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2012.05.29
聴診器のむこうに きりん組
5才の女の子に、尋ねます。
「幼稚園に通ってるの?、なに組かなっ?」
即答がないので、続けます。
「へび組かなっ?、もぐら組かなっ、それとも、からす組?」など、あまりつけられない名前を並べます。
女の子の答えは「きりん」
そう、期待通りのかわいい名前です。
何か言いたそうなので、耳をすますと「きり組」
「きりん」ではなくて、「きり」です。
なんて「しぶい」名前でしょう。
でも、ギリギリ、ありえる名前ですね。
2012年5月29日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.16
聴診器のむこうに ラストパス
8才の男の子を前に、いつもの冗談がでます。
「ねえねえ、この間、すごい風だったでしょ。
寝ている間に風で飛ばされて、
起きると、違うお母さんの隣で、寝てた子が、いたんだって」
男の子は、頭から信じていないという顔をします。
「ボクだったら、今のお母さんと、新しいお母さんと、どっちのお母さんがいい?」
と、質問します。
男の子は、少し考えて、首を傾げます。
そういう時には、すぐさまふりかえり、「ぼくのお母さんの方です」と言うんですよ。
せっかくのラストパス。
見逃さないで、決勝ゴールを、決めてくださいね。
2012年5月16日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.05.10
聴診器のむこうに 雨の日かえる
雷の音とともに、雨が降りだします。
雨の日は、外来受診もひと仕事。
4才の女の子の足元には、かえるさん。
診察前に、カメラに収めます。
「かえる、好き?」って、尋ねると、
「うん」と、答えます。
雨の日も、かえるさんと一緒に、通ってきてくださいね。
2012年5月10日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.29
聴診器のむこうに おばけだぞ~
2才の男の子のシャツの柄は、おや、なんの模様かな?
青くって、ギザギザで、おててつき。
おめめは、ギョロリで、お口からは、白いきば。
「おばけです」とは、おかあさん。
なるほど、国籍不明の「おばけ」です。
ハッちゃん、「う~」って、ほえないでくださいね。
2012年4月29日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.24
聴診器のむこうに コートネームは
高校生の女の子のカバンには、おおきなストラップ。
「これ、どうしたの?」って、尋ねます。
女の子の部活は、バスケットボールです。
「コートネーム」は、「KOKO」
こころざしの、「ここ」です。
先輩が名づけて、ストラップを、プレゼント。
ほんとうに、楽しそうに話します。
がんばれ、高校生。
こころざしを高くして、ゴールにシュート!
2012年4月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.23
聴診器のむこうに ピーターパン
年長さんの新しいクラスは、ピーターパン。
緑色の服を着て、おとなしく坐ります。
もうすぐ、診察は終わるので、
それまで、お空に飛んでいかないでくださいね。
2012年4月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.21
聴診器のむこうに 長い夢
5年生の男の子の夢は、ディズニーランドに行くこと。
自分でお金をためて、ひとり旅です。
資金の調達元は、おかあさん。
1回10円で、肩をたたきます。
入場料とホテル代。
往復の旅費を入れると、いくらかな。
毎日、肩をたたいて1万回。
30年はかかります。
「わたしが生きているうちに」とは、おかあさん。
おかあさんを誘っていくと、ふたり分で60年。
でも、まだまだお元気だと思いますよ、おかあさん。
2012年4月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.21
聴診器のむこうに かわいいネズミさん
診察室に、ネズミさん。
大きな耳をゆらせながら、こんにちは。
どこか、かゆいところは、ないですか。
ネコのアレルギーは、ないですか。
大きくなったら、みんな一緒に、なんでも食べましょうね。
2012年4月21日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.08
聴診器のむこうに さんぱつ屋さん
5才の男の子は、さんぱつ屋さんに、いったばかり。
頭をみると、なるほど、今風の髪型で、よく似あいます。
「さんぱつ、嫌じゃない?」って尋ねると、
「お菓子をもらえるから」という、答え。
なるほど、今も昔も、さんぱつ屋さんの手口は変わりません。
小学生のころ、刈り終えたあとに、お菓子をもらったうれしさを、思いだします。
味覚より、美学が優先されるようになるのは、いくつ頃からでしょうか。
2012年4月8日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.04.07
聴診器のむこうに 小さな哲学者
4才の男の子のキリンノートには、哲学的な書き込みが・・
子「人間を作ったのは、誰なん?」
母「さあ、誰やろね」
子「先生やと思う。イクラ食べていいですよって言った先生と、耳鼻科の先生」
母「なんで?」
子「だって、悪いとこ治せるし、食べられるもの教えてくれるでしょ!人間のこと分かってるってことやから!」
母:4才になり、いろいろ考えてるようです。人間を作ったのは誰でしょう?
私;ボクを作ったのは、おかあさん。
おかあさんを作ったのは、おかあさんのおかあさん。
おかあさんのおかあさんをつくったのは、おかあさんのおかあさんのおかあさん。
その先は、分かりません。
でも、人間を作ったのは、きっと人間だと思いますよ。
2012年4月7日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.03.29
聴診器のむこうに さそりアレルギー
8才の男の子に質問します。
「ボク、何のアレルギーがあるの?」
男の子は、答えます。
「イカとお、タコとお、さそり」
一同びっくり顔。
男の子は、あわてて否定します。
「ボク、さそり、食べてないよ」
確かにそうです。
先生も、さそりは、食べたことがありません。
アレルギーでなくても、食べません。
負荷試験も、しないことにしています。
だから、さそりのアレルギーは、尋ねないでくださいね。
2012年3月29日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.03.27
聴診器のむこうに 目が悪くなったわけは
今年、新入学の男の子に、質問します。
「もう、ひらがなは、おぼえたかなっ」
おかあさんは、答えられます。
「字と絵が、大好きで。だから、目が悪くなったんです」
証拠の作品を、見せてもらいます。
なるほど、これは超大作。
でも、目はくれぐれも、大切にしてくださいね。
2012年3月27日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.03.25
聴診器のむこうに プラチナ合格証書
青年が、大学合格証書を見せてくれます。
国立大学の医学部の合格証書です。
やったね、やりましたね。
おめでとう。
6年先には、医師免許証を、見せに来てくださいね。
それまで、私も、現役でがんばります。
2012年3月25日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.03.17
聴診器のむこうに おかあさんの言うことを
もう少しで5才の男の子は、元気いっぱい。
「この、お魚ね、指をかむよ」
「おかあさんの言うことをきく子は、かまないよ」
「でも、言うことをきかない子は、かむよ。」
と、詳しく説明します。
「ボクは、どっちかな」と、お魚おもちゃをみせて、クエスチョン。
男の子は、どんビキます。
さては、こころに、やましいことが・・。
お魚さんは、みんな、見通しですよ。
2012年3月17日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.03.14
聴診器のむこうに シッポつき
7か月の赤ちゃんは、ティガーのオーバーコート。
「きゃあ、かわい」と、看護師さんの歓声があがります。
「しっぽも、あるんです」と、おかあさん。
赤ちゃんを、くるりと回して、見せていただきます。
診察室に置いてある、カンガと、ルーのぬいぐるみも、大喜びです。
2012年3月14日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.03.02
聴診器のむこうに ワンワン2世
1才の男の子の足元には、ワンワン2世。
ハッちゃんタイプの、茶色ワンちゃんです。
「どこで、買われたの?」って、尋ねます。
「神戸阪急です」と、おかあさん。
神戸阪急と言えば、ハーバーランドで20年間の営業。
3月11日に閉店します。
ワンワン靴は、その先も、神戸の街を、男の子と一緒に歩いていきます。
2012年3月2日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.02.29
聴診器のむこうに 兄弟しんかんせん
男の子、ふたりの背中に、しんかんせん。
おとうとさんの年は、1才3か月だから、ひかり103号
おにいさんの年は、3才1か月だから、のぞみ301号。
ふたり、なかよく、遊びましょうね。
2012年2月29日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.02.26
聴診器のむこうに ベストドレッサー
4才のお嬢さんの、ファッションセンスのよさに、びっくりします。
お洋服と、リボンは、パープル。
スカートと、靴下と、靴は、黒色で、びしっと決めています。
わたしはというと、「いいものを買っても、おとうさんが着ると、カッコよくなくなるよねえ」と、不思議がられます。
色合いのコーディナートも、着こなしも、ベストドレッサーですね。
2012年2月26日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.02.24
聴診器のむこうに カメラ目線
6才男の子は、上着を脱ぐと、カメラ目線。
思わず、ポーズをとってしまいます。
いつもは、カメラをぶら下げ、撮る方の立場。
撮られる方にまわると、緊張するものなのですね。
2012年2月24日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏
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2012.02.23
聴診器のむこうに 独唱したよ
7才のお嬢さん。
大活躍のお話を聞かせていただきました。
文化ホールの声楽コンクールで、独唱したそうです。
「AKBのうた?。それとも、嵐のうた?」と、尋ねます。
予想に反して、「ドイツ語のうた」
「すごいね。だったら、東京のプロダクションからのお誘いが来たら、どうするの」と、意向調査を行います。
女の子は、「行きます」と、しっかりとした答え。
日本の未来は、明るいです。
2012年2月23日
いたやどクリニック小児科 木村 彰宏