2月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏 

  • 2010.02.19

    聴診器のむこうに フック船長

    風邪で受診されたお子さんのおかあさんから、「発表会に間に合いますか」と質問されることが増えています。

    昼間の時間が少しずつ長くなるのを感じるこの季節、生活発表会が開かれます。

    「何の役をするの?」と尋ねますと、「おさかな」という答え。

    劇の中の一つの役らしいのですが、桃太郎や金太郎にはおさかなは出てきませんので、浦島太郎なのかなと思いましたが、本人は分かっていないご様子。

    先日の男の子は、「ピーターパン」と答えてくれました。

    「ピーターパン!やったら、そら とぶの?」と言いますと、「とべへんわ、そんなん」

    「ピーターパンやったら、そらとぶやろ。落ちないように気をつけてね。」と、ボケますと、「フック船長やねん。」と答えます。

    少しフック船長のマネをしてくれましたが、小柄な男の子なので、かわいさが先に立ち、すごさや怖さは感じません。

    そう言えばわたしも白衣を着ないで関西風の芸風で仕事をしていますので、スーツを着て尋ねてこられた方に「院長先生にお会いしたいのですけれども」と尋ねられることがあります。「すぐに、探してきます。」と笑いながらお答えするのですが、内心は少し複雑です。

    かわいいフック船長さんもまた、いい味がでるかもしれませんね。

                           2010年2月19日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.17

    聴診器のむこうに スキー合宿

    神戸市の子どもは、6年生の冬にスキー合宿に出かけます。

    雪が少ない年には、ゲレンデで駆けっこになります。

    今年は、雪がたっぷりとありそうで、その面では安心なのですが、心配は健康面。

    喘息は、寒さと運動にであうと発作が起きやすくなります。おまけに冬の宿舎は布団を干すことができず、ダニも心配。

    ①寒さ。②運動、③ダニの対策として、考えられる限りの喘息対策をお教えして送り出します。

    今日来られた男の子には、もう一つの心配事を伝えました。

    ゲレンデで滑っていて、髪の長い人が隣にいたら、後をついていかないこと。その人は雪女かも知れません。隣の人が毛深かったとしたら、後をついていかないこと。その人は雪男かも知れません。

    いろいろな注意を与えながら、今日もスキー合宿の相談をお受けしています。

                           2010年2月17日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.17

    聴診器のむこうに お手、おすわり

    先日の6才の男の子の続編です。

    「先生、おにいちゃんが弟に、お手、お手って教えるんです。」とおかあさんが言われます。

    そういえば、1か月前に診察したときに、男の子と、9か月のおとうと君と、おかあさんと3人で来られましたので、「おにいちゃん、おとうと君にいろいろと教えてあげてね。お手、とか教えてあげて、仲良くしてあげてね。」と話したことを思い出しました。

    「何度もお手、お手と教えて、この間もお手できるようになったよと言うんです。先生のひと言の影響がおおきいんですから。」と、おしかりともジョークともつかないお言葉をいただきました。

    微妙な空気には、中央突破するほかありません。

    男の子には、「今度は、おすわり を教えてあげてね。」と伝えました。

    おかあさん、ごめんなさいね。

                           2010年2月17日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.16

    聴診器のむこうに 88円ですから

    魚のアレルギーがある、6才の男の子がやってきました。

    今日はイワシのかんづめの負荷試験です。15分ごとに2回に分けてイワシを食べ、大丈夫かどうか確かめます。40分ほど様子を見ましたが、今日のテストは大丈夫でした。

    「これで家計が助かりますね。」と言いますと、おかあさんは「88円ですから。」と受けられます。

    男の子に「ところで、家計ってなに?」と、問いかけますと、「???」

    男の人は、大人になっても家計がよく分からないものですから、あなたは立派に大人の人になれる資格がありますよ。

    帰って試しに子どもに「家計ってなに?」と聞きますと、「食事代に、電気代に、水道代に・・・」と、話は続きます。あなたは、立派な主婦になれますよ。でも、その前にはやく寝なさい!

                           2010年2月16日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

  • 2010.02.15

    聴診器のむこうに バレンタインの翌日に

    5才の女の子が、チョコひと粒が入った袋を手渡してくれました。

    2年生のおにいさんには、卵と牛乳アレルギーがありますので、「チョコの話題をどうフォローしようかな」と思っていますと、「このチョコは、卵も牛乳も、小麦も入っていないので、通販で買いました。」とおかあさんが言われました。

    3人兄弟の診察の間に、銀紙をほどき、少し大きめのチョコを口にほおり込みました。

    あまり甘くなくビターな大人の味。なかなかいける一品です。

    兄弟みんなが食べられるようにと、アレルゲンぬきのチョコレートを探されたのかなと思います。

    おにいさん、このチョコは先生が食べた中で、一番おいしいチョコでしたよ。

    少し後で、小学6年生の女の子が来ました。

    「チョコ、誰かにあげたの。」と聞きますと、「あげてへん。うちのクラスにイケメンいいへんもん。」と答えます。

    「男はイケメンと違うよ。」と返しますと、「そうやな、やっぱりお金やな、お金。」と答えます。

    この話を帰ってから家でしますと、「わたしも、そう思う」と奥さんに同意されてしまいました。

    小学生の男子諸君。世の中は、家族の愛と、世間のきびしさと、二つながら真実ですよ。

                           2010年2月15日

                           いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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