カンガルーの小部屋

2024.06.19

カンガルーの本棚 こころで泣いて

重松清さんの「かぞえきれない星の、その次の星」(角川文庫)を読みました。

笑顔の奥にある悲しみを描いて11の短いお話

「送り火のあとで」と題された短編は、

病気で母をなくし、新しい母を迎えた姉と弟の物語

亡き母の精霊を迎え送るお盆の送り火に、家族の悲しみがひろがり、

そして希望の残り火が、灯り続けます。

2024年6月19日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

2024.06.18

聴診器のむこうに みんなで手分けして

16才の女の子は、野球部のマネージャー

「部員に、お守りとか作ってあげるのかな」と尋ねると、

「いま おサルのお人形を、作ってるんです」

「だったら、特別な子には、中に手紙なんか入れたりして」と深読みすると、

「ややこしくなるから、みんなで、手紙は入れないようにって決めたんです」

青春の告白は、こうして消えていったのでした。

2024年6月18日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

2024.06.17

聴診器のむこうに 手には日本語で

14才の女の子は、ESS部で活躍中

手には、しばらくの予定がびっしりと書かれています。

でも、これって日本語で書いた予定表

将来は、英語で予定を書けるようなるといいですよね

2024年6月17日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

2024.06.16

散歩のたのしみ 昼と夜の宇宙船

北九州博多で開かれた、アトピー性皮膚炎の講演会に出かけました。

ホテルからは、まあるいドーム球場が望めます。

昼と夜の姿は、別もののよう。

今にも宇宙にむけて、飛び立ちそうです。

2024年6月16日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

2024.06.15

カンガルーの本棚 貧しさのゆえに

桐野夏生さんの「燕は戻ってこない」(集英社文庫)を読みました。

北の果て、北海道は北見市から東京に出てきた主人公は、

正規職員の職を得ることができず、

10円、20円を節約して食べるだけの生活に疲れ果てます。

思い余って手をだしたのが、「代理母」の契約

悩み、苦しみ、そして生まれた双子を前に出した答えとは

NHK連続ドラマに魅せられて手に取った、問題作です

2024年6月15日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

2024.06.14

聴診器のむこうに マスクがわりに

5才の男の子は、仮面をつけて登場します。

何かのキャラクターを、おとうさんに作ってもらったとか

裏に、セロテープをつけて、顔に直接貼り付けています。

診察の後も、もう一度 顔にペタリ、

もしかして、このマスクが大流行したりなんかして

特許で儲けたお金は、山分けとしましょうね。

2024年6月14日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

2024.06.13

聴診器のむこうに 一緒に遊べて楽しかった

4才の男の子は、得意げにぬいぐるみを見せてくれます

名前は、「キャットナップ」、、ホラーゲームに出てくるキャラクターです。

男の子に抱っこしてもらい、お椅子に座らせて、

次は、わたしの肩に、おんぶします。

胸についている黄色いバナナのようなものは、お月さま

さっそく、地球儀とツーショット。

しっかり遊んで、また今度も一緒にあそぼうね

2024年5月13日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

2024.06.12

あたまのよくなるカンガルー 実感を持てるかが

6月11日ハーバーランドで開かれた「RSワクチン」の講演会に出かけました。

講師は、北野病院の丸毛聡先生です。

RSウイルス感染の特徴から始まり、

先生の病院でのご経験に話が進む頃より、お話しに熱がこもり始めます。

統計的な説明では納得できるものの、

簡易な検査手段がなく、目の前の成人の患者さんがRSウイルス感染症なのかどうかが

鑑別がつかない現状では、医師も患者さんもRSウイルス感染の怖さの実感が持てないでいます。

知識と、実感とのギャップをどう埋めていけばよいのか、

迷いながらの講演会でした。

2024年6月12日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

2024.06.11

聴診器のむこうに 正解までの道のりは

高校一年生の男の子に、部活は何に決めたのかなと尋ねます。

男の子は、「ラケット」と、ヒントを出してくれます。

さては、クイズ形式の会話かな

笑いをとろうと、「野球」と答えるとブーッ、「サッカー」もブーッ

看護師さんは「相撲」と、どんどん方向がずれていきます。

冗談はおしまいにして、正解を急がねばと「テニスでしょ」と答えると、ブッブー

男の子はあきれ顔で「卓球です」

次の診察も、あきれずに来てくださいね

2024年6月11日

いたやどクリニック 木村彰宏

2024.06.10

カンガルーの本棚 川を渡るとき

西條奈加さんの「三途の川の落しもの」(幻冬舎文庫)を読みました。

小学校6年生の少年は、自分の体から魂が抜け出ていく体験をします。

歩き続けて着いたところは、三途の川の河原。

現世への未練を残した人の訳を探しに、現生に戻る旅を続けるうちに、

少年は、自分の身に起きた出来事を思い出していきます。

不思議な、そして温かな物語です。

2024年6月10日

いたやどクリニック小児科 木村彰宏

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